政治家とお友達企業を肥やす「ぬるま湯経済」で衰退した日本。
MONEY VOICE
【転載開始】
■政治家とお友達企業を肥やす「ぬるま湯経済」
で衰退した日本。
2つの不幸で経済大国から“普通の国”へ転落
2023年2月2日
IMF(国際通貨基金)によれば、日本のGDP
は2012年の6兆2,720億ドルをピークに、
その後アベノミクスの中で縮小を続け、昨年は
4兆3,000億ドルと、10年前の3分の2になりま
した。
岸田政権は危機感をもってこの地盤沈下に歯止
めをかけることが急務となっています。
■後がなくなった日本経済
この30年間、1人当たり賃金がまったく増え
ない「異常な国日本」が注目され、さすがに
財界も30年ぶりの賃上げに動き始めました。
この賃金の異常な停滞だけでなく、この間の
日本経済の地盤沈下も著しく、GDP世界3位の
地位もドイツに脅かされ、1人当たりGDPは
2021年で27位まで下げましたが、昨年はさら
にイタリア、韓国にも抜かれた可能性がありま
す。
円安でぬるま湯につかっていた日本経済は、
この10年の落ち込みが顕著です。
IMF(国際通貨基金)によれば、日本のGDP
は2012年の6兆2,720億ドルをピークに、
その後アベノミクスの中で縮小を続け、昨年は
4兆3,000億ドルと、10年前の3分の2になりま
した。
岸田政権は危機感をもってこの地盤沈下に
歯止めをかけることが急務となっています。
■ジャパン・アズ・ナンバーワン
日本経済は70年代までの高成長が終わって
も、世界での地位は上昇を続け、80年代の
日本絶頂期を象徴するように、
エズラ・ボーゲルは
「ジャパン・アズ・ナンバー・ワン」と書き、
日本をもてはやしました。
実際、IMFのデータによれば、1990年の
日本のGDPは3兆1,470億ドルで、世界一の
米国の6兆1,580億ドルに対してはその52%
にあたり、1人当たりGDPでは米国を凌駕して
いました。
成長制約が指摘された80年代でも日本のGDP
はドルベースで2.8倍となり、2倍強の米国を
上回りました。
それだけ米国は日本を脅威と見て、銀行規制
をはじめ、様々な規制で日本を抑えようとして
いました。
この間、中国経済は全く視野になく、80年代
の10年間では累積でも16%しか増えず、米国
に対する相対的な大きさも、1980年の10.6%
から1990年には6.7%に縮小、世界の後進国と
して日本も経済援助をしていました。
■減速から縮小へ
日本経済の地位は1990年をピークに、
その後成長鈍化から縮小となり、経済の地盤
沈下が進行しました。
ドルベースGDPの10年ごとの成長は、80年代
の2.8倍から90年代は1.55倍に鈍化、
2000年代は1.16倍まで減速しました。
その後はむしろ縮小に転じ、2010年代は
0.87倍、2020年代の2年間でも0.85倍と縮小
が続いています。
アベノミクス以降、円安ドル高で日本の
ドルベースのGDPが円安の分縮小した形です
が、円安でも輸出増、生産増、GDP増という
ステップが実現しないまま、ずるずると経済
の縮小を続けてきました。
この間、米国は80年代の2.16倍からは減速
しましたが、その後も90年代の1.66倍、
2000年代の1.47倍、2010年代の1.39倍と、
拡大を続けた結果、日本のGDPの米国に対す
る相対比は1990年の52%から昨年は17%
まで縮小しました。
日本経済の対中国比は90年に7.7倍でした
が、2010年には逆転されて中国の95%に、
昨年は中国の5分の1にまで低下しました。
■入れ違いで急成長した中国経済
これとは対照的に、中国経済は90年代以降
成長ペースが高まり、90年代に2.9倍に、
2000年代には10年で5倍に、2010年代でも
2.46倍になっています。
米国経済に対する相対的な大きさも、
90年の6.7%のあと、2000年には11.8%、
2010年には40%、2020年には70%、
そして昨年には80%にまで高まりました。
日本経済の対中国比は90年に7.7倍でしたが、
2010年には逆転されて中国の95%に、昨年は
中国の5分の1にまで低下しました。
■経済大国から普通の国に
30年前には米国を脅かした「経済大国」日本
は今や見る影もありません。
昨年のGDPは米国が25兆4,600億ドルに拡大
