企業は儲けてるのに、なぜ家計は寂しいのか? アベノミクスの誤算・・・

MONEY VOICE


【転載開始】

企業は儲けてるのに、なぜ家計は寂しいのか?

アベノミクスの誤算

なぜ家計は潤わない?第二次安倍政権以降、一貫して弱い個人消費


■企業業績改善も、家計消費はまたマイナス


 個人消費の低迷に歯止めがかかりません。

総務省が1月30日に発表した「家計調査」に

よれば、12月の家計消費は実質で前年比

0.1%の減少と、またマイナスに落ち込みました。

企業業績が良い中でも、家計ではボーナスが

実質減少しました。

家計には相変わらず企業業績改善の恩恵が

及んでいません。


 安倍政権は雇用を中心に経済が拡大している

ことを強調し、アベノミクスの成果を訴えたいの

ですが、その中で唯一「陰り」になっているのが

個人消費の弱さです。

これを解消して威勢よく「デフレ脱却」宣言を

したいので、財界に協力を仰いでなんとか

「3%賃上げ」を実現したいと考えています。


 しかし、消費の弱さは決して足元の一時的な

ものではありません。

安倍政権になってから5年が経ちましたが、

この間、家計消費は一貫して弱く、長期低迷が

続いています。

第二次安倍政権が誕生したのは2012年12月

ですが、2012年の10-12月期を起点に、その後

5年間のGDPの軌跡をみると、直近の2017年

7-9月期までの約5年間で、名目GDPは11.4%

拡大しました。

しかし、この間の個人消費は4.3%の増加に

留まっています。


 物価上昇を差し引いた実質で見ると、実質GDP

がこの間7.2%拡大したのに対し、個人消費は2.3%

の増加に留まっています。

しかも、ここから個人事業主や持ち家世帯が

架空の家賃を支払ったとした「帰属家賃」を除いた

純粋な家計消費では1.1%の増加に留まっています。


 この結果、GDPに占める家計消費の割合は当然

低下します。

2012年10-12月期の名目GDPは493.0兆円ですが、

このうち、純粋な家計消費は233.7兆円で、GDPの

47.4%でした。

これが17年7-9月期には、名目GDPの549.2兆円に

対して、家計消費は244.6兆円で、GDPの44.5%に

低下しました。

実質でもほぼ同じような消費のシェア低下が見えます。


■非正規雇用シフトが生んだアベノミクスのひずみ


 人口の減少、少子高齢化もありますが、

この結果にはアベノミクスも深くかかわっています。


 企業は日銀の異次元緩和と円安の下で輸出を

伸ばし、収益を拡大させましたが、さらに政府は

雇用の弾力化を進め、企業は賃金水準が低く、

社会保険料負担もない非正規雇用にシフトする

ことで、人件費負担を低く抑えることができました。


 財務省の「法人企業統計」によると、企業の人件費

は2012年10-12月期の43兆円弱に対し、直近の

四半期でも44兆円に留まっています。

これがさらに企業の利益拡大に寄与しますが、

人件費の抑制がそのまま家計消費の低迷に

つながっています。


 人件費の伸びがこの間3%に留まっていることが、

家計消費の伸びを4%に押しとどめている大きな

要因になっています。


■年金世帯の消費は1.5%減と事態は悪化の一途


 この傾向が足元でも続いています。

消費環境はむしろさらに悪化したとも言えます。


 冒頭に示したように、企業の利益が最高益を

更新する一方で、ボーナスは増えず、

12月の勤労者世帯の収入をみても、世帯主の

収入は実質で0.8%減となっています。

配偶者の助けがなければ、消費はさらに落ち込ん

だことになります。


 12月の消費は全体で実質0.1%の減少ですが、

勤労者世帯が0.5%減、年金世帯が1.5%減で、

これら以外、つまり個人事業主世帯が増えて

全体を支えたようです。

それでも、10-12月期の家計消費は個人事業主の

増加を入れても、実質で前期比1.2%減少となり

ました。

純粋家計消費で見ればさらに弱い結果となって

いるはずです。


■さらに追い打ちをかける「物価上昇」


 足元では物価の上昇も消費には大きな抑圧要因

になっています。

勤労者世帯の賃金が増えず、ボーナスも増えず、

年金が実質減少し、税社会保険料負担が増えて

いるだけでも、可処分所得が圧迫されます。

これに加えて、生鮮食品やエネルギーなどの

価格上昇が、家計には「増税」と同じような負担に

なります。


 12月の全国ベースの消費者物価は生鮮品を含む

食料品と電気ガスやガソリンなどエネルギーの

上昇を中心に、現実の物価(帰属家賃を除いた総合)

が1.3%上昇し、これが実質家計消費を圧迫しました。

1月の東京都を見ると、1月にはこれが1.7%にさらに

高まることを示唆しています。

1月の消費と賃金は、名目で余程増えないと、

実質でのマイナスが避けられなくなります。


■海外景気に左右される日本


 10-12月期の日本のGDPは、輸出が引き続き増えて

いるものの、輸入も増えたので、「外需」の成長寄与は

あまり期待できません。

その中でまた個人消費がマイナスになると、

GDP全体が低成長になります。


 米国では個人消費がGDPの3分の2を占め、

消費が好調ならGDPも強いと見られますが、

日本では家計消費が半分もありません。

それだけ輸出、とくに海外需要に大きく左右され

やすくなりました。


 ここまでは世界経済が好調であったため、

輸出も拡大してきましたが、中国や米国経済に変調が

出ると、そのまま日本の景気に跳ね返りやすくなりました。


 家計消費という安全弁が小さく、しかも脆弱になって

いるためです。

このまま消費のシェア低下が進むと、経済はそれだけ

不安定になります。


 国内消費がじり貧を続けるため、企業の国内での

設備投資はどうしても慎重になります。

人手不足対策としての省力化投資、インバウンド

消費目当ての投資、輸出向けの投資が中心で、

かつてのような増産・拡販投資は抑制されます。

個人消費の肩代わりを設備投資に期待するわけには

いきません。

結局、輸出依存が高まるわけで、海外景気に余計左右

されやすくなります。


■国内消費シェアの確保が急務


 これらが企業業績、株価にも反映されます。

個人消費関連はマクロ的には拡大余地が限られ、

余程の新機軸を打ち出さないと、業績面での成長は

難しくなります。


 結局、輸出関連で海外需要の拡大しそうな業界に

日があたります。

中国向けの建設機械もその1つでした。

逆に、アップルが生産減を打ち出すと、これに部品を

供給するメーカーや組み立て業者は影響を受けます。


 経済の安定には、ある程度国内消費の比率を

確保する必要があります。


【転載終了】

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 預貯金の比率が高い60代以上の世代の

老後不安が原因となり、消費を控えている

ことが要因となっているのでわ?


 我が家でも、子供たちの家の購入資金援助

以外、今後お金を使うことはないと思います。


 私たち夫婦は終の棲家に平屋の小さな家を

建てることを考えていましたが、最近、買い物

など歩いて行けるような市街地の賃貸マンション

はどうかと考えています。


 老後に施設に入るにも必要最小限の荷物に

しておけば、後処理が簡単なような気がします。


 最近は、妻が断捨離を口にするようになって

います。


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