「要介護2」は本当に“軽度高齢者”か?

MONEY VOICE


【転載開始】


■「要介護2」は本当に“軽度高齢者”か?

 介護保険から締め出し、地方自治体任せへ。

 厚労省ではなく財務省が決めるワケ

 2022年11月15日

 ※長文なので抜粋して転載。


■「要介護1・2」を介護保険から外す?


 財務省財政制度審議会にて軽度高齢者を、

(全国一律の)国の介護制度から地方自治体

へ移管するとしています。


 具体的には「要介護1・2」のクラスを、

全国一律の介護保険制度から外して

地方自治体に任せるということです。


 地方自治体に任せるということは、

地方財政の影響を受けやすいということで、

それはすなわち、自治体ごとにサービスが

異なるという事態を招くことになりかね

ないということになります。


 2015年の制度改革により、すでに

「要支援1・2」は、市区町村の枠組みに

移されています。


 今回「要介護1・2」も「要支援1・2」と

同じ「軽度」に位置づけるというものです

が、症状から見て、本当に「要介護2」は


「軽度」と言えるのでしょうか。


 周りの負担を考えると、「要介護1・2」

を「軽度」にすることは、実態に即した

対応なのでしょうか。


■介護保険「保険制度 vs 税制度」論争が

 あった


 まずは介護保険制度について考えてみま

しょう。


 介護保険とは、「介護を必要としている

人に費用を負担する制度」で、高齢者の

介護を社会全体で支え合う仕組みとなって

います。

1997年法案成立、2000年施行、何度かの

改正を経て、直近は2020年に改正してい

ます。


 1997年といえば橋本龍太郎内閣、

介護保険制度を担ったのが小泉純一郎

厚生大臣でした。

当時介護保険制度を、保険制度で支えるの

か税金で考えるべきかで議論が分かれてい

て、小泉大臣の指導のもとで保険制度と

なりました。


 当時私は、財政投融資を考え、介護保険

を「第2の予算」としての年金保険料に組み

込んでいくのではないかと思っていました。

だから是が非でも保険制度にしておきたい

のではないかと、邪推していました。


 今の年金制度の問題も保険制度ゆえに、

少子化による保険料収入の目減りや高齢化

により給付額増加の影響をもろに受けて、

制度のバランスを著しく欠いていて、

結局は税金投入額を増やすことになってい

ます。


 当時も介護保険制度を設計するに当たり、

社会保障制度の先行きは、想像できたので

はないでしょうかね。


 「第2の予算」確保のための保険制度・・・

どうしてもそんな邪推をしてしまうのです

ね。


 その後、消えた年金問題や厚生年金保険

料で建てたグリーンピア事業の失敗などが

世間の目にさらされることになり、自民党

は政権の座を追いやられることになります。


■介護保険基本理念


 さて、介護保険の基本的な考え方は、

以下となっています。

自立支援:単に介護を要する高齢者の

身の回りの世話をするということを超えて、

高齢者の自立を支援することを理念とする

利用者本位:利用者の選択により、多様な

主体から保健医療サービス、 福祉サービス

を総合的に受けられる制度

社会保険方式:給付と負担の関係が明確な

社会保険方式を採用


■要介護認定に応じて受けられるサービス

 は異なります。


サービス事業者は、

・在宅サービス(訪問介護、通所介護等)

・地域密着型サービス(定期巡回、認知症

対応型共同生活介護等)

・施設サービス(老人福祉施設、老人保健

施設等)を行い、費用を市区町村に請求し

9割分(7・8割分)が支払われます。


 介護保険の財源構成は

「保険料50%・公費50%」となっています。


<保険料>

・第1号保険料(665歳以上)23%

・第2号保険料(40~64歳)27%


<公費>

・国庫負担金25%(調整交付金5%、定率分

20%)

