米朝会談後、北朝鮮が日本を相手にせず・・・

Business Journal


【転載開始】


■米朝会談後、北朝鮮が日本を相手にせず…

 「拉致問題は解決済み」との主張拡散

 2018.06.19


 アメリカのドナルド・トランプ大統領と北朝鮮

の金正恩朝鮮労働党委員長は史上初の米朝

首脳会談を終え、米朝間の雪解けに向けて

動き出した。

2人が意気投合したのかどうかは不明だが、

少なくともトランプ大統領は金委員長に対して

好感を持ったようだ。


 しかし、安心はできない。国際社会はこれま

でも北朝鮮に欺かれてきた歴史があるからだ。

北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」

編集長の高英起氏は、現地で見た会談の様子

を踏まえて「非核化は条件次第」と予測する。


 一方、南北首脳会談や米朝首脳会談の実現

で安堵しているのが、在日コリアン社会だ。

今後は日朝首脳会談の開催も現実味を帯びて

きており、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会

は大きな期待を寄せる。


 激動の東アジア情勢をどう見るのか。

高氏、日韓両国で事業を行う韓国人ビジネス

パーソン、在日コリアンに話を聞いた。


■米朝協議はこれからが本番…始まる神経戦


 金委員長は、中国の習近平国家主席との

中朝首脳会談、韓国の文在寅大統領との

南北首脳会談、そして今回の米朝首脳会談

によって、国際社会へのデビューを果たした

感がある。

一度は挫折しかけた米朝首脳会談の成否は

現時点では判断できないものの、両者とも

満足げにシンガポールを後にした。


 しかし、なぜ長年の宿敵である米朝が一気

に接近したのか。

アメリカ側は、会談に先立ち「完全かつ検証

可能で不可逆的な非核化(CVID)」を掲げ、

核廃棄の先行を主張していた。

本来これは絶対に譲れない一線であったはず

だが、会談では非核化の約束を取りつけた

ものの、共同声明に「CVID」に関する文言は

なく、具体的なスケジュールについても明記

されなかった。


 「今回の米朝合意では具体的なことが決まって

おらず、“おおざっぱな合意”というのが印象です。

もともと、トランプ大統領も金委員長も細部まで

詰める時間がないこともあり、決めるのが難し

かったのでしょう。今後、積み残しとなっている

非核化の具体策が米朝の高官同士で話し合わ

れますが、むしろこれからが本番です。米朝首脳

とも、『大きな方向性を決めたのだから、あとは

事務方で話し合うべき』という性格だからこそ、

合意に至ったといえます」(高氏)


 今週にも開かれる米朝高官級協議は大きな

注目点だ。

アメリカ側はマイク・ポンペオ国務長官、

北朝鮮側は金英哲党副委員長の参加が想定

されており、これから米朝の神経戦が始まる。


 「私は、最初から米朝高官級協議こそが本番

だと考えていました。金委員長は非核化には

前向きですが、それはあくまで条件次第。ちなみ

に、北朝鮮は今回の共同声明で『体制保証』と

いう文言を使っていません。今後、具体的には

朝鮮戦争の終結や経済支援を要請してくるで

しょう」(同)


