ハリアーやジムニー、中古車価格が新車を上回り・・・
Business Journal
【転載開始】
■ハリアーやジムニー、中古車価格が新車
を上回り・・・
異常な逆転現象の理由、市場の特殊性
2023.02.23
トヨタ・ハリアー(「Wikipedia」より)
中古車オークション大手の
「ユー・エス・エス」が発表した月次デー
タによれば、昨年9月の成約車両価格は
平均122万1000円となり、過去最高額を
記録。
今年1月の価格も平均101万9000円と前年
同月比で104.0%増となっており、32カ月
連続で前年を上回っているそうだ。
このように中古車価格は値上がり
傾向にあるが、興味深いことに一部
車種のなかでは、新車価格よりも
高い中古車価格が付けられている
ものもある。
たとえば、中古車販売大手「ガリバー」
のサイトによれば、トヨタ自動車の
人気SUV「ハリアー」のハイブリッド
(HV)は、新車価格の482万円に対し、
中古車価格が519万8600円と1割近く
高くなっている。
そのほかにも、スズキの「ジムニーXC」
が新車価格の190万3000円で、中古価格
239万8000円と3割近く高い。
ホンダの「ヴェゼル(e:HEV Z<FF>)」
の一部HVモデルは、新車価格が
289万8000円で、中古価格が359万8100円
と2.5割ほど高くなっている。
なぜこのような新車と中古車の価格逆転
が起きているのか。
中古車情報メディア「カーセンサー」の
統括編集長・西村泰宏氏に解説してもらう。
■現在の中古車高騰は異例の事態
現在の中古車価格の値上がりは、異例の
ケースだという。
「中古車価格が新車価格より上がること
は基本的にないので、ハリアーにせよジム
ニーにせよ、通常では発生しない現象だと
いうことをご理解ください。では今回のよ
うな高騰がなぜ発生してしまうかというと、
理由は2つ考えられます。
ひとつは、中古車価格の値段設定が自由
であること。中古車は値段設定の上限が決
められていないので、一部車種の価格が
プレミア化することは珍しくないです。た
とえば、新車の納期が半年以上もかかる
特定グレードの車種を価格上乗せで販売す
ることも可能であり、結果、中古車価格が
新車価格を上回る現象が起きていると考え
られなくはありません。
実際、近年は新車の納車時期は滞りがち
でした。コロナ禍の影響が強かった昨年春
ごろまでは、新車を注文して納車を心待ち
にしていたのに突然ディーラーから電話が
かかってきて、『予定より納期が延びます』
と謝罪されるということがよくありました。
けれど現在はようやくそうした状況から脱
したという印象で、昨年後半ぐらいからは
遅延することなく予定時期に納車される
ケースが増えてきましたね。ただ注文した
翌月に即納車されるといったスピード感は
今でも難しいでしょうから、人気車種です
と納車まで数カ月から1年ぐらい待たされ
ることはあると思います」(同)
各メーカーの公式サイト上に工場出荷
時期メドが掲載されている。
たとえばトヨタのハリアーを見てみると、
1月31日時点で「詳しくは販売店にお問い
合わせください」と書かれているのみで、
サイトではどれぐらいかかるのかはわから
ない。
その他のモデルは「4-5カ月程度」
「6カ月以上」と明記されているので、
西村氏が言うように最新人気モデルであれ
ば1年ほど先になるということもありそう
だ。
新車を注文しても納車まで半年や1年も
かかるとなると、すぐにその最新モデルに
乗りたいという人が中古車を選択肢に入れ
るようになり、需要が増した中古車価格が
高騰することもあるのだろう。
■新車価格と中古車価格の違い
「もうひとつの理由は、中古車は最初か
ら諸費用を入れた際の金額を提示している
ケースが多いこと。新車価格を見る際、
多くの方が車両本体価格を参考にするかと
思いますが、車を買うときは法定費用や
ディーラーオプションなどがかかります。
一方の中古車ではそうした諸費用がすでに
上乗せ、追加された金額を提示しているこ
とが多い。ですから、仮に最終的な総額は
新車と中古車で同額ぐらいだったとしても、
最初の表示価格は中古車のほうが高くなっ
ているというケースは少なくないでしょう」
(西村氏)
ちなみに、やはり中古価格の値上がりが
確認できる車種は近年発売されたモデルが
多いという。
「一般論としてマイナーチェンジ、フル
モデルチェンジした車種の前モデルは、
需要が低下して価格がガクッと落ちる傾向
にあるのですが、逆にいえばモデルチェン
ジ後の現行モデルで5000~1万キロぐらい
しか走っていない中古車は、需要が高いわ
けです。たとえば、2020年6月にフルモデ
ルチェンジされた現行モデルのハリアーは、
中古車登録されたとしてもせいぜい1~2万
キロぐらいしか走っていないものがほとん
ど。新車ほどではないにせよ、故障のリス
クが少なく安心して走行できることから
需要はかなりあるでしょうし、車検も切れ
ていないので販売者側が値段を高く設定す
るのも考えられることです」(同)
またディーラーの販売の仕方が変わった
ことも中古価格へ影響を与えたそうだ。
「ディーラーでは、残価設定ローンに
よって下取りした中古車を店頭で販売する
ことが増えました。従来はトヨタ、日産、
ホンダなどディーラー間で乗り換えを促進
し、買い取った他メーカーの車をオークシ
ョンに流したので、市場内の中古車数も
多かったです。しかし現在は、契約してい
るメーカーの中古車をディーラー内で下取
りして販売していることが多くなったので、
オークションからは中古車が減少。結果、
中古車の価値が上がり、価格も比例して
上がってしまったのでしょう」(同)
■今年後半には新車販売が回復?
では総括的に考えた場合、今後中古車
市場はどうなっていくのか。
「車載用の半導体不足が落ち着くのが、
今年のゴールデンウィークごろだといわれ
ています。それから逆算しますと、多くの
メーカーのスタンダードモデルは、夏頃に
ほぼ回復しているのではないかと思います。
もちろん、ウクライナ戦争やコロナの感染
状況次第で情勢は変化するでしょうが、
順調にいけば2023年後半までには生産体
制が元通りに戻っている見込みです。
とはいえ、国内メーカーに関しては3カ
月程度で納車するというスケジュール感
には戻るでしょうが、メーカー側が従来
どおりの生産・販売の体制に戻さない可能
性も高いです。これまでのように在庫を
たくさん抱えるよりも、受注型で生産した
ほうが管理はしやすいでしょうし、かつて
のように無理して生産台数を維持する体制
にはわざわざ戻さないと思います。また、
販売戦略上、一部モデルの生産を抑えたり、
他のモデルを販売したりする動きは出てく
るかもしれませんね」(同)
中古車価格が新車価格を上回るという
歪な状況は近いうちに解消されるだろう
が、事業戦略や生産体制を見直すメーカ
ーが増えるとなると、完全に以前と同じ
状況に戻るということでもなさそうだ。
(文=文月/A4studio、協力=西村泰宏
/「カーセンサー」統括編集長)
【転載終了】
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スバルのWRX‐Sに興味をもって
中古車価格を見たんですが、
新車価格約480万円が中古車価格が
800万円弱になっていましたね。
多分、GTRのような特殊車両
(高性能エンジン等)が価格高騰し
ているような気がしますね。
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