財務省は政権の犬なら不要・・・

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【転載開始】


■財務省は政権の犬なら不要

 「嫌われ者」役を貫く責務を果たせ


 森友学園との国有地取引をめぐる決裁文書

改竄問題で、財務省が職員20人を処分した。

「ノーパンしゃぶしゃぶ」問題など、90年代の

一連の接待汚職以来の大不祥事だ。


*  *  *

 6月4日、決裁文書の改竄問題について

緊急記者会見を開いた麻生太郎財務相は、

いつもの軽口を封じ、質問に神妙な面持ち

で答えた。

ただ、一つだけ愚痴に近い言葉が出た。


 「どうしてこうなったのか。どこからスタート

したのか私らにはわからんのであって、

それがわかれば苦労しない」


 メディアは「まるで他人事」と批判したが、

麻生氏の本音はおそらくこうだ。


 森友問題はもともと安倍晋三首相夫人の

昭恵氏と、森友学園の籠池元理事長夫妻

のかかわりが発端であり、問題を大きくした

のは首相の「私と妻が関係していれば首相

も国会議員も辞める」という答弁だ。

なぜ安倍が原因の問題で、俺が責任を問わ

れるのか──。


 財務省は、どちらかと言えば安倍首相から

遠ざけられてきた官庁だ。

財政再建に不熱心な首相が消費増税を延期

しようとした際、何度も官邸を訪れて再考を

求めた財務省幹部。

その中には、森友処分の緊急会見で頭を

下げた矢野康治官房長、太田充理財局長

らもいた。

財政再建の重要性を説き、増税延期に反対

する彼らに対し、首相はいつも不機嫌だった

という。


 なのに、なぜ財務省幹部は今回、そこまで

首相を忖度したのか。

麻生氏にはそんな気持ちもあったかもしれない。


 財務省は「官庁の中の官庁」といわれる。

他省幹部と予算折衝するとき、財務省は折衝

相手よりひとつ格下のポストの官僚が対応する。

省全体が、他の省庁より1段階格上ともみえる

位置づけだ。


 だがそれは、財務省自身が実力で手に入れた

地位ではなく、予算をつかさどる「機能」としての

慣例にすぎない。

過剰な予算要求をつっぱね、いやがられる増税

負担をのませるには、他省庁より発言力が強く

ないといけないからだ。


 そのぶん財務省は「悪役」を買って出るべき

官庁でもある。


 かつて吉田茂は回想録で、各省からの予算

要求を押し返すことができる機関がなくては、

国家財政は破綻する、それが民主政治に

おいて最も重要な機関だと指摘。

それが「わが国においては大蔵省である」と

書いた。


 吉田は大蔵官僚に責任の自覚も求めた。

「時に錯誤、誤解、行過ぎなどもあろうが、

過って改むるに憚らぬだけの度量を常に

持たねばならぬ」


 今の財務省にも通じる提言だが、財務省が

「過った」のは今回が初めてではない。

1990年代には度重なる接待汚職が問題に

なった。

大蔵省(現・財務省)幹部が信用組合理事長

から過剰接待を受けた問題に始まり、数年後

には職員112人が大量処分される問題もあった。


 影響は大蔵省の地位低下にとどまらず、

行政全体に及んだ。

それまでエリートの代名詞だった官僚の

イメージは泥にまみれ、官僚を志す優秀

な学生が減ったとも言われた。

政治家が人気取りのために官僚をたたく

「官僚バッシング」という言葉も生まれた。

そうした官僚たたきが、増税や歳出削減という、

国民に不人気な政策課題の実現を難しくして

きた面がなかっただろうか。


 そして今回。文書改竄がどれほど財務省の

信用をおとしめたか。

国家に欠かせない機能をどれだけ弱め、

財政の歯止めを失わせることになるか。


 財務省は本来、政権に耳障りが悪くても

必要であれば物申し、世論を敵に回しても

訴えるべきことを国民に訴えるのが仕事だ。

その財務省が森友問題では「嫌われ者に

なることも辞さず」の態度を官邸に対して

貫くことができなかった。

それは結果として、日本の国家運営や私たち

の社会保障の未来をも危うくしてしまうことに

つながる。


 一つ言えるのは、安易に政権にしっぽを

ふるような財務省なら、もはや必要ない

役所だということである。

(朝日新聞編集委員・原真人)

※AERA 2018年6月18日号


【転載終了】

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>森友問題はもともと安倍晋三首相夫人の

昭恵氏と、森友学園の籠池元理事長夫妻

のかかわりが発端であり、問題を大きくした

のは首相の「私と妻が関係していれば首相

も国会議員も辞める」という答弁だ。

なぜ安倍が原因の問題で、俺が責任を問わ

れるのか──。


 今井秘書官他官邸スタッフが、

「夫人の関与を認め謝罪しましょう」と進言

したが、首相が拒否したと言われています。


 余程頭を下げるのが嫌なのかも知れま

せんが、自ら招いた混乱であり、これほど

長期に混乱が続くのは、首相の浅慮としか

言いようがありませんね。


 官邸スタッフが最善の(ダメージを最小に)

対応と話し合った結果を蹴る頭の悪さが

問題です。


LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

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