【キーウ発】激戦地イルピンの埋葬ラッシュ
田中龍作ジャーナル
【転載開始】
■【キーウ発】激戦地イルピンの埋葬ラッシュ
2022年4月19日
一人の墓堀り職人が午前中、すでに6穴
掘っていた。
=18日、イルピン 撮影:田中龍作=
開戦から52日目、4月18日。
首都を落としたいロシア軍と死守せん
とするウクライナ軍との攻防で最激戦地
となったイルピン。
住民の帰還が本格化した。
墓地ではロシア軍に殺害された人々の
埋葬がラッシュを迎えている。
墓堀り職人に「きょうは何穴掘りました
か?」と聞くと「6穴」と答えた。
まだ午前11時半だった。
平均で1日に8~10穴掘る、という。
タチアーナさんは夫を埋葬した。
彼女は開戦翌日の2月25日、息子と共に
キーウに避難した。
だが夫のローマンさんは「家を守る」と
言って、イルピンに残った。
「これからシェルターに行くよ」
「外に出て来たら電話するからね」。
だが、ロシア軍が撤退しても夫から電話
は掛かってこなかった。
ローマンさんの棺が墓穴に入る瞬間。遺体
はロシア兵に頭を撃ち抜かれたことを
物語っていた。
=18日、イルピン 撮影:田中龍作=
夫が死亡していることは政府のHPで
知った。
亡骸とは遺体安置所で1週間前に対面し
た。
「後頭部をカラシニコフAK47で撃ち
抜かれていた」
「いつ殺されたのか分からない」。
私は墓標を確かめて回った。
死亡した日が「2022年3月●●日」と
書かれている墓標もあれば、
「2022年3月」としか書かれていない
のもある。
ローマンさんは後者のケースだ。
名前も死亡した日付も書かれていない
墓標もあった。無縁仏である。
激戦地は行方不明者が多数いる。
無縁仏であっても遺体が埋葬されただけ、
せめてもの救いかもしれない。
今後、どれだけの数の墓穴が掘られる
のか。想像もつかない。
無縁仏。こんもりとした土の盛り上がり
が存在感を示していた。名はなくとも
死者が意地を示しているように思えてな
らなかった。
=18日、イルピン 撮影:田中龍作=
【転載終了】
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ロシア軍の総攻撃が始まったよう
です。
今後、数え切れないほどの死亡者が
出ることになり、益々ロシアに対す
る憎しみが高まるでしょう。
ロシア寄りの国々が、何もしない
事に怒りさえ感じます。
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