 米朝首脳会談後のトランプ大統領は記者会見

を行い、「北朝鮮への経済制裁を据え置きにした

まま非核化を進めるとなると、その費用は誰が

払うのか」という記者からの質問に、

「費用については、韓国と日本が負担することに

なる。両国は支援する準備ができていて、そう

しないといけないことも知っている。アメリカは

これまで多大な費用を支払ってきたのだから、

我々はこの費用は負担しない。韓国と日本は

北朝鮮の隣国なのだから、両国が費用を負担

すべきだ」と回答した。


 これについて、高氏は「北朝鮮が非核化を宣言

したからといって、それだけでは実現できません。

当然、費用はかかるわけで、それについては非核

化に同意した周辺国が面倒を見るのは極めて

自然です」と解説する。


 安倍晋三首相も「核の脅威がなくなることに

よって、平和の恩恵を被る日本が費用を負担

するのは当然だ」と述べ、核廃棄のための

国際的な枠組みを創設し、それを通じた資金

拠出を想定していることを明かしているが、

同時に拉致問題の解決がなければ経済支援

に応じない姿勢も示している。


 今後、北朝鮮情勢はどう動くのか。

「こればかりはわかりません」と高氏も言葉を

濁すが、日本にとって最大の関心事は拉致

問題の解決だ。

金委員長はトランプ大統領に「安倍首相と

会ってもいい」と言ったと伝えられているが、

高氏は「それはあくまで伝聞ですから、今の

ところはなんともいえません」と語る。


■北朝鮮は日朝首脳会談をやらなくてもいい理由


 続いて、日朝首脳会談の可能性について

語るのは韓国人ビジネスパーソンだ。


 「そもそも、日本人が『拉致問題の解決という

議題だけで、金委員長が安倍首相との日朝

首脳会談に応じる』と考えているのであれば、

それは甘すぎです。

日本のニュースを見ると、違和感を抱きます。

北朝鮮からすれば、急いで日朝首脳会談に

応じる必要はありません。

 その理由は、北朝鮮は今や、アメリカ、中国、

ロシア、韓国などをはじめとする諸外国から、

実質的に国際社会の一員として認められた

からです。

日本はトランプ大統領を通じて拉致問題などの

懸案を解決したいとの意向を示していますが、

なぜ文大統領を仲介役としないのか、理解に

苦しみます。

 また、日本の歴史に対する姿勢も疑問です。

日本は朝鮮半島に対して植民地支配を行った

過去があります。

その歴史としっかりと向き合う姿勢を、韓国だけ

でなく北朝鮮にも示す必要があります。さらには、

補償も必要でしょう。それもなしに、拉致問題の

解決を訴えるだけで金委員長に首脳会談を呼び

かけたところで、実現は困難です。今の安倍首相

がその決断を下すのは、相当な勇気を振り絞る

必要があることも理解しています。しかし、北朝

鮮問題は強気や圧力だけでは解決しませんよ」


 さらに、日本に対して辛辣な言葉が続く。


 「拉致問題の視点から見れば日本は被害者

ですが、朝鮮半島での植民地支配の歴史と

いう視点から見れば、日本は加害者なのです。

日本がかつて朝鮮半島、中国、東南アジアなど

に侵略を行った歴史に真摯に向き合うことで、

文大統領は必ずや安倍首相の力になります。

少なくとも、歴史認識について真摯に向き合う

ことがなければ、拉致問題が未解決になるだけ

ではなく、日本の北東アジアでの地位は下落

します。私は、それを心配しています」


 また、ある在日コリアンは金委員長の一連の

動きについて「ホッとしている」という。

「日本人は韓国民団と朝鮮総連の区別も、

あまり理解してくれません。北朝鮮から

ミサイルが発射されたことで、在日コリアン

に対しても嫌がらせがありました。朝鮮半島

の平和の流れは、私たち在日コリアン社会

にいい影響を与えます」と語る。


 一時、日朝首脳会談は「8月か9月に開催される」

という観測もあった。

しかし、モンゴルで開かれた国際会議

「ウランバートル対話」で日朝当局者が接触したが、

日本は相手にされなかったと報じられている。

それどころか、北朝鮮はラジオ放送で

「拉致問題は解決済み」という従来の主張を流す

など、日朝首脳会談への道は険しいといわざるを

得ない。


 前出の韓国人ビジネスパーソンは、今後

「北朝鮮が北東アジアのフロンティアとなり、

経済的に大きく発展していく可能性もある」

と言い、在韓米軍の完全撤退については

「あり得ない」と言う。

さらに、南北統一は「かなり困難だが、ビジネス

の往来は進む。

そこで、日本は遅れを取るべきではない」との

見立てだ。


 いずれにせよ、米朝融和および日朝首脳会談

の実現は一筋縄ではいかないだろう。

(文=長井雄一朗/ライター)


【転載終了】

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 トランプ大統領は、今後拉致問題に

関わることはないでしょうね・・・多分。


 後は、安倍首相次第でしょうか。


 果たして、外交巧者の金委員長相手に

どこまでやれるか?ですね。


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時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

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