60億円かけて設置のコロナ臨時施設、利用303人のみで閉鎖・・・
読売新聞
【転載開始】
■60億円かけて設置のコロナ臨時施設、
利用303人のみで閉鎖・・・
「軌道修正できなかった」
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大阪府が新型コロナウイルス対策で開設
した国内最大の臨時医療施設
「大阪コロナ大規模医療・療養センター」
(大阪市住之江区)が、5月末で閉鎖される。
約60億円をかけて1000床を運用したが、
利用者は1日最大70人、累計でも約300人
にとどまった。
変異株「オミクロン株」は重症化しにくく、
利用を想定していた若い世代の多くが自宅に
とどまるという誤算があった。
(小栗靖彦、山本貴広)
吉村洋文知事がセンターの開設を表明した
のは、感染が拡大していた昨年8月下旬。
当時は30~50歳代が自宅療養中に死亡
する事例が全国で相次いでおり、
若い世代に医療の目が届く受け皿を提供する
狙いだった。
大阪・南港の大型展示場
「インテックス大阪」に、無症状・軽症用
800床と中等症用200床を整備。
人の移動が活発になる年度替わりの感染拡大
に備え、会場は5月末まで押さえた。
今年に入り、オミクロン株の流行で感染者
が急増。
1月24日には病床使用率が50%を超えた
ため、同31日から運用を始めた。
対象は原則40歳未満の自宅療養者に限定。
保健所が入所を決めるのではなく、希望者が
府のコールセンターに申し込む仕組みだった。
しかし、蓋を開けてみれば、利用者はゼロ
か1桁が続いた。
2月15日からは、無症状・軽症用の対象を
60歳未満に引き上げたが、1日のピークは
3月10日の70人で、受け入れ最終日の
4月30日までの3か月の累計でも303人
となった。
なぜ利用が低調だったのか。
府幹部は「新たな株の特性を予想できず、
ニーズに応じた軌道修正もできなかった」と
振り返る。
府の分析では、デルタ株が猛威を振るった
「第5波」(昨年6月21日~12月16日)
の重症化率は1%だったが、オミクロン株が
流行した「第6波」(昨年12月17日~)
では0・12%に激減。
このため、感染しても自宅にとどまった人が
ほとんどだったとみられる。
府内の自宅療養者は3万人余りだった
センター開設時から増え続け、ピークの
2月16日には7万5805人となった。
宿泊療養用ホテルの利用も低調だった。
センターでは、消灯時間が決まっているな
ど生活上の制約を受けることも、敬遠された
一因とみられる。
第6波では高齢者施設でクラスター
(感染集団)が多発するなど、むしろ高齢者
対策が課題になった。
府はセンターで高齢者を受け入れることを
模索したが、介護スタッフの確保や施設の
段差を解消するための改修費がネックになり、
断念したという。
府が施設の運営を委託した事業者が確保
した医師は1日最大4人、看護師は1日最大
35人。
施設の賃料30億円や人件費など経費は
計57億円に上る。
関西大の高鳥毛敏雄教授(公衆衛生学)
の話「変異株の性質を予想するのは難しく、
結果的に施設の使用率が低かったことはや
むを得ない面がある。ただ、公金を投入す
る以上、施設はできるだけ活用されるべき
だ。対象者や場所を慎重に選定し、開設後
も感染状況を常に確認しながら、想定外の
事態が起きれば柔軟に軌道修正する姿勢が
求められる」
■第7波では高齢者専用目指す
府が次の第7波に備えて開設を目指すの
が、介護が必要な高齢者専用の臨時医療
施設だ。
大阪市住之江区の新築の福祉施設1棟を
借り上げて約40床を用意し、寝たきり
など「要介護3」以上で、中等症1程度ま
での在宅の高齢者を受け入れる。
医師や看護師のほか、介護福祉士や
理学療法士を配置し、治療と同時に介護や
リハビリを受けられるようにする。
7月から来年3月まで開設し、費用は
20億円と見込む。
第6波では、入院患者の67%を70歳
以上が占め、第5波の14%から急増。
高齢者が病床の逼迫(ひっぱく)で入院
できなかったケースも多く、府は高齢者の
受け皿が必要だとみる。
介護人材の確保が課題となるが、施設の
運営を担う医療法人は、系列の社会福祉
法人が高齢者施設も運営しており、
スタッフをそろえるノウハウがあるという。
吉村知事は「自宅で寝たきりで入院もでき
ず、行き場のない高齢者を守りたい」と
語る。
【転載終了】
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認知度が低かったのか?
運用方法が悪かったのか?
いずれにしろ、「造ったよ」と
いうだけだったのではないかと感じ
ますね。
保守系の特徴かもしれないですが、
箱モノだけ造って「さあ、入って」
だったのか?
多分、医療や介護現場で看護師や
介護士の手が足りていないことを
認識できていなかったのかも?
医療や介護現場はそんなところに
手を回す人員の余裕はないですね。
私は看護、介護現場に家族が3人
いるので、手が足りない大変さは
分かります。
資格を持っているけど他の業種に
ついている人がどれだけいるか、
政府は把握できていないのでは。
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