クリネックスが世界でティッシュ値上げへ・・・

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【転載開始】


■貿易戦争の余波は日本にも

 クリネックスが世界でティッシュ値上げへ

 2018年8月8日(水)


 エスカレートする貿易戦争では、

トイレットペーパーやティッシュまで

槍玉に挙がっているが、品薄の

リスクがあるのはプロクター&ギャンブル

(P&G)の「チャーミン」など米国製品に

とどまらない。


 関税による価格上昇は、消費者向け

製品を扱うメーカーにとって泣き面に蜂だ。

ティッシュやおむつ、生理用品の主原料と

なるパルプのコストが上昇し、ただでさえ

利益が圧迫されているためだ。


 トイレットペーパーの「チャーミン」、

ペーパータオルの「バウンティ」や

「パフス」ティッシュを手掛ける米日用品

大手P&Gは、これら3ブランドについて、

平均5%の値上げを小売各社に通告した

と31日に発表。

同社は、おむつの「パンパース」についても、

北米市場で平均4%の値上げを進めつつ

あると述べている。


 米日用品大手キンバリー・クラークは、

直近の四半期に「クリネックス」など

ティッシュ製品の価格を世界各国で2%

引き上げる一方で、通年での予想利益を

引き下げた。


 ウッドチップや古紙を使って製造される

パルプは、ティッシュ製品の多くにとって

唯一の原料であり、大半のおむつや

生理用品でも部分的に使用されている。

ユーカリ1本分のパルプからは、

実に1000ロールのトイレットペーパーが

製造できる。


 ティッシュやトイレットペーパーの材料と

なる広葉樹パルプ価格は、2016年後半

以来、約6割上昇していると、各国税関

データに基づいて価格を追跡調査する

紙パルプ製品評議会は指摘。

おむつや生理用品に使われる針葉樹パルプ

価格も同時期に21%上昇した。


 「各社は製品価格を引上げざるを得ない。

針葉樹パルプで21%、広葉樹パルプで

60%も多く払うのであれば、誰かに転嫁

しないことには事業存続は不可能だ」。

同評議会のシニア・アナリスト、

アルノー・フランコ氏はそう語る。


 国際的パルプ不足の核心にあるのは、

世界最大のパルプ消費国であり、

しかも需要が最も急速に拡大している中国だ。


 2016年には中国の景気減速により、

パルプ価格は過去最低の水準にまで落ち

込んだ。

しかし翌年、中国経済が好転すると広葉樹、

針葉樹パルプともに需要が増大。

いくつかの大規模パルプ生産工場が予定外

の閉鎖となったこともあって、市場は需要に

応えきれなくなった。


 さらに、中国は世界廃棄物の主要リサイク

業者役を降りようとしており、2018年上半期

における中国の古紙輸入量は、

前年同期比52%減の710万トンにとどまった。

中国による未分別古紙の輸入禁止措置が

昨年末発動したことで、中国は包装に用いら

れる回収パルプを突如として大量に必要する

ようになったのである。


 貿易摩擦が状況を一層複雑にしている。

カナダは今年に入り、米国との貿易紛争の一環

として、米国製ティッシュ、トイレットペーパー、

ペーパータオルなど5億7500万ドル相当に関税

をかけた。


 中国からの輸入品2000億ドル相当に対して

米国がさらに関税をかけるとの脅しを続ける

ならば、中国も報復関税で対抗する可能性が

出てくる、と業界幹部らは懸念している。


 もし中国がそのような対応を取り、同金額の

米国製品に報復関税をかけるならば、

約24億ドル相当に上る米国の中国向け

紙パルプ製品 も対象になると、全米林産物製紙

協会で国際貿易担当シニア・ディレクターを務める

ジェイク・ハンデルスマン氏は予想する。


 「われわれの産業にとって、中国は非常に重要

な市場だ」とハンデルスマン氏。

「これはとうてい歓迎できないニュースだ」


■波及効果


 パルプは、ペーパータオルなどの消費者向け

製品の主原料というだけでなく、

それを材料として作られる梱包材料は、多くの

企業が使っている。

紙製品の生産出荷コストが増大する中で、

消費者は、ティッシュや生理用品など日用品の

支出負担が増大するリスクに直面する。


 ニールセンのデータを投資運用会社バーン

スタインが分析したところ、今年すでに、

米国消費者のあいだではこれらの製品に対する

支出が増大しているという。


 結局のところ、消費者が支払う価格は、幅広い

製品の価格バランスを決める小売業者次第となる。

そのため、メーカーが転嫁したコストがそのまま

価格に反映されるとは限らない。

例えば、小売業者はおむつの値上げを防ぐために

ペーパータオルの価格を引き上げるかもしれない。


 そのため、P&Gは6月、

「パルプ調達コストは上昇しているが、自社製品の

値上げは回避している」と語っていが、

米国の消費者が小売店で「チャーミン」に払う価格

は今年に入り上昇している。

米国における同製品の平均小売価格は、7月中旬

までの1カ月間で6.4%上昇したことが、

バーンスタインによるデータ分析によって明らかに

なった。


 同様に、ペーパータオル「バウンティ」の小売価格

は約6カ月前から上昇しているが、「パフス」ティッシュ

の小売価格は今年は下落か横ばいだ。

P&Gはニールセンのデータについてコメントしな

かった。


 「パルプは広く普及している。パルプ価格が変動

すると、いわば水まき用ホースのなかをゴルフ

ボールが通るように、業界のコスト構造全体に影響

が生じる」。

アリックスパートナーズで消費者向け製品担当

コンサルタントを務めるデビッド・ガーフィールド氏は

そう指摘する。


 スウェーデンに本拠を置くエシティの場合、

消費者向けティッシュ製品におけるコストの25%を

パルプが占めている。

柔らかさを出すために再生パルプではなく、

バージン・パルプにほとんど頼っているためだ。


 同社のパルプ調達コストが前年比で35%も急騰

したため、第2四半期には、消費者向けティッシュ

部門が想定していた営業利益の半分近くを食い

つぶしてしまったという。


 「1年前には、パルプ価格上昇はおそらく一時的な

ものにすぎないとの見方も業界内にあった」とエシティ

のマグナス・グロス最高経営責任者(CEO)はロイター

に語った。

「今では誰もそんなことを信じていない」

(翻訳:エァクレーレン)


【転載終了】

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 トイレットペーパーとティッシュの節約を

いわれそうだな~!


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