【キーウ発】「クリミア侵攻」抜きで語るドンバスの虐殺はプロパガンダである

田中龍作ジャーナル


【転載開始】


■【キーウ発】

 「クリミア侵攻」抜きで語るドンバスの

 虐殺はプロパガンダである

 2022年4月23日


ロシア軍は装甲車の砲身をウクライナ軍

基地の本営に向け投降を迫った。

=2014年3月、クリミア半島

撮影:田中龍作=


 開戦から56日目、4月22日。


 今回の戦争で「非はウクライナにある」

とする人達の論拠は―


 ドンバス地方でウクライナ側がロシア系

住民を虐殺した、それは国際機関の調査で

も明らかだ・・・とするものだ。


 「ウクライナ=善」「ロシア=悪」の

二元論に立つ訳ではないが、

「非はウクライナにある」とする説には

決定的な要素が欠落している。


 ドンバス戦争はロシアによるクリミア

半島への軍事侵攻(2014年)を受けて

始まったのだ。


 当時、現地で侵攻の一部始終を見ていた

身として言わせてもらえば、ロシアが

クリミア半島のウクライナ軍基地をすべて

攻略し終えたのが4月初旬。

ドンバス戦争は4月7日開戦だ。

ドンバス戦争はクリミア侵攻が終わるか

終わらないかのうちに始まったのである。

クリミア侵攻は国際法違反にあたる武力に

よる奪取だった。

これを抜きにしてドンバス戦争は語れない

のだ。


 喧嘩を裁く時に問われる

「どちらが先に手をだしたのか」で言えば、

ロシアである。


ロシア軍がウクライナ海軍司令部を占拠

した瞬間。

=2014年3月、クリミア半島

撮影:田中龍作=


 ドンバス地方

(ドネツク州、ルハンスク州)のロシア

系住民に年金が払われないなどの虐待が

ある・・・も巧妙なプロパガンダである。

住民はマリウポリ(ドネツク州)の社会

保険事務所に行けば年金がもらえたのだ。

私は写真も撮り住民から話を聞いている。


 ドンバス地方は親露派勢力に実効支配

され役所も押さえられている。

政府が年金を送れば親露派勢力の資金源

にされるだけだ。

そのためマリウポリまで行くようにさせ

たのである。


 ドンバス戦争が始まって間もない頃、

私はドネツクで親露派民兵を取材車に

乗せた。

民兵はタクシー代と思ったのだろうか、

心情を吐露してくれた。


 「いつも砲撃に遭っている。私の家族

は難民となって(ロシアに)逃れた。

とても淋しい。誰も戦争なんてしたくな

い。みんな平和を望んでいる」。


 意気軒高で好戦的なのは、権力者たち

とその取り巻きだけなのだ。

戦争の常である。


 治安の悪化したドンバスに行くと誘拐

される、という刷り込みもあり、

ジャーナリストの足が遠のいた。

ドンバス地方はブラックボックスになった

のである。プロパガンダのし放題になった。


ドネツクの州都には交通の要所要所に

親露派民兵の装甲車が配置されていた。

旗は自称「ドネツク共和国」国旗。

開戦初年の2014年でこのありさまだ。

=撮影:田中龍作=


【転載終了】

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 この戦争は2014年のクリミア併合

から続いていたという事ですかね。


 クリミアだけでなく、ウクライナ

全域を占領しようとしたロシアとい

う構図ですか。


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