現役世代の9割はまともな介護施設に入れない。
MONEY VOICE
【転載開始】
■現役世代の9割はまともな介護施設に
入れない。
老後に待ち受ける格安・無届け老人ホーム
の虐待地獄
2022年11月25日
※重要なので全文掲載しました。
■増え続ける要介護の高齢者
みなさま、こんにちは。
「衰退ニッポンの暗黒地図」をお届けする
マネーアナリストの神樹兵輔(かみき
へいすけ)です。
今回のテーマは、
「介護が必要になっても介護施設に入れな
い日本人老後の危機的状況」というテーマ
でお届けしたいと思います。
ところで、平均寿命とは異なる概念の
「健康寿命」という言葉をご存じでしょう
か。
「健康寿命」とは、WHO(世界保健機関)
の定義では、「平均寿命」から疾病、衰弱、
認知症などの要支援や要介護を必要とする
「健康でない状態」の期間を差し引いた
ものになります。
たとえば、日本人の「平均寿命」は、
男性81歳、女性87歳ですが、「健康寿命」
は男性72歳、女性74歳です。
誰もが死ぬ直前までずっと健康でいられる
わけではないのです。
老後に到れば、いずれかの時点で、
介助や介護が必要になる時がくるでしょう。
それが、同年代の約半数の人が、疾病など
で何らかの障害を抱えることになる
「健康寿命」という年齢なのです。
65歳以上高齢者の数は、今のところ年々
増え続けています。
2022年時点で、3627万人となり
(人口比29.1%)、前年比で6万人増加しま
した。
70歳以上の高齢者の数も、
このうち2,872万人となり(人口比23.0%)、
前年比で39万人増加しています。
医療費約44兆円のうち、半分が65歳以上
高齢者の支出で占められ、このまま放って
おくと、毎年1兆円が増え続ける見込みです。
■年金だけでは「介護付老人ホーム」にも
入れない
ところで、無職の65歳以上高齢者夫婦の
平均年金受給額は、約19.6万円です。
そして、夫婦2人の貯蓄が1,000万円未満と
いう世帯が半数を占めています。
この19.6万円の内訳は、夫の基礎年金
約5.6万円と厚生年金約9万円の合計額で
約14.6万円、これに専業主婦だった妻の
基礎年金約5万円が加わったものになって
います。
いっぽう、これとは異なり、共働き
だった夫婦の場合では、平均年金受給額は、
約27万円になります。
これらのデータは、いずれも現役時代に
平均的給与を受け取っていた場合における
65歳以上高齢者夫婦の平均受給額です。
こうした年金受給レベルのケースで考え
ると、夫婦の一方が要介護になっても、
前述のリーズナブルな介護老人施設でさえ
入れない現実が浮かび上がります。
<中略>
2019年に問題視された老後2,000万円
程度の貯蓄でも、長い老後生活では心もと
ない・・・ということになるのです。
■年金も乏しく、身寄りもなく、貯蓄の
ない老人はどうなるのか?
では、年金も乏しく、身寄りもなく、
貯蓄もない独居老人は、どうすればよいの
でしょうか。
最後の頼みの綱である「生活保護」で
不足する資金を賄っていくよりありません。
東京23区の場合、単身の高齢者は、最高
で月額13万580円が最低生活費(住居費と
生活費など)となっていますから、介護が
必要になった場合には、この範囲内の施設
を探すしかありません。
前述した通り、公的施設の特別養護老人
ホームは、要介護3以上なら入れますが、
つねに入所待ちで簡単には入れません。
もちろん、ここなら月額費用が安いので、
生活保護費の範囲内でもギリギリ入所が
可能です。
しかし、特別養護老人ホームには、簡単
に入れないわけですから、そうなると介護
を他人に委ねる形式では、貧困ビジネスの
「無届介護施設」に入るしかない方法が
ないことにもなりかねないのです。
これなら1人10万円以内も可能ですが、
防火設備もなく、大部屋に布団を敷いて
雑魚寝といった不潔で劣悪な環境です。
しかも、スタッフが少ないので、ロクな
介護も期待できません。
これらは、タダのカネ儲けのための
民間施設にすぎないからなのです。
■生活保護受給者を食い物にする老人介護
施設
2020年時点で、「無料」や「低額」を
謳う宿泊ビジネスが、全国には約580施設
あり、約1万7,000人が収容されていますが、
ほとんどの人が生活保護受給者です。
こうした施設以外にも、無届の事業者が
数多あります。
事業者の目的は、生活保護費の搾取です。
8~9割もの保護費を搾取し、入所者には
1万円前後の小遣い銭程度しか渡されません。
事業者は、ホームレスやネットカフェで
寝泊まりする人に声をかけ、
「住居を確保し、生活保護を受給できるよう
にしてやる」などと勧誘して、収容者を
劣悪施設に確保します。
「住所」がないと、生活保護費は受給でき
ないからです。
入所者の部屋は、ベニヤ板で仕切られた