・都道府県負担金12.5%、市町村負担金

12.5%


 問題となっている「軽度高齢者」を介護

保険制度から外すということは、この国庫

負担金を「要介護1・2」介護者のサービス

のために“充てがわない”ということになる

のでしょうかね。


■「要介護認定」とは



 介護サービスの必要度(どれ位、介護の

サービスを行う必要があるか)を判断する

ものですが、その方の病気の重さと要介護度

の高さとが必ずしも一致しない場合があり

ます。


 この要介護状態や要支援状態にあるか

どうか、その中でどの程度かの判定を行う

のが要介護認定(要支援認定を含む。以下

同じ)は、保険者である市町村に設置され

る介護認定審査会において判定されます。


 要介護認定は介護サービスの給付額に

結びつくことから、その基準については

全国一律に客観的に定められています。


 この要介護認定で問題となるのが

「認知症」の扱いです。


 厚生労働省のホームページにはこうあり

ます。


 アルツハイマー型の認知症の方で、身体

の状況が比較的良好であった場合、徘徊を

はじめとする問題行動のために介護に要す

る手間が非常に多くかかることがあります。

しかし、身体的な問題が発生して寝たきり

である方に認知症の症状が加わった場合、

病状としては進行していますが、徘徊等の

問題行動は発生しないため、介護の総量と

しては大きく増えないことが考えられます。

出典:要介護認定はどのように行われるか

– 厚生労働省


 また要介護認定の聞き取りのときに、

「できない」というのが恥ずかしくて無理

に頑張ってみたり、できないのに“できる”

と言ってしまうことで、現状に合致しない

認定を受けてしまうことがあります。


 特に認知症がある人の場合、認知面の調査

では、実際と異なる返答をされる場合もあり

ます。


 認定基準によって受けられるサービスも

異なりますし、何より家族の費用負担が

異なります。


 こればかりは、ご本人の気持ちの問題で

もありますので、認定時点で頑張ってしま

うのはよくわかりますが、公平客観的に

現実に即した判定がされることを望みます

ね。


 介護が必要と判定されると、症状のレベル

に応じて「要支援1・2」または「要介護1~5」

のいずれかに認定されます。


 「要支援」とは、身の周りの介護はまだ

必要ではないものの、日々の生活を送る上

で何らかの支援が必要な状態です。

「要介護状態になることを防ぐ」という

意味合いも込められています。


 嫌味な言い方をすると、

「要介護になることを防ぐ」ことは介護保険

制度の範疇ではないと、2015年に判断され

たのだと思ってしまいます。


 今回の「要介護1・2」も、介護状態では

なく「予防段階」だということでしょうか。


 「要介護」の数字が大きくなるほど、必要

な支援や介護の度合いが大きくなります。

介護保険で利用できる居宅サービスや限度額

も異なってきます。


 居宅サービスとは、自宅で生活する人を

対象とした介護保険の介護サービス全般の

ことを言います。


 居宅サービスの種類は、「訪問サービス」

「通所サービス」「短期入所サービス」

「その他のサービス」の4種類になり、

居宅サービスの費用は、要支援および要介護度

や、利用するサービス、居住している市町村

などによって変動があります。


 重要なのは、利用者は「要介護2」以下が

7割を占めているというデータがあることで

す。

しかも、その割合は年々増加傾向となってい

ます。


 今回のテーマ「軽度高齢者が全国介護保険

から締め出される」の対象である、まさに

「要介護1・2」の介護者が該当します。


 この“締め出し”、正確には「要介護2以下の

介護保険不適用」を決めたのが、社会保障を

司る厚生労働省ではなく財務省なのです。

<以下省略>


【転載終了】

***********************


 私の両親は父親が96歳で母親が93歳

です。

現在、父が要介護3,母が要介護2です。


 以前、父が要介護2、母が要介護1で

したが介護再調査の申し立てをして

一段階ずつ上がり従来の介護度に戻りま

した。


 義母も両親も介護度を一段ずつ下げら

れた経緯がありましたが、不服と思った

ら再調査の申請をした方がいいですね。


 国、県や市は、介護が重労働だという

認識が希薄ですね。


 現在定期的に老健施設でお世話になって

いますが、これが入所のたびに契約書を

書き、入所前には関連の医療機関での診療

を課せられます。

要するに、入所前に関連医療機関受診、

それ以外は係り付け医の受信となります。


 先日、カルテがあるのだから入所の度に

受診の必要があるのですかとクレームを

つけたのですが、納得のいく説明はあり

ませんでしたね。

病院も利益を出さないといけないので、

言いにくいのかもしれないですが。


 施設側も入所の度に十数枚の契約書を

発行していますが、非効率であり経費の

無駄遣いだと思うのですが。

一枚の継続契約書でいいのではないかと

疑問を持ちます。


 思わず″昭和か″と呟いてしまいました。


 役所が関わると非効率になりますね。


 両親の介護も13年になりますので、少々

疲れてきてますので、苛立ちも手伝ってい

るんでしょうね。


LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

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