自民党内からも出始めた「そろそろ安倍さん以外でよくない?」の声。
週刊現代
【転載開始】
自民党内からも出始めた「そろそろ安倍さん以外でよくない?」の声
■昭恵がまた「小学校」訪問
日中の気温は最高37度に達するとはいえ、
風も涼しく過ごしやすい。
4月30日午前11時、安倍晋三の妻・昭恵は、
UAEのアブダビ日本人学校を訪れた。
同国皇太子との会談に臨む夫とは別行動だ。
学校といっても、幼稚園から中学校まで、
在籍生徒数はわずか94人。
昭恵は、自分が導火線となった森友問題など
すっかり忘れ、外遊を楽しんでいた。
イランやサウジアラビアへの訪問をトランプに
封じられた以上、GWの中東訪問は、安倍夫妻
にとって、つかの間のバカンスとしての意味しか
なかったのだ。
安倍本人は、同じ日の朝、ホテルで嬉しそうに
語っている。
「日経(新聞)の支持率、上がってるじゃないか」
42%から43%、たしかに1%だけ上がっていた。
時間稼ぎは功を奏した。安倍はそう思った。
だがこの連休は、総理として最後の休息となり
そうだ。
見えない駆け引きが、すでに始まっている。
時計を2週間ほど巻き戻す。
4月17日、訪米中の安倍にあてつけるように、
東京・憲政記念館で、人知れず開かれた会合
がある。
参議院議員・吉田博美が、東京で初めて開いた
政治資金パーティだ。
自民党の参院議員たちが午後4時から直立不動
で出迎えたのは、吉田の地元・長野県の支持者
たち700人。
だがその後、続々と現れたのは、普段は政治家
のパーティに出席しないと公言する官房長官の
菅義偉をはじめ、麻生太郎、岸田文雄、石破茂、
二階俊博ら、「オールスター」とでもいうべき各派
のボスたちだった。
吉田といっても、一般にはそう知名度はあるまい。
しかし、額賀福志郎を党内第3派閥の会長から引き
ずり下ろし、竹下亘を竹下派会長に「指名」した吉田
は、独自の地位を持つ「自民党参議院」の新たなドン
である。
吉田が師と仰ぐ男がいる。
永田町・砂防会館別館2階の事務所に、男が現れる
のは週にただ1度、水曜日だけだ。
青木幹雄。
政界引退からは8年が経とうとしているが、吉田に
「参院のドン」の座を譲り渡した今も、隠然たる力を
持つ。
水曜日午後、麻雀をしながら青木の指示を受ける
のが吉田の役割だ。
吉田のパーティに、安倍以外の「主要登場人物」が
集結したことが、安倍の心を波立たせた。
「派閥会長の竹下亘に、『今は誰を支持するなど
とは言うな』と吉田さんが釘を刺している。最後の
最後まで旗幟鮮明にしないことが作戦だと信じて
いる」(竹下派幹部)
毎週水曜日、青木の事務所には訪問者が引きも
切らない。
今週は誰が青木と会っているのか、安倍の憂鬱は
止まらない。
■もうひとつの動き
吉田のパーティから10日後の27日、もう一つ、
知られざる動きがあった。
「党政調会のあり方等に関するプロジェクトチーム」
と題した勉強会の旗揚げ会合である。
事務局長は、小泉進次郎。
わずか20人程度の議員の勉強会だが、座長を務める
のが、元防衛相・浜田靖一であった点が、安倍周辺の
疑心暗鬼を誘った。
'12年の総裁選で、浜田が小泉とともに推したのは、
安倍晋三ではなく、石破茂だった。
浜田は、かつて石破派の前身「無派閥連絡会」の中心
メンバーだったが、石破派には参加していない。
ある閣僚経験者が言う。
「浜田さんは、勝負に挑まない石破に愛想を尽かした
と言われてきたが、人望があるため『無派閥浜田派』と
言われるほど、無派閥議員に影響力がある。進次郎と
ともに動けば、局面は変わるだろう」
3月以降、小泉進次郎の「政権批判」ともいえる発言
に対して、安倍は「進次郎は若いから、生意気なんだ
よな」と余裕のポーズをとっているものの、37歳の男の
動きが気になって仕方がない。
安倍応援団のフジ・産経の世論調査(4月21~22日)
ですら、「次期総裁にふさわしい人物」で、1位石破茂
(26%)、2位小泉進次郎(24%)、3位安倍晋三(21%)
という結果を出している。
「小泉が最前線に立って石破を応援すれば、国民的
な一大ムーブメントを呼ぶ可能性が高まる」と細田派
幹部は言う。
「進次郎に加え、(幹事長の)二階さんが勝ち馬に
のり、さらに青木幹雄さんが加わる態勢になれば、
確実に安倍政権は崩壊することになるだろう」
■解散、7月8日投開票?
もはや野党だけではなく、自民党内にも
「そろそろ安倍さん以外でよくない?」という空気が
充満しはじめているのだ。
そこで、連休前から安倍周辺がしきりに流して
いるのが「解散風」だ。
「内閣不信任案が出されれば、解散も一つの選択肢
だろうな」と国対委員長の森山裕が述べたかと思えば、
官房長官の菅も「(解散は)やるならいつでもやるよ」と
語った。だが、前回の選挙からまだ1年も経っていない。
もちろん、これは野党への牽制に過ぎないという見方
が大方を占めるが、「4月中旬、党が過去の解散の間隔
を調査したんだが、'80年の大平内閣不信任のときの
『ハプニング解散』だって、前の選挙から7ヵ月で解散に
なっているから問題ない」と嘯く安倍側近もいる。
政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は言う。
「安倍総理にとって最大の政治目標は3選しかない。
選挙に勝ってしまえばすべてを帳消しにし、ライバル
の石破氏の総裁選での勝ち目も消せる。このままで
は3選は厳しいという局面になれば、解散する可能性
はある」
7月8日という投開票日程さえ、語られ始めている
所以だ。だが、そうは問屋が卸さない。
「連休明け以降、佐川前国税庁長官が立件される
にせよ、されないにせよ、支持率は急落する。総理
が解散までして延命しようという流れが出てくれば、
竹下派、二階派を中心に、安倍おろしが加速する。
そのときは内閣不信任案に賛成するというカードも
ちらつかせるだろう」(前出・閣僚経験者)
となれば、安倍はもはや手も足も出なくなる。
中東で昭恵が安倍と行動したのは、合計でわずか
2時間足らず。
残りの時間は、2度にわたる難民キャンプ訪問や、
単独の昼食会と、自由きままに過ごした。
日本に戻れば夫への包囲網が狭まっていることなど、
もはや眼中にはないようだ。
(文中一部敬称略)
【転載終了】
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長野県から「参院のドン」が現れるとは
思いませんでしたね。
青木幹夫氏の後継者ということなので
しょうね。
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