年金支給開始“70歳以降”は得なのか・・・
日刊ゲンダイDIGITAL
【転載開始】
■政府が2月に閣議決定 年金支給開始“70歳以降”は得なのか
2018年3月15日
現在、公的年金の支給開始年齢は65歳
だが、本人が希望すれば前倒しで60歳から
の受け取りが可能だ。
ところが政府は、2月16日に閣議決定した
「高齢社会対策大綱」で、70歳以降から
でも支給開始年齢を選択できるように盛り
込んだ。
人生100年時代が来るなかで、果たして
年金の受け取りは60歳からもらう方がトク
なのか、それとも70歳すぎからもらう方が
トクなのか、国民にとっては大きな問題だ。
60歳から繰り上げて受給すると65歳から
の支給開始に比べ、1カ月につき0・5%
減額され、逆に支給開始を遅らせれば
1カ月につき0・7%増額になる。
「60歳からもらい始めると、65歳からの人
に比べ0・5%×12カ月×5年で30%低い
金額になる。また70歳から繰り下げてもら
えば、65歳からもらう人に比べ60カ月分の
42%が増額、75歳からだと84%の増額に
なります」
(ファイナンシャルプランナーの村井英一氏)
国民年金は40年間納付し、65歳から受給
すれば年間77万9300円を受け取れる。
しかし、仮に75歳からの需給を選択すると
84%増額され143万3912円を受け取れる。
年金の開始年齢を70歳以降に後ろ倒しする
ほど月々の年金額が増えることになる。いか
にも長寿社会に沿った仕組みに見える。だが、
ここが「高齢社会対策大綱」の狙いなのだ。
前出の村井氏が解説する。
「65歳と75歳支給開始を比較すると、75歳
開始の人が65歳支給の人の年金の累計金額
を逆転するのは86歳10カ月。つまり86歳
10カ月を過ぎなければ75歳開始の人は上回れ
ないことになり、仮にその前に亡くなると75歳
開始では損をすることになる。男性の平均寿命
は80・77歳、65歳になった人の男性の平均
寿命は84・64歳です。早めに年金の受給を
受けた方が安心でトクだと言えるでしょう」
経済アナリストの森永卓郎氏もこう指摘する。
「65歳より繰り上げて年金を受け取っている
人は3分の1います。それは生活が苦しいから
です。どの時点での支給開始を選択するかと
いえば、70歳まで無年金で暮らせる選択肢は
庶民にはありません。政府の狙いは定年を
延長させて65歳まで働かせ、年金の支給を
70歳以降に遅らせることに他なりません」
現在、70歳からの年金の受け取りを選択して
いる人はわずか1・3%しかいない。
政府の甘い言葉に乗せられず、早めに年金の
受け取りを開始した方がよさそうだ。
【転載終了】
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官僚が考えるプランは、とりあえず疑って
かかったほうが良いという例ですね。
このようなところも、「日本人はお人好し」、
と言われる所以です。
それと、「日本人は忘れっぽい」と言われて
いることもです。
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