する一方、日本は4兆3,000億ドルに縮小、
2位の中国の20兆2,560億ドルからも大きく水を
あけられました。
そして、すぐ後ろにドイツが迫り、世界3位
の地位も怪しくなりました。日本の人口の
約半分の欧州主要国と規模で変わらなくなりま
す。
さらに1人当たりGDPでは21年ですでに
世界27位で、UAE(アラブ首長国連邦)や
アンドラの後塵を拝しています。
すぐ後ろにはイタリア、韓国が迫っていて、
昨年にはこれらに逆転されたと見られます。
日本は経済面でももはや「普通の国」になり
下がりました。それどころか、このままでは
後ろからくる「中堅国」にも次々に追い抜かれ
ます。
これだけ経済が急速に衰退する国は珍しく、
政府は事態を直視する必要があります。
■2つの不幸な要因とは?アベノミクスが縮小
への転機に
日本経済が90年以降衰退に向かうに至った
裏には、2つの不幸な要因がありました。
1つは「出過ぎたくぎが打たれる」ことで、
80年代に米国のトップの座を脅かす日本を、
ドルの大幅切り下げでハンデを厳しくし、
それを機に日銀の大規模緩和でバブルを醸成
し、これが崩壊して90年代、2000年代は
「資産デフレ」、バランスシート不況、
金融危機へとつながり、失われた20年を余儀
なくされたことです。
これで日本の成長モメンタムは失われ、
成長がストップしました。
それでも為替のハンデ切り上げに日本経済は
必死に対応し、円高の中でドルベースのGDP
は2012年に6兆2,000億ドル台まで高まりま
した。
そこに2つ目の不幸な要因となって登場
したのがアベノミクスです。
「3本の矢」政策と言いながら、実際には
大規模金融緩和に依存し、成長戦略は実体
のないもので、形の上だけ名目GDPを増や
す統計処理(研究開発費や防衛装備品など
を新たにGDPに計上してGDPを水増し)
するに止まりました。
大規模緩和で円高を是正し、急速に円安
が進行し、企業には「何もしなくて儲かる」
環境を作りました。
シングルハンデでは勝てないと言って、
ハンデを36に切り下げたようなものです。
さらに政府と親しくなれば、東京五輪や
万博で仕事を回してもらえるお零れにも
ありつけます。
10万円の給付金を配るのに、委託企業に
1万8,000円の手数料を払う国です。
ハンデ36に甘えて練習をしなくなった
日本は、結果的にハンデ36並みの実力に
落ちてゆきました。
日本のGDPは2012年の6兆2,720億ドル
から2015年には4兆4,450億ドルに急縮小
し、そのまま停滞を続けました。
■脱ぬるま湯政策
この苦境から脱するためには、円安、
財界支援の「ぬるま湯政策」から脱却
する必要があります。
そして財政の効率悪化を食い止めるため
にも、「大きな政府」を修正し、資金を
より民間に多く使える形にする必要があり
ます。
国の機関と各自治体とのデシタル・リンク
を整備し、給付金は各自治体が直接送付
(振込)できる形にすれば、「漏れ」が
減り、財政が効率化します。
大規模緩和や円安でハンデを甘くし、
衰退企業を必要以上に保護するより、円高
で円の購買力を高め、その分企業は効率化
を進めて競争力のある分野、市場を開発
する必要があります。
これらが軌道に乗れば、少なくとも
じり貧の状態からは抜け出せます。
アベノミクスは国民の金を一部の政治家
とその親しい企業の利益を増やすために
使い、その分、国民を貧しくしました。
国民の金で甘い汁を吸おうとする政治家や
政府お抱え企業を排除するだけでもロスが
減ります。
これは国民自身が選挙を通じて実現する
必要があります。
【転載終了】
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ずっと「アベノミクス」の時から
日本の経済崩壊を書いていましたが、
いざ、現実的な記事を突き付けられ
ると不安が増しますね。
建設業界の人手不足も深刻なよう
で、インフラ整備が危機的状況の中
で整備に回す原資が他国のODAや
軍備に回されている現実。
自民党政権が日本を沈没させます
ね。
いまだに気付かない大多数の国民。
政治三流に加え、経済、行政も
三流です。
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