アメリカ軍より優れる、ウクライナ内製ソフトで砲撃20倍迅速に
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【転載開始】
■アメリカ軍より優れる──
ウクライナ内製ソフトで砲撃20倍迅速に
2022年5月26日
<射撃命令から攻撃までに、従来は20分
の時間差が。ウクライナ人のプログラマー
は、IT化でこれを1分以下にまで短縮した>
開戦以来最も激しい戦闘ともいわれる
ウクライナ東部シヴァスキー・ドネツ川の
渡河防止作戦で、ウクライナのプログラマー
が開発した画期的なミサイル攻撃ソフトが
導入されていたことがわかった。
英タイムズ紙が報じた。
システムは
「GIS Arta(ジーアイエス・アルタ)」と
呼ばれるもので、スマホ入力やレーダーなど
による索敵情報を統合する。
さらに、この情報からミサイルを撃ち込む
べき最も効果的な位置を瞬時に判断し、
フィールドに展開中の各砲兵に目標を振り
分けるものだ。
GIS Artaの導入で、ミサイル発射の決定か
ら実際の発射までの時間は、従来の10分の1
から20分の1にまで短縮された。
従来20分前後を要していたところ、命令から
1分程度で引き金を引けるまでになっている。
■渡河作戦の防止で成果
激しい攻防が繰り広げられたドネツ川の
渡河防止作戦でも、GIS Artaがウクライナ
防衛に貢献した。
ウクライナ東部では5月8日、
シヴァスキー・ドネツ川に架かる浮き桟橋を
渡ろうとしたロシア軍と、防衛に回る
ウクライナ軍のあいだで、侵攻開始以来最も
激しいとされる戦闘が展開した。
砲撃と空爆は2日間にわたり、最終的に
ウクライナ側は渡河の阻止に成功している。
ロシア側は戦車や人員輸送車など70台以上
の車両を喪失したほか、少なくとも1個大隊
戦術群に相当する兵力を失ったとみられる。
将校・兵士含め700人前後に相当する兵力だ。
ウクライナ側は砲撃の統率にGIS Artaを
活用し、ロシア軍の前進を食い止めた。
同システムを通じ、複数の砲撃部隊に
それぞれ目標となるロシア側の戦闘車両を
振り分けた。偏りと撃ち逃しのない攻撃が
可能となり、前述のように70台以上の
装甲車両を破壊し渡河作戦を阻止した模様だ。
■迅速な目標設定、「戦場のUber」の二つ名
攻撃指令を即断化したGIS Artaは、
その素早い割り当て能力から「戦場のUber」
の異名をもつ。
ライドシェアのUberは、乗車希望の顧客に
対し、市街を走る車両から最も適した車両
を割り当てる。
同様にGIS Artaも、戦場に分布する自軍の
なかから、最も効果的な兵器をもつ小隊に
攻撃指令を割り当てるしくみだ。
戦場には多様な火力が混在しており、
銃や迫撃砲、ロケットランチャーやドローン、
そして特殊部隊などが展開する。
GIS Artaにあらかじめ自軍の所在を入力し
ておけば、攻撃目標の情報を指定するだけで、
どの攻撃手段を用いるべきかを即座に判断
して発射命令を下す。
さらにGIS Artaは、複数部隊が連携した
攻撃において、より強力な効果を発揮する。
ソフトウェアを複数の部隊に配備しておく
と、ソフト同士が分散ネットワークを通じ
て連携する。
各部隊の砲術担当としては表示された結果
に基づき射撃するだけだが、知らぬ間に
自軍全体が連携した攻撃となる。
異なる種類の火力が同時に着弾するよう
な時間計算も得意としており、これにより
3秒以内の誤差で目標に着弾させ、
敵陣を弾幕で包むこともできる。
TOT(タイム・オン・ターゲット、同時
弾着射撃)と呼ばれる手法だ。
■「アメリカ軍より優れる」 米国防関係者
が語る
アメリカ国防契約管理局のテレンコ氏は
ツイートを通じ、GIS Artaアプリと
スターリンク衛星通信の組み合わせが、
「アメリカ軍の一般的な砲術指揮統制と
比較して相当に優れたものをウクライナ軍
にもたらした」との見解を示している。
このような演算システムはウクライナ
独自というわけではなく、
例えばアメリカ軍も砲兵射撃指揮統制
システム(TACFIRE)や
先進野戦砲兵戦術情報システム(AFATDS)
などを導入している。
しかし、砲撃までの時間には雲泥の差が
ある。
トレント・テレンコ氏は、
「米軍は指令から発射まで、第二次大戦
では5分、ベトナム戦争では15分、現在
では1時間を要している」
「いや、書き間違いではない」と述べて
いる。
アメリカでは友軍に対する誤射防止な
どのため、上層部への確認手続きに時間
を要するようになっているのだという。
対するGIS Artaはこの常識を覆し、常に
自軍の位置を追跡しておくことで、
元々20分だった工程を最短30秒にまで
短縮した。ウクライナのシステムは、
「意思決定」と「引き金を引く」のあい
だに存在した冗長な時間を、IT化で省い
たといえそうだ。
■クリミア危機が導入の契機に
GIS Artaの中核をなすコードは、
兵力管理ソフトの製作を手掛けるウクラ
イナのヤロスラフ・シャストゥーク氏が
完成させた。氏は地理データを解析・
活用する地理情報システム(GIS)の
専門家だ。
米政治ブログ誌の『デイリー・コス』は
GIS Artaについて、ウクライナが開発した
「革新的」な砲術ソリューションだと評価
している。
「アメリカの技術ではない。イスライエル
の技術でもない。自家製なのだ」と同誌は
強調する。
GIS Artaの歴史は2014年ごろにまで遡る。
ロシアによるクリミア侵攻を受け、
ウクライナ軍の能力を強化する目的で導入
された。
当初こそ砲撃計画システムの立ち位置に
留まったGIS Artaだが、いまではより広範
な戦術システムとしてウクライナの指揮官
たちを補佐している。
指揮官たちは軍司令部からシステムを参照
して射撃命令を出すほか、兵站や通信の
サポートなど幅広い業務をGIS Artaを活用
して進めている。
開発に携わったエンジニアのひとりは
タイムズ紙に対し、
「レーダーと連携していれば、敵の所在を
知るだけでなく、ミサイルの射出時にそれ
を検知し、着弾予想地点とそこに自軍の
部隊があるか否かを自動的に検出します」
と語る。
「ロケットがまだ空中にある段階で、自軍
に退避を促すことができるのです。」
西側による兵器支援がウクライナの防衛
を支えているのはもちろんのこと、内製の
優れたソフトウェアもその活用に一役
買っているようだ。
【転載終了】
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軍事大国の数十年遅れた装備と
近代的な攻撃システムと兵器で
小国が大国より戦果を出している
のですね。
ロシア軍は2カ月余りで、ウクラ
イナの都市や町や村に2154発もの
ミサイルをぶち込んだが建物を破壊
し、ウクライナ国民を犠牲にしただ
けですが、ウクライナ軍はロシア軍
機を200機撃墜しているので制空権
も奪えないようです。
ウクライナ軍機165機を破壊したと
発表したが、ウクライナ軍の保有機
の3倍の数字だそうです。
如何にロシアが戦果を誇張し、
自軍の被害を矮小化し発表している
かですね。
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