【ウクライナ発】水没の穀倉地帯 キーウ海の水が流れ込んだ
田中龍作ジャーナル
【転載開始】
■【ウクライナ発】水没の穀倉地帯
キーウ海の水が流れ込んだ
2022年4月16日
「ロシア軍のヘリコプターが飛んで来て
あの辺を爆撃した」。
アレクサンダーさんは指し示した。
水没した畑が向こうに広がる。
=15日、デミディフ村 撮影:田中龍作=
開戦から49日目、4月15日。
広大な範囲にわたって水底になってしまった
穀倉地帯を訪ねた。人知を超えた破壊に度肝を
抜かれた。
キーウから51㎞北のデミディフ村。
水没していなければ、小麦畑や野菜畑が広がる。
水没した畑はデミディフ村だけではない。
その周辺もである。
広大過ぎて正確に把握できないのだ。
広大な範囲が水没したのには理由があった。
水源がキーウ海だったのだ。
海といっても内海である。
広さ992キロ㎡。びわ湖(669キロ㎡)より遥か
に大きい。
淡水なのか塩水なのか。
舐めてみればすぐに分かるが、海岸に地雷が
埋まっている可能性が高いため、舐めることは
できなかった。ここは激戦地だったのだ。
キーウ海。水平線が広さを物語っていた。
この水が穀倉地帯に流れ込んだのである。
=15日、撮影:田中龍作=
村から空港のあるゴストメリまでは直線距離
で17㎞。
キーウ海南端には水力発電所もある。
村は戦略要衝になった。
キーウ海の堤防はロシア軍の砲撃により破壊され、
大量の水が穀倉地帯に流れ込んだのである。
ウクライナ軍はここに陣地を構え、キーウ海
周辺を守っていた。
ウクライナ軍の砲撃であるとは、まず考えられ
ない。
ロシア軍の砲撃により破壊された堤防。
=15日、キーウ海 撮影:田中龍作=
村人の話はこうだ―
「(開戦翌日の)2月25日、ロシア軍のヘリコ
プターが飛来してきて爆撃した」。
アレクサンダーさん(農業・60代)は、
ウクライナ軍の陣地があったとされる方角を
指さした。キーウ海の方角である。
イゴルさん(農業・60代)は家の2階を
ロシア兵に占領された。
営舎として使われたのである。
床には破壊されたガラケーが散乱していた。
スマホはロシア兵が我が物にした。
ロシア軍は、村人の通信手段を奪って、外に連絡
できないようにしたのである。
「3月1日にロシア軍の戦車や装甲車が数えきれ
ないほどやってきた。100台くらいあったんじゃ
ないかな。その後、ゴストメリの方角に進撃して
行ったよ」。
イゴルさんは当時を振り返った。
イゴルさんは村人2人がロシア兵に射殺されるの
を見た。
行方不明者は多数、という。
畑が水に浸かったままのイゴルさんは
「今年は何も栽培できない。無収入だ。政府に
援助を求めるしかないよ」と涙顔で話した。
ロシア軍が占拠した民家の床にはガラケー
が散乱していた。旧式スマホも。
=15日、デミディフ村 撮影:田中龍作=
【転載終了】
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ロシアは、ミサイル巡洋艦モスクワを
撃沈された報復に再度キーウ(キエフ)を
攻撃するとしていますが、更にロシアの
戦況を悪くすることになりかねませんね。
只の「口撃」だけならいいのですが。
ロシアのジョイグ国防相の姿が暫く見え
なかったのは、中国と北朝鮮を訪問して
いたようです。
軍事的支援の要請をしたのではないかと
の推測がされています。
中国は慎重姿勢のようですが、北朝鮮は
派兵する可能性が高そうです。
武力支援したら、ロシア並みの経済制裁を
受ける事になりそうですね。
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