予想以上のGDP成長率、実は「数字のマジック」・・・
News week
【転載開始】
■予想以上のGDP成長率、実は「数字のマジック」・・・
まったく喜べない日本経済の本当の姿を解説
2023年09月06日
<予想を大きく上回った2023年4-6月期の
GDP成長率だが、個人消費も設備投資も厳し
い状況。数字を押し上げた要因とは?>
2023年4~6月期のGDP成長率はプラス1.5%、
年率換算でプラス6%と予想を大きく上回った。
コロナの収束で、いよいよ日本経済も成長が期待
されると言いたいところだが、あまり喜べる状況
ではない。
今回、結果が良かったのは、GDPの計算手法に
起因する、ある種の「数字のマジック」であり、
内容はかなり厳しいものだった。
厳密な意味でGDPを計算するためには、
日本における全ての商取引を全て足し上げる
必要があるが、これは現実的な話ではない。
各四半期のGDPは、企業の生産統計や家計調査
を基に、消費や設備投資、輸出入などGDPに
おける大まかな支出項目の増減を足し合わせる
ことで算出している。
GDPの定義上、輸入が減ると数字が上昇する
ので、前期と比較して輸入が減少すれば、
その分だけGDPが増える。
輸入が減るのは、景気が悪いタイミングである
ことが多く、輸入が減ってGDPが増えるという
のは直感的にピンとこないかもしれないが、
計算上はそうなると理解してほしい。
4~6月期については、個人消費がマイナス
0.5%となっており、前期よりも状況が悪く
なった。
個人消費と並んで成長のエンジンである企業の
設備投資は0%と成長に寄与せず、プラス成長
となった要因のほとんどは輸入の減少による
数字のかさ上げだった。
支出面の最大項目である消費が大幅に落ち込ん
でいたことを考えると、実体経済は厳しい状況
にあると理解してよいだろう。
■国内ではあらゆるモノの値段が上がっている
日本の輸入が大幅に減った理由は明らかで、
円安による輸入品の大幅な価格上昇である。
政府の補助によって何とか激しい高騰は抑制
されているものの、ガソリン代や電気代など
エネルギー価格の上昇が顕著となっているほか、
パソコンやスマホなど輸入品は軒並み値上げ
された。
食品の原材料の多くは輸入であり、製造過程
や物流においてもエネルギーを消費するので、
国内ではあらゆるモノの値段が上がっている。
つまり、あまりにも輸入品の価格が高いこと
から、購入を諦めるケースが増え、これが輸入
を減らしたと考えられる。
こうした環境下でも、業績が好調な一部の業界
は原材料や部品を調達するため積極的に輸入を
行っているが、これは全体からすると少数派で
しかない。
■緩和継続だけでは不十分だと示された
輸入が減ってもそれを国産品で代替できれば、
むしろ経済にはプラスとなるが、産業の空洞化
が進んだ日本ではすぐに国産品を増やすことが
難しい。
加えて言うと、物価が上昇しているにもかかわ
らず、賃金は上がっていないので、消費者は
必要不可欠ではない製品やサービスへの支出を
切り詰めている。
そうなると輸入コストが増加した分だけ消費が
削られることになり、これが個人消費の数字を
悪くしたと考えられる。
かつての日本では、円安になれば景気が良く
なるとされていたが、輸出競争力が低下した今、
それは過去の常識となりつつある。
日銀は今のところ大規模緩和策から転換する
方針は示しておらず、現状の金融政策が続く
限り、円安と物価上昇が継続しやすい。
日本経済を本気で上向かせるには、緩和策を
継続するだけでは不十分であり、物価上昇に
対抗できるような供給力の強化、つまり企業の
経営改革が必要であることを、今回のGDPは
改めて示したと考えてよいだろう。
【転載終了】
**********************
政治家と役人が現状を理解していない
のもあるのでしょうが、当時の安倍政権
が誤魔化しのためにGDPの算出方法を変
えてしまったのが元凶ですね。
そして、2007年に共産党が津波による
電源喪失の危険性を指摘したのに、
「問題ない」と一笑に付して対応しない
まま福一事故を起こしてしまった安倍の
責任は重大です。
※当時は、東電にも共産党が電源喪失の
危険性を指摘し、対策を書面で申し入れ
ましたが、これも無視されました。
″すべての元凶は安倍に通ず″ですかね。
0コメント