中央銀行の役割崩壊 日本銀行「3つの政策手段」が機能不全
金子勝の「天下の逆襲」
【転載開始】
■中央銀行の役割崩壊 日本銀行「3つの政策手段」が機能不全
2018年8月22日
いまや日本銀行は中央銀行としての役割
を壊してしまった。
教科書的に言うと、中央銀行は、銀行の
決済システムの中枢にあって、
3つの政策手段を行使して金融政策を
実行する。
1つは、政策金利を通じた金利誘導である。
個人や企業の借り入れと預け入れに影響を
与えることで経済全体に影響を及ぼす。
2つ目は、国債の買いオペ、売りオペを通じて、
通貨供給量をコントロールする。
市中銀行から国債を買い上げると、金融機関に
資金が流れる。
3つ目は預金準備率の操作である。
市中銀行が日銀へ資金を預ける法定準備率の
比率を上下させることで、信用量を調整する。
ところが、5年間の「異次元緩和」によって、
この3つの金融政策は機能不全に陥っている。
異常な低金利によって金融機関は利ざやを
稼げなくなり、経営が苦しい。
実際、地銀の半分が赤字だ。
金利政策が効かないどころか、中央銀行本来の
役割である“金融機関の信用秩序”を自ら破壊
しているようなものだ。
国債の買いオペ、売りオペにいたっては、
日銀が460兆円もの国債を買い込んだ結果、
国債市場そのものが成り立たなくなってしまった。
今年だけでも、取引が成立しない“札割れ”が
6回も起きている。
預金準備率の操作も、すでに金利のつかない
日銀の当座預金に380兆円も“ブタ積み”に
なっており、まひ状態である。
中央銀行が壊れた状態で、この先、日本経済は
どうなるのか。
よく「ハイパーインフレになる」と危惧する声を
聞くが、たしかに潜在的なリスクをため込んでいるが、
ハイパーインフレは戦争や政府が債務不履行を
起こした時に着火するので、めったに起きない。
むしろ問題なのは、貿易戦争などの海外ショックや、
バブル崩壊などが起きた時、打つ手がなくなっている
ことだ。
実際、経済危機となった場合、“最後の貸し手”である
中央銀行が機能不全になったら、あとは財政政策に
頼るしかなくなる。
最終的には、日銀による国債の直接引き受けしか
なくなる可能性がある。
日銀による国債の直接引き受けは、現在、日銀法5条
が禁じている。
戦時経済のように、財政が無軌道になるからだ。
【転載終了】
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東大法学部卒、財務事務次官からアジア開発銀行
総裁を経て日銀総裁というエリートが、大学を卒業
したかどうかも疑われている人物にいいように利用
されているのも、なんだかな~と思います。
なんで、晩節を汚すのでしょうかね?
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