だけの狭小空間に、使い古しのダニだらけの
布団をあてがい、食事は毎回カップ麺や
菓子パンを配るだけです。
こんな悪質かつ劣悪な宿泊施設同様の
レベルで、介護が必要な老人までをも収容
しているのが実態です。
こうなると、寝たきり放置プレイは当たり
前となります。
もちろん、必要な医療も受けられません。
こんな悪質施設が、日本中に数多くあるの
です。
それでも、行政は「立ち入り基準が明確で
ない」ことを理由に「立ち入り検査」さえも
行っていません。
ゆえに、貧困ビジネス業者のやりたい放題
がまかり通っているのです。
事業者の多くは、NPO法人が多いのです
が、届け出を出せば、個人でも収容事業は
始められるため、悪質な参入事例が後を絶ち
ません。
2010年には、全国で21施設を展開する、
某事業者が、約5億円もの脱税で摘発されて
います。
圧倒的な生活保護受給者の搾取ゆえに、
濡れ手で粟のように儲かっているのです。
驚くべきことに、自治体側が、生活困窮者
や貧困老人の処遇に困り、こうした施設に
入所を斡旋する例も少なくないのです。
これでは、税金が原資の生活保護費が、
悪徳事業者に好き放題にむしり取られていく
構図に他ならないのです。
■地獄の「無届け老人介護施設」の実態
2009年には、群馬県渋川市の無届老人
施設「静養たまゆら」で、夜間の管理者も
置かず、認知症の老人たちの部屋にカギを
かけ、老人たちを閉じ込めていた事件が
ありました。
ここで、夜間に火災が発生し、老人10人
が死亡するという痛ましい事故が起きたの
です。
亡くなった10人中6人の入所者は、
なんと東京23区の墨田区や、郊外の三鷹市
から生活保護費を受給し、自治体の斡旋で
この施設に入所させられた人たちだったの
です。
この無届けの老人介護施設は、違法な
建て増しを続け、内部が複雑な迷路構造の
うえ、スプリンクラーの設置もありません
でしたから、火災は起こるべくして
起こったといえます。
事故後に判明したのは、寝たきり老人に
は食事介助もせず、長期間風呂にも入れ
させていなかった──ことまでが明らかに
なっています。
「老人福祉の切り捨てだ」という
マスメディアの批判に対し、当時の墨田区
の担当職員は、
「もとより墨田区内に圧倒的に施設が足り
ず、こうした無届介護施設のパンフレット
を頼りに、とにかく入所させてくれるか
どうかが最優先の課題になっている。こう
した老人を放置して路頭に迷わせるよりは、
まだマシなので仕方なく利用せざるをえな
い」といった苦しい実態を弁明していまし
た。
自治体も、貧窮介護老人の対処に頭を抱え
ているのです。
老後は経済的な「貧困生活の恐怖」だけ
ではないことがわかります。
健康に支障をきたせば、身動き取れない
状況におかれ、さらなる地獄を見ることに
もなるわけです。
介護スタッフといっても、無届介護施設
の場合は、担当する老人の数が多すぎて、
介護どころか放置が当たり前になります。
こんな地獄の放置介護の世話にならず、
ピンピンコロリと死ぬためにも、毎日散歩
や、週1での運動を心がけ、朝は発酵食品
をしっかり食べて、健康維持が大事だと
いうことが、身に染みて感じさせられるの
です。
老後の無間地獄に落ちないためにも、
今のうちから、準備万端の対策を整えて
おきたいものなのです。
はたして、あなたの老後は大丈夫で
しょうか。それでは、今回はこのへんで。
【転載終了】
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介護問題は、現実に親の介護が必要に
なって初めて直面する問題です。
私の親世代は皆さん長生きであり、
90歳代の方が沢山おられます。
私の両親は、96歳と93歳になりま
す。
父親は心不全もあり3mくらいを歩くの
がやっとになってきました。
5年ほど前から老健施設の短期入所や
ショートステイを利用しています。
急遽、父親を老健短期入所するまでの
20日間を有料老人ホームにお願いしまし
た。
有料ホームの短期入所は3か月単位と
なるところですが、特例で20日間の一時
入所を受け入れていただきました。
ただ、20日間ではありますが、日割りが
できないので1月分の入所代金としまして、
敷金(保証金)+入所料金を40万円支払う
ことになります。
後で10万円は返金してくれるそうですが。
実質20間で30万円です。
というように、介護は思った以上にお金
が掛ります。
老健でも約14万円/月ほどかかりますが、
民間は約23万円/月ほどになるでしょうか。
特養は、介護度が5と4が優先であり、
介護度3では、ほぼ入所は不可能です。
国民は、日本の社会保障の実態を認識
する必要があります。
老後難民にならないためにも。
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