黒田総裁続投に元日銀金融研究所長が警鐘・・・
日刊ゲンダイDIGITAL
【転載開始】
■2%目標に拘泥 黒田総裁続投に元日銀金融研究所長が警鐘
2018年2月24日
4月8日に任期切れを迎える日銀の
黒田東彦総裁について、政府が今国会に
再任案を提示した。
安倍首相は衆院予算委で
「手腕を信頼している。2%の物価安定目標
に向けて着実に進んでいただきたい」と実績を
“評価”していたが、果たしてそうなのか。
黒田日銀が2013年4月から始めた
「異次元緩和」は当初、「2年で2%の物価上昇」
を掲げていたが、5年近く経っても1度も達成して
いない。
この間、日銀は年間80兆円をメドに国債を
“爆買い”し続け、年間6兆円規模のETF
(上場投資信託)も購入。
なりふり構わぬ緩和策を講じてきたが、
物価至上主義による弊害も表れ始めた。
元日銀金融研究所長の翁邦雄・法大客員教授
に、黒田続投が日本経済にもたらす影響を聞いた。
――黒田総裁をどう評価していますか。
「黒田総裁は就任当初から、物価目標の2%
達成を至上命題としてきました。しかし、現時点
でも目標達成には程遠く、黒田さん自身の物差し
では落第と言わざるを得ません。私自身は2%
目標達成自体が至上命題と考えておらず、その
達成が評価の物差しとは考えていませんので」
――一部のリフレ派は、マネタリーベース
(資金供給量)を増やせば物価は上がる、
と主張していました。日銀は13年4月から
「異次元緩和」を始めて以降、マネタリー
ベースを約340兆円も増やしましたが、
物価は上昇しませんね。
「2つのことが言えると思います。1つは『デフレが
経済停滞の最大の要因』という経済観が否定された
ことです。例えば、17年11月の完全失業率は
2.7%まで低下しているが、日銀が重視している
同時期の消費者物価指数(コアコア指数)は前年比
0.3%。つまり、国内インフレは必ずしも好況の
必要条件ではないことが確認されたのです。
2つ目は、金融緩和すれば直ちにインフレにできる、
という政策観も否定されました。黒田総裁が本気で
インフレ目標達成に取り組んだことによって『金融
政策だけではデフレ脱却はムリ』だということが鮮明
になったのです。これらは、今後の金融政策の課題
を考える上で重要な成果といっていいでしょう」
――黒田総裁は現状の政策を「粘り強く続ける」
と断言しています。
「あくまでも2%のインフレ目標達成を最優先課題
に掲げることは、金融政策の硬直化を招き、経済の
不安定化をもたらしかねないでしょう。資産価格バブル
の発生や、物価が上がらないまま不況が到来するかも
しれません。日銀はすでに目いっぱいの緩和策を続け
ているため、このままでは不況に対処するのは難しいと
思います」
――日銀は今後、どうあるべきでしょうか。
「白川方明前総裁時代の13年1月の『日銀と政府の
共同声明』を再確認するべきです。この声明では、
日銀は2%の物価目標を掲げる一方、政府は日銀と
連携強化し、財政運営に対する信認を確保する観点
から、持続可能な財政構造を確立するための取り組み
を着実に推進する――としました。金融政策の強化が
財政ファイナンスにつながる懸念に配慮した内容です。
しかし、今は日銀によるイールドカーブ・コントロールで、
政府は財政規律を失い、銀行は経営を圧迫され、株式
市場や債券市場も日銀による買い支えで歪むなど、
金融の不均衡は著しく増している。中央銀行の責務は
経済の中長期的な安定を守ること。共同声明の原点に
立ち返って、こうしたリスクにもっと目を向けるべきです」
【転載終了】
************************
お金はだぶついているのですが、
経済活動に動いていないのでしょう。
日銀が市場原理を歪めてしまっていると
思います。
黒田総裁は、バカではないと思いますので、
そのことに気づいていますが、安倍首相が
全くお感じなしなのでしょう。
黒田氏は、辞めたくとも辞められない
状況なのかも?
経済政策の失敗を全て背負わされる
可能性が高いでしょうね。
安倍首相の欠点は、失敗を素直に認めない
ことです。
だから、傷口を広げてしまい、ご自身で退路を
断ってしまうような気がします。
憲法改正にしても、首相自身は基本的なことが
全く分かっておらず、山尾議員との論争でも
頓珍漢さを露呈。
まあ、憲法学の大家である、「芦部信喜」の
名前さえ知らなかったようですから。
憲法学者の名前も知らないのに、憲法を語るな。
ということのようですね。
0コメント