安倍首相は「国民の生命と財産を守る」ために やるべきこと、やれることをしなかった

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【転載開始】


歴史的豪雨が分かっていながら首相が

酒盛りしていた日本と、大型ハリケーン

連発でも死者を出さないキューバの違い


■キューバが大型ハリケーン連発でも死者を出さないワケ


 キューバは気象学が発達している。

ハリケーンの通り道でもあるこの島にとって、

天気予報は命綱だ。おかげで、私が滞在した

2008年夏、2つの巨大ハリケーンが直撃した

時には、同じハリケーンで100人以上の死者

を出したハイチとは対照的に、誰も死ぬこと

はなかった。

キューバではハリケーンが来る前に、

気象予測をもとにしっかりとした準備・避難を

徹底させたからだ。


 キューバの気象学の発達を裏づけるエピソード

を現地の方から聞いた。

以前もキューバは天災で多くの死者を出していた

という。

それは、「天気予報が当たらなかった」のも一因

だったらしい。

それに激怒した国家評議会議長(元首)の

フィデル・カストロが、なんと自ら気象学を猛勉強

し始め、気象予報士にあれこれと口を挟みだした

というのだ。


 これで慌てたのが気象予報士である。

革命の闘士であり英雄でもある国のトップが自分

の専門領域に詳しくなり、あれやこれやと文句を

つけてくる。

「玄人はだしの独裁者」がいては、専門家もクビ

が危ない。

というわけで、気象予報士たちも文字通り必死

になって研究を進め、今では災害予防に絶大

な貢献をするようになった。


■歴史的豪雨が分かっていて酒盛りをする首相の、

 危機意識とリーダーシップの欠如


 今回の豪雨に関していえば、7月5日夜には豪雨

が予想される各地に政府・行政が大々的な警戒を

呼びかけ、もともと危ない地域には早めの避難

準備を促し、場所によっては避難勧告や指示を

出していてもよかった。


 政府がリーダーシップを発揮して、あらかじめ

準備を促すよう大々的に手を打っておけば、

ここまでの人的被害は出ずに済んだのだ。

実際、今回の豪雨に関して気象庁が緊急記者

会見を開いたのは、同日午後2時だった。


 ところが、報道などを見て福岡県在住の筆者

がすでに避難準備を始めていた7月5日夜のこと。

緊急災害対策本部が設置されれば、本来なら

本部長として指揮を取らねばならないはずの

安倍晋三首相は、自衛隊災害出動の陣頭指揮

を取らねばならない小野寺五典防衛相、

自然災害からの学びをフィードバックすべき

吉野正芳復興相、翌日午前に7人の死刑を執行

した最高責任者の上川陽子法相と、議員宿舎の

会議室で酒宴に興じていたというから驚くほかは

ない。

その後、非常災害対策本部が設置されたのは8日

午前のこと。

小此木八郎防災担当相が本部長に就任している。


 報道によると安倍首相は、8日午前に開かれた

非常災害対策本部第1回会議で

「救命救助、避難は時間との戦い」と述べたそうだが、

まさにその通りだ。

ただし、救助における時間との戦いは、水害に

おける戦いの「第二幕」である。

第一幕は、早めの避難や減災措置によって、

失われる可能性のある人命や財産を確実に保証

することだった。


 その戦いに挑まねばならないときにその首相自ら

が酒盛りをしていたから、それに負けたのだ。

8日になってから「先手先手で(被災者支援に

あたって欲しい)」などと発言したようだが、

その時点ですでに後手後手に回っているリーダーが

言っても、虚しく聞こえるだけである。


 総裁選を控え、党内のリーダーシップ確保に

躍起になっていたのかもしれない。

だが、発揮すべきリーダーシップはそこではなかった。

災害を目前に控えた一般市民にこそ、それは発揮

されるべきものだったのである。


■優れた災害予測技術をドブに捨てる日本の防災行政

 <中略>


■安倍首相は「国民の生命と財産を守る」ために

 やるべきこと、やれることをしなかった


 キューバの例は、単に気象学の発達のみによって

天災による人的被害が減るということを意味しない。

それを全市民に伝える情報伝達チャンネルがあり、

避難を促す社会的仕組みがあり、それを活かす

取り組みがあってこそ、初めて気象予測は減災に

役立つのだ。


 週に2つものハリケーンに襲われたキューバで、

私は3日3晩、水も電気もない状況に置かれて

しまった。

が、事前に情報が行き渡り、みんなで助け合って

準備をしていたおかげで、なんとかしのぎきること

ができた。

同じハリケーンでは近隣国では3桁の死者を出し、

水や食料はおろか窓を補強するガムテープにすら

事欠くような経済制裁下の困窮状態でも、である。


 日本の場合、この「避難を促す仕組みと取り組み」

が不足している。

特に「予防的取り組み」に問題があることが、白日の

下にさらされた。


 繰り返すが、豪雨が予想されていた地域に住む

私が避難準備を始めた5日夜、予防的避難を促す

取り組みを全力でするべき最高責任者だったはず

の安倍首相は酒盛りをしていた。

これでは、精度の高い予測や避難の仕組みが

あっても、何の役にも立たない。


 本稿執筆時点で死者・行方不明者は100人を

超えているという。

今日・明日死ぬかもしれない命を確実に守ることも

できないどころか、その責任を放棄した安倍首相は、

ことあるごとに「国民の生命と財産を守る」と言って

いる。

しかし、そのためにやるべきこと、やれることを

やらなかった。

その結果がこれだけの人命の喪失なのだ。


<文・写真/足立力也>

コスタリカ研究者、平和学・紛争解決学研究者。

著書に『丸腰国家~軍隊を放棄したコスタリカの

平和戦略~』(扶桑社新書)など。コスタリカツアー

(年1~2回)では企画から通訳、ガイドも務める。


※全文は、https://hbol.jp/170129/3


【転載終了】

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 一つの国家のリーダーとしての指導力の

差が大きく影響するということでしょうか。


 明らかに人災という側面が見えてきて

しまいますね。


 アベ友のNHKが、日曜日に支持率調査を

やって、支持率回復、とかやっていたそうです。

空気が読めないというかなんというか・・・


 因みに、安倍内閣 支持44% 不支持39%。

 支持する理由では、

「他の内閣より良さそうだから」が48%、

「実行力があるから」が19%、

「支持する政党の内閣だから」が15%

だそうです。


 相変わらず、ため息が出そうな理由ですよね。


LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

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