なぜ圧勝にこだわるのか? 後ろ暗い首相の“異様な総裁選”
2018年8月13日 日刊ゲンダイ 文字起こし
【転載開始】
※抜粋
■安倍自民の姿は分裂前の山口組と変わらない
「(総裁選に)出たら、処遇はできないよ。私を
応援してくれる他の派閥に示しがつかない」。
6月中旬、安倍は岸田政調会長と食事した際、
こう言って総裁選不出馬を迫り、その直後、
周囲には「戦った相手が分け前を得られないのは、
戦国時代から続いていること」と言い放ったという。
弓引くやつは絶対に許さない。
まるでヤクザと同じだが、党内では安倍側近に
よる総裁選の対抗馬潰しのドーカツや締め付け
も当たり前のように行われているという。
例えば、今も総裁選立候補に意欲を見せる
野田聖子総務相に近い議員に対して
「野田さんを推薦するという話があるが、
傷がつきますよ」と脅したり、来夏の参院選で
改選を迎える参院議員に「潮目が変わるかも」
とスカシたり。
朝日新聞の報道によると、公邸に招く地方議員は
〈地元・山口以外は全て前回総裁選の地方票で
石破氏と同数か下回った地域の議員〉というから、
露骨な「石破潰し」だ。
とてもじゃないが、同じ政策や理念を実現する
ために集まった政治集団の仲間に対する行動
とは思えない。
一体、どこが「平和」と「自由」を愛する政党なのか。
内実は分裂する前の指定暴力団「山口組」と何ら
変わらないではないか。
立正大名誉教授・金子勝氏(憲法)がこう言う。
「改憲を成し遂げるには国会議員だけでなく、
(国民投票で)世論の支持を集めなければなら
ない。そのためには総裁選で圧倒的多数の票
を得る必要があると考えているのでしょう。党内
を独裁者のごとく締め付けているのは、そうした
強い執念からでしょうが、裏返せば安倍首相と
いう政治家の汚い本性が表れているとも言え
ます」
■ヤクザまがいの恫喝で反安倍を抑え込むのは
「アベ政治」失敗の表れ
「総裁3選後のレームダック(死に体)化を防ぐ
には、相手候補を壊滅させるくらいの圧勝しか
ない」。
総裁選に向けて、安倍の周辺からこんな暴力団
抗争まがいの発言が飛び出しているが、
異様とも言えるほど、なりふり構わない戦いを
繰り広げているのはワケがある。
「圧勝」しないと来年の統一地方選、参院選は
もちろん、安倍自身も求心力が維持できないと
自覚しているからだろう。
その理由はハッキリしている。
首相自身が後ろ暗いからだ。
それを自覚しているからこそ、総裁選では力を
見せつける必要がある。
圧勝して、「どうだ」とミソギにするつもりなので
ある。
実際、時事通信の世論調査で、6カ月連続で
不支持率が支持率を上回ったことからも分かる
通り、国民の「アベ政治」に対する怒りは収まる
気配はない。
第2次安倍政権発足後の5年間を振り返って
みても、特定秘密保護法や安保法、TPP関連法、
共謀罪、働き方改革法、カジノ法、参院定数6増法
……など、
世論調査で国民の約7割が反対の声を上げて
いた悪法を次々に強行採決してきた。
言うまでもないが、議会制民主主義の基本は
熟議だ。
国民世論や少数政党の意見に耳を傾け、
双方が納得するまで時間を費やし協議する。
それが当たり前だが、「アベ政治」は違う。
「丁寧に説明する」は口先だけで、
野党の質問をはぐらかし、データの偽装も平気の
平左。
民主主義を破壊するような蛮行を繰り返してきた
のである。
そんな首相が究極の掟破りとして繰り出して
きたのが総裁3選という習近平さながらの任期
延長なのである。
■内政も経済も外交も口先ばかりで成果ナシ
そのうえ、「モリカケ疑惑」や「陸自のイラク派遣
日報問題」「財務省の文書改竄」と疑惑、不祥事
を上げていけばきりがないのに、安倍を含めて
閣僚は誰も責任を取らず、官僚もほとんどおとがめ
なし。
これじゃあ、国民の不信、不満が高まるのは当然
だが、それを封じ込めるために、自民党村の中で
圧勝を誇示しようというケチな算段なのである。
暴政は国会運営だけじゃない。
内政も外交も綻びが覆い隠せなくなってきた。
馬脚を現したのである。
「経済の好循環を実現する」と大威張りで始めた
「アベノミクス」はいつの間にか軌道修正。
安倍とタッグを組んで「2年で物価目標2%」を掲げ
ていた黒田日銀も結局、一度も2%を達成すること
なく事実上の敗北宣言を余儀なくされた。
「地球儀俯瞰」なんて言って、これまた大風呂敷を
広げていた外交も、世界中にカネをばらまいただけ。
「最優先の課題」だったはずの北朝鮮問題は、
米朝中韓の「蚊帳の外」に置かれてお手上げ状態
だし、北方領土問題もプーチン大統領に袖にされて
終わった。
こうして失政のバケの皮が剥がれるたびに
「一億総活躍」や「女性活躍」、「人づくり改革」など、
あやふやなキャッチフレーズを作って国民の目を
ゴマカシ、何かに取り組んでいるかのように装うのが
安倍“詐欺政治”なのである。
政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。
「安倍首相や取り巻きは、御用メディアに『国会議員
票は安倍圧勝』などと報じさせることで、地方票を
取り込みたいと考えいるかもしれませんが、『アベ政治』
の恩恵を何ら受けていない地方が『ハイ分かりました』
とすんなり受け入れるはずがない。異例とも言える
総裁選の締め付けは、安倍首相自身が『地方で支持
されていない』と感じている焦りでもあり、それでヤクザ
まがいの恫喝で反安倍の動きを抑え込もうとしている
のでしょう。そんな『アベ政治』をこの先も続けさせては
なりません」
「正直、公正」。
石破が総裁選で掲げたキーワードだが、よくよく考え
ればこんな当たり前の政治姿勢が対立軸になること
自体が異常だ。
どんなに汚い手を使っても権力の座にしがみつこうと
する安倍に、マトモな国民は戦慄だ。
【転載終了】
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記事の通りでコメントなど必要ないですね。
しかし、現実として、こんな政権を支持する
愚民が4割いることも事実なのでしょう。
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