安倍氏の国葬は「死の政治利用」と専門家。
Huffington Post Japan
【転載開始】
■安倍氏の国葬は「死の政治利用」と
専門家。
明治以降の歴史から読み解く、政府
関与の“公葬”の危うさ
安倍晋三元首相の国葬が秋に行われる
見通しに。
国葬の歴史に詳しい中央大の宮間純一
教授は、
「政府が関わって、『国家に特別な功績
があった』とされる人を弔う葬儀はいず
れも政治的な意図を持って行われてきた」
と強調する。
2022年07月17日
参院選の応援演説中に銃で撃たれて亡く
なった安倍晋三元首相の「国葬」が秋に
実施されることについて、賛否の声が巻き
起こっている。
国葬とは、政府が主催し、国費で行われ
る葬儀のことだ。
戦後、首相経験者の国葬は1967年の
吉田茂氏の一例のみで、秋に実施されれば
55年ぶりとなる。
近年は内閣と自民党による「合同葬」が
主流。
一方で過去には、鳩山一郎氏や池田勇人氏、
石橋湛山氏らの「自民党葬」など、
首相経験者でも政府が関わらない形での
葬儀が執り行われたケースも少なくない。
国が主催する公的な葬儀には、どんな
問題があるのか。
『国葬の成立』(勉誠出版)の著書が
あり、政府が関わる葬儀の歴史に詳しい
中央大の宮間純一教授(日本近代史)に
聞いた。
■過去には「戦時体制の強化」に利用も
ーそもそも「国葬」は、日本でいつから
始まったのでしょうか。
国葬の始まりは、明治11年(1878年)
に士族たちによって暗殺された大久保利通
の国葬に準ずる葬儀でした。
当時は反政府勢力が国内に多くおり、
盤石な政府ではなかった頃。
天皇の名の下に、国家を挙げて大久保と
いう人物に対し哀悼の意を示すことで、
反対派の動きを封じ込めるという政治的
な目的がありました。
国として一つのまとまりを作っていく
ために執り行われたのです。
その後、岩倉具視や島津久光、三条実美
などの国葬は天皇の特旨(特別な思し召し)
として行われ、国家を挙げて一人の人を
悼む葬儀が完成していきます。
岸田首相は記者会見で、安倍氏が選挙中
の襲撃事件で死去したことを踏まえ、
国葬を執り行うことで
「我が国は暴力に屈せず、民主主義を断固
として守り抜くという決意を示す」と発言
しました。
国葬の実施と民主主義を守ることがど
うつながるのか理解できませんが、この
発言はまさに大久保を国葬した際の明治
政府の意図に通じるものと考えます。
ー1926年の「国葬令」は、法令として国葬
について初めて定めています。
天皇の勅令で国葬令が定められると、
天皇や皇后などの他、「国家に偉勲ある者」
(国家に特別な功績があった人たち)も
これに基づき国葬を天皇から賜りました。
戦前の国葬は、『天皇や国家に尽くした
人を国を挙げて悼む』という論理のもと、
天皇の支配イデオロギーや国家の統制を
高めるための方法として利用されました。
わかりやすいのが、1943年に戦死した
山本五十六の国葬です。
当時は戦局が著しく悪化している時期で
あり、戦時体制を強化するという明確な
目的があって行われています。
ー戦後、「国葬令」は廃止となりました。
一方で、その後も吉田茂氏の国葬のほか、
内閣と自民党による合同葬など、政府が
関与する形での首相経験者らの公的な
葬儀は行われ続けています。
国葬の始まりやその後の歴史から分か
るように、政府が関わって、「国家に特別
な功績があった」とされる人を弔う葬儀は、
いずれも政治的な意図を持って行われてき
ました。
国葬というのは、民主主義社会において
は国家が主体となり、国民も政府も納得し
た上でその人を顕彰するために行うべき
儀礼ですが、そのような対象はあり得ない
はずです。
安倍氏に限らず、その人の業績を良く
思わない人がいる中で、国として
「偉大だった」と評価を固めてその死を
重要だと認定することには疑問が残りま
す。
国や政府が主催し、多くの税金を投入
する国葬などの公葬はもう時代に合わな
いのではないでしょうか。
有志で執り行うのではなく、必ずしも追悼
したくないという国民も公費負担という形
である意味、強制的に巻き込むことには
問題があります。
さらに、安倍氏を国葬の対象とすること
は、ひいては安倍政権を評価し、自民党
政権を肯定することになります。
そうなると、国葬を亡くなった人のために
行うというより、現政権のために行うと
いうことになり得る。
そこに多額の税金を投入することは
「死の政治利用」とも言えます。
ー今回の国葬の実施について、岸田首相は
閣議決定が根拠だと主張しています。
閣議決定が根拠になるんだという解釈だ
けで進めることは、非常に問題があります。
国が主体となり、その上全額が公費負担
となるからには、国民が選んだ代表者たち
が国会の場で審議し、開かれた形で議論を
行い、民主的な手続きを経て決定するべき
です。
■中央大の宮間純一教授本人提供
戦後の主な首相経験者の葬儀形式
(就任順、朝日新聞デジタルより)
吉田 茂(1967年10月死去)
国葬
鳩山 一郎(1959年3月死去)
自民党葬
岸 信介(1987年8月死去)
内閣・自民党合同葬
池田 勇人(1965年8月死去)
自民党葬
佐藤 栄作(1975年6月死去)
国民葬
田中 角栄(1993年12月死去)
自民党・田中家合同葬
福田 赳夫(1995年7月死去)
内閣・自民党合同葬
大平 正芳(1980年6月死去)
内閣・自民党合同葬
中曽根康弘(2019年11月死去)
内閣・自民党合同葬
竹下 登(2000年6月死去)
島根県掛合町(当時)
・自民党島根県連
・竹下家合同葬
宮沢 喜一(2007年6月死去)
内閣・自民党合同葬
橋本龍太郎(2006年7月死去)
内閣・自民党合同葬
小渕 恵三(2000年5月死去)
内閣・自民党合同葬
【転載終了】
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現職での死亡でも国葬になって
いないですからね。
「改憲」に利用しようとしてい
るとしか思えないのですが。
深読みかもしれないですが。
日本は司法も含めて「性善説」
意識が強すぎるのでしょうね。
司法は再犯率が4割以上という
データを知らないのでしょうかね?
極端なのは、出所したその日に
人を殺し逆戻りという事例もあり
ます。
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