<世界株急落>浜矩子教授が語る「超金融緩和のしっぺ返し」・・・
毎日新聞 2/10(土) 配信
【転載開始】
<世界株急落>浜矩子教授が語る「超金融緩和のしっぺ返し」
世界的に株価が急落している。
表面上良さそうに見える経済の底流で何が
起きているのか。
世界の金融市場に詳しい浜矩子・同志社大学
大学院教授に聞いた。
(聞き手=平野純一)【毎日新聞経済プレミア】
--ニューヨークと東京市場で株価が急落しました。
これまでの超金融緩和のしっペ返しが来たという
ことでしょうか。
◆浜矩子さん 来るべきものが来つつあるという
ことでしょう。驚くに値しません。世界の中央銀行は
これまで超低金利、あるいはマイナス金利といった
非常に「異次元」の政策を行ってきました。
その巻き戻しの第1波が来たということです。
「異次元」な金融政策から「正常化」に向かう
という意味では、むしろ良いことかもしれません。
ただ、正常な場所に着陸する前に、グローバルな
スケールで金融システムが大激震を被ってしまって
は怖い。これをどう避けるか。ここが政策責任者
たちの課題ですね。
時あたかも「暗号通貨」なるものがものすごい
勢いで膨らんでいます。暗号通貨は日本では
「仮想通貨」と呼びますが、英語では
「crypto currency」。暗号通貨の方が実態に
即していると思います。この暗号通貨の膨張が、
いまの異常な金融を象徴するような存在に
なっています。
◇仮想通貨は「コスプレ通貨」だ
--超低金利でマネーが仮想通貨にまでいったという
ことでしょうか。
◆そうです。行き場を失ったカネの新たな受け皿が
暗号通貨であったわけです。このような異様なもの
が生まれてしまっている状況下で、金融の巻き戻しが
進むことになると、まともな状態に帰ってこられるか
どうか心配になります。
私は仮想通貨の「カソウ」は「仮装行列」の「カソウ」
だと言ってきました。「コスプレ通貨」ですね。偽物です。
異様な金融環境の中で、世の中のカネを飲み込まれ
ていく。そんな状況が生まれ、ついに仮想通貨取引
業者「コインチェック」が不正アクセスによっておカネ
をなくしてしまうという事態まで起きました。
--金融正常化はそう簡単ではなさそうです。
◆金融はグローバルなスケールで異次元の
世界に行ってしまっていたわけですが、それでも
異次元から正常な軌道で地上に立ち戻ろうとして
きたのが、米FRB(連邦準備制度理事会)の
ジャネット・イエレン前議長でした。FRBはまがりなり
にも2015年末から5回にわたって利上げを行って
きたのです。
ゆっくりと少しずつ利上げして正常化軌道に戻る
ルートを探りましたが、おもしろいもので、彼女が
辞めて新しくパウエル議長になった途端に、潮目が
変わるような出来事が起きています。
◇金融正常化が最も難しいのは日本
--日本は米国と違い利上げもできてこなかった
ので、異次元からの回復はさらに難しいのでは。
◆そうですね。だから日本は本当に厳しいと思います。
米国も、欧州(ECB=欧州中央銀行)も、一応は
異次元空間からなんとか帰還しようとしています。
それに対して日銀は、正常化を目指しえない状況
に自らを追い込んでいます。つまり国債を買い支え、
株までも買い支えて、その異常さにどっぷりとつかって
いるからです。まさに確信犯的な相場買い支え行為
です。正常に戻ろうとすれば相場は暴落しかねず、
そう簡単には戻れません。
さらには日銀は2016年9月に「長短金利操作付き
量的・質的金融緩和」を始めてしまいました。長短金利
の操作で「イールドカーブ・コントロール」を行い、
消費者物価が安定的に2%を超えるまで緩和拡大を
継続するとしたのです。要は、自ら出口封じを宣言した。
国債の買い支えをやめないですむための仕組みを
つくってしまった。
他国がみな異次元から出て行こうとしている中で、
日銀だけが異次元に自らを封じ込めてしまったら、
最悪の場合、おカネはどんどん日本から出て行って
しまい、日本経済はカラカラに干からびて「ミイラ化」
が起きるのではないでしょうか。
◇日本からおカネが逃げていく?
--日本から資本逃避が起きるということですね。
◆そういうことです。他国でまともな金利水準が
出現するようになれば、もう死に体の日本の債券
市場、株式市場からはおカネは逃げていくでしょう。
その時は円も暴落ではないでしょうか。
しかし万が一資本逃避が起きてしまったら、もう
万事休すなので、その時は、日銀は金融鎖国的な
「有事体制」のようなものを取るかもしれません。
それこそ「国難突破」のためには仕方ないという
ようなことを言い出しかねません。そういう事態が
一番恐ろしいことです。
【転載終了】
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黒田日銀総裁続投が濃厚なようなので、
異次元緩和は継続と考えてもいいので
しょうかね?
というより、やめられない状況になってきて
いるのでしょう。
安倍政権が続く限り継続され、ジム・ロジャースが
指摘するように、何れ経済破綻を迎えるのか・・・
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