安倍元首相の国葬について冷静な議論を求めたい。
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【転載開始】
■安倍元首相の国葬について冷静な
議論を求めたい。
その場は国会であるはずだ
公開日:2022/07/20
安倍晋三元首相について政府は
国葬を行うことを決めたという。
岸田首相は、
「憲政史上最長の8年8カ月にわたり、
卓越したリーダーシップと実行力を
もって、厳しい内外情勢に直面する
我が国のために内閣総理大臣の重責
を担ったこと、東日本大震災からの
復興、日本経済の再生、日米関係を
基軸とした外交の展開等の大きな
実績をさまざまな分野で残されたこ
となど、そのご功績は誠にすばらし
いものであります」と語った。
■ミスリードな岸田発言
また、「外国首脳を含む国際社会
から極めて高い評価を受けており、
また、民主主義の根幹たる選挙が
行われている中、突然の蛮行によ
り逝去されたものであり、国の内外
から幅広い哀悼、追悼の意が寄せら
れています」とも強調している。
小論では、安倍元首相は当初は
外交を動かすために長期政権を目指
したが、途中から主客転倒し、
長期政権の維持のために外交を利用
する形になったと指摘してきた。
G7などの首脳外交の場では、その場
を経験している首脳が新参の首脳に
気を配るシーンがよく見られる。
古株である安倍元首相がその役割を
担い、それが各国の首脳に感謝され
たことは想像に難くない。
ところで、この岸田首相の発言は
前段と後段を分けて考えることが
可能だ。
仮に「ご功績」の評価を認めたとして
も、安倍元首相が数十年後に天寿を
全うして世を去ったとしたら現首脳を
含め「国の内外から幅広い哀悼、追悼
の意」が寄せられる状況にはならな
かったと思うからだ。
つまり、この国葬は、安倍元首相が
非業の死を遂げたことによって実施
される運びとなったと考えるのが自然
だ。
これについて岸田首相は、
「国葬儀を執り行うことで、安倍元総理
を追悼するとともに、我が国は、暴力に
屈せず民主主義を断固として守り抜くと
いう決意を示してまいります」と語って
いる。
これは、かなりミスリードな発言だ。
前回も指摘したが、少なくとも容疑者の
供述を見る限り、事件は旧統一教会と
安倍氏の関係の密なことを信じた逆恨み
による犯行であり、安倍氏の言論を封じ
ようとしたものではない。
従って、民主主義うんぬんを持ち出して
事件を語るのは、少なくとも現段階では
事実に基づいたものとは言えない。
産経新聞の報道によると、日本維新の
会の松井一郎代表は、国葬について
「反対ではないが、賛成する人ばかりで
はない」と述べたという。
「『反安倍』はたくさんいる。批判が
遺族に向かないことを祈っている」とし、
「礼節を尽くすべき元首相だと思うが、
その結果、遺族の負担にもなるというこ
とはよく考えてもらいたい」と語ったと
いう。
松井氏は国葬に反対の立場ではなく、
記事も「反安倍」の存在を批判したい
ニュアンスを感じる。
しかし、松井氏の発言そのものは、
政治的な立場を離れて多くの人と懸念
を共有している気がする。
声高に賛否のいずれかを叫ぶよりも、
冷静な議論を求めたい。
その場は国会であるはずだ。
それがなければ、元首相は国会軽視の
代名詞になってしまうのではないか。
【転載終了】
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保守系の人たちの論調としては、
「反安倍派」が引き起こした事件だ
としています。
論点の摩り替えも甚だしいです
が、皮肉なものです、”凶行”が真実
を白日の元に晒す結果になろうとは。
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