投資信託 家計保有額、30兆円以上も誤計上 日銀がミス
毎日新聞
【転載開始】
投資信託 家計保有額、30兆円以上も誤計上
日銀がミス
■「貯蓄から投資」実態は逆
個人の代表的投資商品である「投資信託」
の家計保有額が、日銀の統計作成時の誤り
で30兆円以上も過大計上されていたことが
判明した。
近年順調に増加しているとされてきた投信
保有額が、実際は減っていたことになり、
「貯蓄から投資」が進んでいると信じてきた
証券業界に衝撃が広がっている。
過剰計上があったのは、金融機関や家計
など各部門の資産や負債の推移などを示す
「資金循環統計」。
同統計では年1回調査方法を見直す改定を
行っており、今年6月下旬発表分の改定値
を算出する際に過剰計上が見つかった。
2005年以降の数値をさかのぼって改定した
結果、17年12月末の家計の投信保有額は、
改定前の109兆1000億円から約33兆円
少ない76兆4000億円まで激減。
個人金融資産に占める投信の割合も、
改定前は12年の3.8%から17年の5.8%
まで上昇していたが、改定後は14年の4.6%
をピークに低下し、17年は4.1%まで下落
していたことが分かった。
これほど大きな修正が生じたのは、日銀が、
ゆうちょ銀行が保有する投信を個人が保有
しているものと誤って計算していたことが
原因だ。
家計の保有額は、投信の総額から、
金融機関など他部門の保有額を差し引くこと
で算出している。
関係者によると、日銀が改定作業を行う際、
ゆうちょ銀の保有分でこれまで「外国債券」
としていた資産の一部が実は投信だったこと
が判明。
改定後はその分だけ金融機関の投信保有額
が膨らみ、逆に家計保有分は減額された。
ゆうちょ銀が近年、比較的利回りのいい投信
の保有額を急増させていたことも、「誤差」の
巨大化につながったようだ。
日銀調査統計局は「調査項目が多数あり、
見直しが追いつかなかった」と釈明するが、
証券業界は「30億円なら分かるが、個別指標
で30兆円も変わる改定は聞いたことがない」
(大手証券幹部)と怒り心頭だ。
政府や証券業界は、現預金に偏る家計の
資金が、経済成長に資する企業への投資
資金として回るような政策を進めてきた。
日銀の統計に基づく投信保有額の増加は
政策効果の表れとみていただけに、
金融庁幹部は「我々の認識以上に個人の
投資への動きが進んでいないなら、改めて
どうすべきか考えないといけない」と厳しい
表情を見せた。【小原擁】
■家計の金融資産
個人や、法人形態を取らない自営業者
(農林業従事者を含む)が保有する現預金、
株式、投資信託などの金融商品の合計。
日銀が四半期ごとに「資金循環統計」で
公表しており、18年3月時点の総額は
1829兆205億円。資産ごとの比率は、
現預金が52%▽保険・年金準備金28%
▽株式6%▽投資信託4%--など。
現預金は近年52%前後にとどまっている。
【転載終了】
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ジャーナリストでノンフィクション作家の
高瀬毅氏がこう言ったそうです。
「愚か者を政治のトップにいただくこの国
のエリートたちのモラルハザードは、信じ
がたいほど、国家の中枢を弛緩させて
しまっている。冗談でなく危ない。日本の
財政、金融のデータへの国際的信頼も
損ねてしまいかねない」―。
まさに、政治・官庁・マスコミ・財界が
海外から信用を失っていることに国民
が気付いていないのが恐ろしいですね。
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