2020年以降に大不況が来る可能性が高まっている・・・
経済ジャーナリスト 荻原 博子
【転載開始】
■2020年以降に大不況が来る可能性が高まっている
「借金減らして、現金増やせ!」
黒田日銀総裁の再任が決まったことで、
デフレがまだまだ続きそうな状況になって
きました。
今回の黒田総裁再任については、2年前
の1月に発刊した
「10年後破綻する人、幸福な人」(新潮新書)で、
「自民党総裁の任期は2期6年だが、安倍首相
はこの上限を伸ばして3期総裁をやるだろう。
ただ、デフレはずっと脱却できないから、そうなれ
ば黒田総裁も任期を伸ばして続投することになる
だろう」と書きましたが、予想どうりの展開になり
ました。
■オリンピック後、大不況の可能性が高まっている
困るのは、そうなるとデフレ脱却がますます
困難になり、大不況が来る可能性が高まること。
オリンピックという巨大公共事業の終わりと、
安倍首相、黒田総裁のダブル退任が重なると、
成長戦略がない日本経済は、崖から転がり落ち
るように一気に悪化することが予測されます。
この予想は当たって欲しくないですが、可能性は
濃厚になってきました。
■黒田総裁が続けてきた金融緩和政策の副作用
実際に、黒田総裁が続けてきた金融緩和政策
には、すでに大きな副作用が出ています。
特に、2年前に行ったマイナス金利政策は銀行
の業績を悪化させ、3メガバンクにりそな、三井
住友トラストを加えた5大銀行グループの昨年9月
の中間決算は、業務純益ではすべてのグループ
がマイナスとなり、前年同期比でなんと3割減でした。
安倍政権下で、企業の内部留保は100兆円も
増えて400兆円を超え(2016年度末)、企業は
もう銀行からお金を借りる必要がなくなっています。
個人も給料が上がらないので、住宅ローンなど
の新規借り入れが増えない。
それどころか、超低金利の中で高い金利のローン
を低い金利に借り換えるので、銀行の利ざやは
激減しています。
どんなに日銀が国債を買い上げた代金として
現金を銀行に流しても、運用先がないので、
そのお金は日銀の当座預金に預けられてしまう。
そこで、「これ以上日銀の当座預金にお金を
預けたら、預かったお金の金利はマイナス0.1%
にする」というマイナス金利政策を始めたのが
2年前。
お金を預けると利息を取られるのですから、
さすがにこれ以上預ける銀行はないだろうと
思いきや、なんと今年3月1日現在の日銀の
当座預金残高を見ると、2年前よりも100兆円
も預け入れが増えているではありませんか。
銀行は、お金が運用できないので、損を覚悟
で当座預金にお金を預けざるをえないところ
まで追い詰められているということです。
■日銀は、「敗退」を「転戦」と言いくるめて突き進む。
銀行協会の統計では、都市銀行はマイナス
金利導入以降、貸出金がほぼ対前年比で
マイナスとなっています。
相続税アップなどで追い風を受けて堅調だった
信託銀行も、半年前から急激に業績が下がって
います。
つまり、今まで銀行の根幹だった「お金を貸して、
そこから利益を得る」というビジネスモデルが、
完全に壊れてしまったということです。
結果、儲け口を失った銀行は構造不況業種
となり、これからリストラの嵐が吹き荒れます。
予定では、みずほ1万9,000人、三菱UFJは9,500人、
三井住友は4,000人をリストラします。
ただ、それで業績が上向くかといえば、話は逆で、
ますます泥沼に入っていきそうです。
■出口が見えないまま金融緩和が続く
黒田総裁は、出口が見えないままに金融緩和を
続けるつもりで、負けるとわかっていても進むしか
なかった太平洋戦争の時の日本軍のように、
「敗退」を「転戦」と言いくるめて今の政策を続けて
いくでしょう。
日銀は、日本国債の4割を買い、日経225の
4分の1の企業の筆頭株主になっています。
その日銀が、マーケットから撤退するといううわさが
ながれただけで大混乱になる可能性があります。
日銀も、撤退できない泥沼に追い込まれていると
いうことです。
■「借金減らして、現金増やす!」
では、デフレが続き、その先に不況が待ち受けて
いるとしたら、私たちはこれからどんな準備をして
おくべきでしょうか。
何度も書いてきたことではありますが、いま銀行
が生き残る道は2つ。
■銀行が生き残る道 (1)
1つは、カードローンのような利益率の高い個人融資
の強化すること。
■銀行が生き残る道 (2)
もう1つは、皆さんの預貯金を投資に振り向けて、
ノーリスクで儲かる手数料商売を強化すること。
ですから、「投資をしましょう」の大攻勢は、
ますます強まるでしょう。
けれど、株価も乱高下し、先々の状況も見えない
中では、安易な投資には走らないほうがいいでしょう。
今、家計がやっておかなくてはいけないことは、
「借金減らして、現金増やす!」デフレは、まだまだ
続きます。
そして、デフレの中の大鉄則は、借金を減らして
身軽になり、現金を増やして強固な基盤を作ること。
実は、バブル崩壊から20年以上、これを徹底して
きたのが日本の企業です。
■できれば投資商品ではなく、なるべく現金でしっかり貯金する
不良債権の処理をして身軽になり、内部留保という
貯金を山ほど持つことで、日本の企業の財務体質は
飛躍的に改善しました。
いっぽう家計は、バブル崩壊後の景気浮揚のための
国策である住宅ローン控除拡大や住宅金融公庫の
大盤振る舞いで、多くの人が家を買い、負債を追って
います。
また、給料があがらないのに社会保険料や税金、
教育費の値上げなどで現金を減らしています。
だとしたら、まずはローンを、繰上げ返済などで
少しでも軽くし、できれば投資商品ではなくなるべく
現金でしっかり貯金していきましょう。
備えあれば、憂いなし。まだ間に合いますから、
しっかり家計の立て直しを今から考えておきましょう。
(執筆者:荻原 博子)
【転載終了】
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いま、次男夫婦が家を建てるために借金を
しようとしています。
私達親としては、土地があるので、上物だけの
借金で済むように勧めているのですが。
本人たちはどうするのか、今日も土地を見にいって
いるようですが。
まあ、二男夫婦は介護士と看護師なので、失業の
可能性は低いのでそれほど心配はしていないのですが。
二男は社会福祉士の資格を取り、病院勤めに変えたい
ようです(収入も増えるので)。
やっと、資格取得の実務を2年以上経過したので、近い
将来資格の取得を目指すようです。
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