シリア政府は内戦で化学兵器を全く使っていない?
田中栄氏の国際ニュース解説
【転載開始】
■シリア政府は内戦で化学兵器を全く使っていない?
【2018年4月18日】 シリア内戦の72回以上の
化学兵器使用のなかで、シリア政府軍が化学兵器を
使ったと確定的に言える事案が一つもない可能性が
ある。
シリアのISアルカイダは、サリンや塩素ガスを持って
いる。
政府軍が通常兵器で攻撃してくるとタイミングを合わ
せて化学兵器を手製のロケット砲や手榴弾などの
形式で発射し、住民に被害が出ると、その場で撮影
(もしくは事前に制作)した動画をアップロードし
「政府軍が化学兵器で攻撃してきた」と喧伝し、
それを受けて米英で、ISカイダを支援する軍産の
一味であるマスコミと当局が「アサドの仕業」を確定
することを延々と繰り返してきた。
■英スクリパリ事件と米イラン協定離脱の関係
5月18日、英国でセルゲイ・スクリパリが2か月半
ぶりに退院した。
ロシアの元スパイで、今は英国に亡命している彼は、
3月初めに「ロシアから化学兵器ノビチョクで攻撃
された」と報じられている「スクリパリ事件」の被害者だ。
父セルゲイと一緒に「ノビチョク攻撃」を受けた娘の
ユリア・スクリパリは、すでに4月に退院している。
だが、2人とも退院後、どこにいるのか全くわからない。
記者会見や取材も全く行われていない。
事件後すぐに英政府のメイ首相やジョンソン外相が
「事件はロシアの仕業で、ロシア製のノビチョクが
使われた」と断定的に発表したが、その後、英政府
はこの断定を裏づける証拠を何も出していない。
■MH17撃墜事件:ひどくなるロシア敵視の濡れ衣
【2018年5月28日】 MH17撃墜事件の合同捜査班
(JIT)は、事件に関する重要な情報を非公開にした
まま、匿名や出所不明の怪しい情報を積み上げて
ロシア犯人説を構成している。
捜査班のロシア犯人説は、濡れ衣である可能性が
高い。
米国やNATOが捜査班の情報源になっていること
から考えて、これは米政府のロシア敵視策の一環だ。
とはいえ捜査班の発表のタイミングや濡れ衣の稚拙
さに注目すると、これはトランプによる「濡れ衣の
ロシア敵視策が稚拙に過激にやることで、これまで
対米従属で米国のロシア敵視策に追随してきた欧州
(独仏)を親露・対米自立に追いやり、ロシアを隠然と
強化する多極化・米覇権放棄策」かもしれない。
桜井ジャーナル
■露政府に殺されたと西側メディアが宣伝した
ジャーナリストが元気な姿を見せた
ウクライナでアルカディ・バブチェンコなる
ジャーナリストが殺され、その黒幕はロシアだという
話を西側の有力メディアが伝えていた。
例によって証拠はなく、公開された現場の写真には
「血」らしきものが写っているのだが、鮮やかな赤色
で不自然だった。
ロシアを攻撃する材料にはなりそうな話なら西側の
有力メディアは飛びつく。
そして数日後、バブチェンコは元気な姿を人々の前
に見せ、話題になっている。
殺人事件は完全だでっち上げだったのだ。
このでっち上げ事件の特徴はすぐに種明かしをした
ところにある。
セルゲイ・スクリパリとその娘のユリアのケースでは
テレサ・メイ英首相をはじめとするイギリスやアメリカ
の政府や有力メディアが同じように証拠を示すこと
なくロシアを名指しで非難していた。
このケースでは種が見えても種はないと言い続けて
いる。
イギリス政府はノビチョク(初心者)という神経ガス
が使われたと主張していたが、これは1971年から
93年にかけてソ連/ロシアで開発されていた神経
物質の総称。
ロシアでこの名称が使われることはないと指摘する
人もいる。
イギリス政府がこの名称を最初から使った理由は、
ロシアとの関係を強調したいからだと見られている。
その後、使われた化学物質はA-234だとされた。
この神経物質の毒性はVXガスの10倍だという。
VXガスの致死量は体重70キログラムの男性で
10ミリグラムと言われているので、ノビチョクは
1ミリグラム。
どういう形で散布したと想定してるのか不明だが、
周囲に被害が及んでいないのは不可解。
しかもスクリパリ親子は回復している。
娘はロイターのカメラの前に現れた。
質問は禁止されていたようで、状況を聞くことは
できなかったが、元気そうに見えた。
昏睡状態だった人がこれだけ短時間に回復した
のは驚異的だ。
ということで、化学兵器による攻撃という話自体
が嘘で、ふたりは拉致されたのではないかと疑われ
ている。
イギリス政府が娘をカメラの前に立たせた理由は、
そうした疑問を持つ人が少なくないからだろう。
バブチェンコはウラジミル・プーチンに批判的な
ロシア人。
母方の祖母がユダヤ人だったこともあり、2017年
にロシアを出国してからチェコを経由してイスラエル
へ入ったとされている。
そこからウクライナへ入り、そこでATRというテレビ局
で働き始めた。ここはアメリカ大使館のメディア開発
基金から資金が出ていることが公表されている。
ウクライナの治安機関SBUが関与したバブチェンコ
の暗殺劇のプロットは、ロシアの治安機関FSBが
ウクライナ市民を殺し屋探しのために雇い、
その市民が殺し屋を雇い、その殺し屋がSBUに通報、
仲介役の市民を逮捕するために殺人劇を仕組んだ
というのだが、大多数の人は、なぜ殺人劇を演出
する必要があったのかわからないだろう。
この仲介役の市民は狙撃用のライフルを製造
している会社の経営者でSBUと関係があり、
殺し屋だとされた人物はウクライナ東部で反クーデター
勢力と戦っていて、ネオ・ナチの可能性がある。
発端は会社の融資を巡る争いだったという見方もある。
ウラジミル・プーチン露大統領は慎重で、
軍事的な挑発に乗ってこない。
国内に強力な第5列を抱えていることもあるだろう。
そこで西側の政府や有力メディアは明らかな嘘で
軍事的な緊張を高めてきた。
ロシアは反撃してこないとネオコンは湾岸戦争のとき
から主張しているが、その信仰が深くなったのかも
しれいない。
今回の茶番劇もそうしたプーチンの慎重な姿勢と
西側の傲慢さが招いたとも言えそうだ。
【転載終了】
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>シリア政府は内戦で化学兵器を全く
使っていない?
この件については、桜井ジャーナルでも
同様の記事を載せていますね。
プーチン大統領は、KGB出身なだけに、
諜報活動に精通しているので、西側の稚拙
な謀略に乗ってこないということでしょうか?
そろそろ、EUもアメリカのやり方にウンザリ
しているのかも?
中東で協調しているのは、サウジとイスラエル
ぐらいでしょう。
トルコでさえ、アメリカから距離を置き始め、
武器をロシアから調達し始めています。
アメリカは、トルコに仕掛けたクーデター
失敗で、完全にトルコをロシア側に追い
やってしまいました。
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