ロシア、ポーランド等へのガス供給停止を通告・・・
Business Journal
【転載開始】
■ロシア、ポーランド等へのガス供給停止
を通告・・・
ロシア外相、核戦争は「現実」と発言
2022.04.27
ついにロシアが切り札を出してきた。
ポーランドのアンナ・モスクワ気候
環境相は26日(現地時間)、
「ポーランドのガス安全保障」をテーマ
に会見し、ロシア国営天然ガス独占企業
ガスプロムから、ガス供給を同日中に
停止するとの通告を受けたことを明らか
にした。
ロイター通信、時事通信などによると、
ブルガリアも同様の発表を行ったという。
会見でモスクワ環境相は「供給元はほか
にもあり、国内のガス供給が止まること
はありません」と呼びかけた。
またモスクワ環境相は会見に先立ち、
以下のように自身の公式Twitterアカウ
ント上に投稿し、重ねて同国民に平静
を保つよう呼びかけている。
「ポーランドには、私たちの安全を
守るために必要なガスの備蓄と供給源
があります。私たちは何年もの間、
ロシアから事実上独立してきました。
ガス貯蔵施設の備蓄は76%です。ポー
ランドの住宅ではガスが不足すること
はありません」
■ポーランドは以前からロシア産ガスの
禁輸を主張
ロシア軍によるウクライナ侵攻に対し、
西側諸国は「国際決済ネットワーク=
SWIFT」からの排除など一連の金融・
経済制裁を発動。これに対し、ロシア
政府は“友好的ではない国”に最後通告を
送付。
今月1日からガス代金をルーブル建で
支払うことを求め、実施されない場合は
ガスの供給停止をほのめかしていた。
ポーランドのエネルギー大手PGNiGは
26日、公式サイトに
「26.04.2022 PGNiG i GAZ-SYSTEM:
informacja w sprawie dostaw gazu
w kontrakcie jamalskim」
(ヤマル契約に基づくガス供給に関する
情報)とのプレスリリースを発表。
ガスプロムから供給停止の通告を受けた
とし、「供給停止に関連する状況を継続
的に監視している」と報告した。
国内消費者に向けたガス供給インフラは
順調に機能していることを強調。
以下のように解説している。
「ガス供給源を多様化するという政府
戦略の実施により、PGNiGは以下のよう
な様々な方向からガスを入手する準備が
できています。西と南の国境のガス接続
とシフィノウィシチェの液化天然ガス
(LNG)ターミナルを経由し、サービス
を提供するLNG船の数を次々と増やして
います。バランスシートは、国内のガス
生産と地下のガス貯蔵施設に蓄積された
燃料備蓄によって補完されます。現在、
倉庫の充填レベルは約80%であり、前年
同期よりも大幅に高くなっています」
同社や気候環境省の2020年の統計では、
同国の天然ガス総輸入の約55%をロシア
産で賄っている。
一方、同国政府は近年、米国や中東地域の
LNGへの移行を進め、供給源の多様化を
目指す方針を示していた。
また同国政府は今回のロシア軍による
ウクライナ侵攻を受け、欧州連合(EU)
に対し、ロシアからのガス禁輸を呼び
掛けていた。
■焦点のドイツ、供給停止なら
「バイエルン州の2割生産停止」
日本の経済産業省関係者は「今後、焦点
となるのはロシアが“天然ガスカード”を
欧州最大級のロシア産石油・天然ガス依存
国ドイツに対して、いつ、どのタイミング
で使うかどうかでしょう」と懸念する。
その上で、日本貿易振興機構(JETRO)が
26日に公表した『天然ガス供給停止の場合、
ドイツ・バイエルン州企業の2割が生産停止
に』との短信を示した。
同短信は、ドイツ南部バイエルン州の
経済団体バイエルン経済連盟(vbw)が
エネルギー、天然ガスの供給に関する企業
アンケート結果を公表したことを伝えるも
のだ。
金属・電機産業、その他製造業、建設・
商業・ホテルなどのサービス業などに携わ
る同州企業に対して、4月4~13日、
1141社に対しアンケートをしたもので、
「天然ガス供給が短期的に停止した場合、
22.0%の企業が『生産またはビジネスが
完全に停止する』と回答」し、「エネル
ギー集約型産業に限定すると、『生産また
はビジネスが完全に停止する』とした企業
は全体の33.5%になった」という。
英BBC(日本版)の21日付記事『ロシア
産原油、即時禁輸はしないとドイツ財務相
政権内ですれ違いか』
によると、ドイツのクリスチャン・リント
ナー財務相がロシアのエネルギーへの依存
を解消するために「できるだけ早く」動い
ているが、時間がかかるとの見方を示す
一方、アナレナ・ベアボック外相は
「ドイツは年内にロシアからの原油の輸入
を終了し、ガスもそれに続く」などと述べ
たと報じた。
同国政府内でも混乱が見られるようだ。
米経済誌編集者は一連の動きに関し、
次のように語った。
「ドイツもまたガス代金のルーブル建て
支払いを拒否する方針です。一方で、欧米
諸国がウクライナに対して“重い兵器”
(りゅう弾砲や装甲車、戦車など)への
供給を始めたことを受け、ドイツは26日、
ゲパルト対空戦車のウクライナに提供する
ことを公表しました。
ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は同日、
ロシアメディアのインタビューに応じ、
西側諸国の一連の武器援助を『代理戦争』
と指摘。核戦争の危険性についても『それ
は現実で、過小評価できない』などと述べ、
一層態度を硬化させています。ロシアもま
た欧米との全面戦争は回避したいと考えて
いるとは思いますが、戦争に至る前に使え
る“カード”はすべて使う可能性が高いと
思います。現状、ガス供給が止まればドイ
ツはもちろん、世界経済への影響は大きい
とは思います」
(文=Business Journal編集部)
【転載終了】
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ロシアの窮状が伺われる事態ですね。
それに、ドイツが50%以上もロシア
にエネルギーを依存していることが信じ
られないですね。
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