「下町ボブスレー」が浮き彫りにした、日本の職人技の誇りとおごり
News weak
【転載開始】
■「下町ボブスレー」が浮き彫りにした、
日本の職人技の誇りとおごり
<町工場が結集して五輪を目指す計画の
失敗が、不相応なほど大きなニュースに
なった理由>
下町の職人たちの夢は今回もかなわなかった。
ジャマイカの人たちとは運命共同体で頑張って
いこうと約束したはず。
「下町ボブスレー」をご記憶だろうか。これは
東京・大田区にある町工場の有志が始めた
プロジェクト。下町の職人の技術でボブスレー
を作り、世界に挑もうというものだ。
2月の平昌五輪では、ジャマイカの女子代表が
下町ボブスレーを使うことになっていた。
だがジャマイカ側は大会直前に、下町のそりを
使わないと通告。
この件が妙に大きなニュースとなる。
冒頭の言葉は、その際に新聞で見られた表現だ。
用具の採用が見送られただけの話なのに、
「夢」「運命共同体」など情緒的な言葉が付いて
回る。
話が膨らみ過ぎている印象がある。
下町ボブスレーの騒ぎは、「日本すごい」という
ゆがんだ空気にもつながっていそうだ。
下町ボブスレーのプロジェクトは11年に始動。
14年のソチ五輪では、日本代表に採用を見送ら
れた。
外国チームに働き掛けたなかで好反応を示した
のが、南国のジャマイカ。
16年、ジャマイカは下町ボブスレーの採用を決め、
職人の技と魂が実を結ぶかに見えた。
事態は平昌五輪の直前に急展開する。
昨年12月のワールドカップで輸送機関のストで
下町ボブスレーの配送が遅れ、ジャマイカは
ラトビア製のそりを使った。
すると成績が一気に上がった。
ジャマイカは、そのままラトビア製を使用して
五輪出場権を獲得。開幕直前になって、
五輪では下町ボブスレーを使わないと通告して
きた。
下町側には大きなショックが走った。
この騒ぎには引っ掛かる点がいくつかある。
まず「ジャマイカ」だ。
なぜ支援した相手が冬季五輪とは縁遠いイメージ
のある南国だったのか。
ジャマイカは、冬のスポーツでは勝ち目のない
「アンダードッグ」だ。
好成績はあまり期待されておらず、五輪に出場
しただけで話題になる。
そのアンダードッグを日本の職人の技が支援
するという物語が、ここには透けて見える。
そしてアンダードッグだからこそ、下町のそりの
不採用は一層大きな騒ぎになったのではないか。
2つ目は「下町」。
「下町ボブスレー」という絶妙なネーミングからは
「人情にあふれた町工場の手仕事」というイメージ
がにじみ出る。
しかし実際には車体は大企業が担当し、
スポンサーにも有名企業が名を連ねている。
その下町のものづくりで世界を目指す物語は、
ハッピーエンドを迎えられなかった。それだけの
話だ。
だが騒ぎの広がりを見るにつけ、当事者にも
周囲にも「日本の技術なら、ジャマイカが採用する
ボブスレーは作れる」という思い込みがあったかに
思える。
だとすれば、そこにあるのは「ものづくり」に対する
日本の自信過剰だ。
ジャマイカと「運命共同体」として五輪へ行くという
物語の下、職人の技を世界の舞台で披露したいと
いう、いささか自己陶酔的なメンタリティーだ。
ジャマイカが採用したラトビア製のそりは、
BTC社という従業員6人の工房が作っている。
ラトビアはボブスレー製造の経験が豊富で、
外国チームにそりを提供した例も多い。
下町ボブスレーが追求したかった「匠(たくみ)の技」
を本当に持っていたのは、ラトビアの小さな工房の
ほうだったのかもしれない。
<本誌2018年5月15日号「特集:『日本すごい』に
異議あり!」から転載>
【転載終了】
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打算が引き起こした悲劇というところ
なのでしょうか?
昔の日本だったら、強いところに売り
込んだかも?
ただ、ここにも安倍晋三が絡んでいた、
というところがミソです。
よくよく考えたら、安倍晋三が絡んだ
ところはすべからく失敗しているような?
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