中国、勝利宣言か・・・

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【転載開始】


■中国、勝利宣言か──トランプ「五輪期間中、軍事演習ない」

 米韓首脳電話会談で平昌五輪期間中、

合同軍事演習はないだろうとトランプが

言ったことに関して、中国は「双暫停」が

勝ったと速報。

昨年末日本は中国に更なる圧力を求めた

ようだが、情勢分析を間違ってはいないか。


■CCTVが速報――勝利宣言のごとく

 4日22時36分、中国の中央テレビ局CCTV

のクライアント端末に速報が流れた。

韓国の文在寅大統領がトランプ大統領と

電話会談を行い、平昌冬季五輪期間中に

米韓合同軍事演習を実施しないことで

合意したというニュースだ。


 それによれば、電話会談は22時

(中国時間21時)頃から30分間ほど行われ、

文在寅大統領が「五輪期間中、米韓合同

軍事演習を延期する意向を明らかにして

くれれば、平和五輪になる」と言ったのに

対して、トランプ大統領は「文大統領が

私に代わって、五輪期間中、軍事演習

がないだろうと言ってもかまわない」と

答えたという。


 これは北朝鮮が平昌冬季五輪に参加

する意向を示したことと、板門店における

朝韓対話チャンネルを再開したことに

対する(アメリカ側の)回答であるとCCTVは

報じている。


 何よりも注意を引いたのは、これこそは

正に中国がこれまで唱えてきた「双暫停」が

遂に実現したことの何よりの成果であると、

あたかも「勝利宣言」のごとく緊急速報で

報じたことである。

毎回くり返しになるが、「双暫停」とは「北朝鮮

もアメリカも軍事行動を暫定的に停止して、

対話のテーブルに着く」という意味。


 その後、トランプ大統領が「米国は100%

文在寅大統領を支持する」と話したことも

報道された。


■六ヵ国協議の中国代表、韓国へ

 一方、北朝鮮の核・ミサイル問題をめぐる

六カ国協議の中国主席代表を務める

孔鉉佑外交部副部長(外務次官)が、5日から

韓国を訪問し、韓国首席代表の李度勲氏と

朝鮮半島情勢について協議することになった。

CCTVが報道した。

孔鉉佑氏は中国籍朝鮮族で、朝鮮半島問題

特別代表を兼務している。


 孔鉉佑氏はまた、日米の六ヵ国協議代表とも

電話会談したと、CCTVは伝えた。


■中国に対北圧力強化を要望してきた日本

 安倍首相はかねてより、北朝鮮に対しては

「限りなく圧力を強化していく」という方針に

おいてトランプ大統領と「100%共にいる」ことを

表明してきたが、北朝鮮に大きな影響力を

持っている(と日本が考えている)中国に対して

「圧力強化と制裁に協力するよう求める」として

きた。


 そのため、昨年末に訪中した自民党の

二階幹事長は中国の楊潔チ国務委員

(外交担当)と会談し、「中国は必ず北朝鮮に

核開発を諦めるように働きかけてくれると、

日本国民は信じている」と述べたそうだ。

つまり「圧力強化に協力するように」という

ことである。

それに対して楊潔チ氏は、あくまでも「対話と

交渉で、平和的な解決を実現したい」と述べる

に留めたとのこと。


 このとき中国共産党対外聯絡部はすでに、

北朝鮮と緊密に連携しながら「平昌冬季五輪

に参加し、南北対話を推進して、米韓合同軍事

演習をくい止めよ」という指示を出していた

はずだ。

もし北朝鮮が言うことを聞かなければ、中国は

3枚のカードを切る準備があるという恫喝も

忘れていなかっただろう。


 3枚のカードとは、何度も書いてきたが、

たとえば昨年11月20日のコラム「北朝鮮問題、

中国の秘策はうまくいくのか――特使派遣の

裏側」にあるように、以下の3枚だ。


 カード1:中朝軍事同盟の破棄


 カード2:断油(原油輸出の完全停止。

       北への「油」の90%は原油)


 カード3:中朝国境線の完全封鎖


 中国はこの3枚のカードをちらつかせながら、

北朝鮮にとって最も賢明な道は何かを金正恩に

迫ってきた。

カードは切ってしまえば効力を失う。

だから中国はこの日のために、カードを使わずに

おいたのである。


 それも知らずに、「中国に更なる圧力をかけ

させるために、日中友好を重んじて習近平訪日

を実現させる」としている安倍内閣の方針は、

北朝鮮を取り巻く情勢分析において、必ずしも

適切ではないのではないだろうか。


■日米が圧力を強化したためと解釈する非現実性

 ましていわんや、今回の北朝鮮の方針転換を

「日米が圧力を強めたため」と解釈するのは、

あまりに非現実的である。

中国の周到でしたたかな戦略を見誤ると、

日本は又しても中国にやられてしまうことに

なろう。


 なお、5日のCCTVは「平昌五輪期間中、

米韓合同軍事演習が行われないことに関する

特集番組」を組んだが、今回もまた「日本の

憲法改正」に関する特集との抱き合わせで

報道した。

「安倍首相が又もや北朝鮮危機を持ち出して、

それを口実に憲法改正を行なおうとしている」

という番組だった。


 中国として阻止したいのは「米韓合同軍事演習」

であるとともに、(中国が言うところの)「日本の軍国化」

である。

そのためなら何でもする。

それが今回の結果に表れていることから眼を逸らさない

方がいいだろう。


[執筆者]遠藤 誉

1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に

日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、

筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院

社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。

著書に『習近平vs.トランプ世界を制するのは誰か』

(飛鳥新社)『毛沢東 日本軍と共謀した男』(中文版も)

『チャイナ・セブン<紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン

中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国

言論をめぐる攻防』など多数。


【転載終了】

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 アメリカは中東に引っ張り込まれているので、

アジアと中東の二股は無理なのでは?


 安倍首相はわかってないのでしょうね。

外務省の分析能力の低さが影響か?


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