もう格差社会は覆らない。

MONEY VOICE


【転載開始】


■もう格差社会は覆らない。

 日本はますます上級国民に都合の良いもの

 となり、一般市民の声は無視されていく

 2023年9月16日


 貧困と格差が広がっていく社会だが、ぶっ壊

してほしいと誰もが思っているわけではない。

今の社会で成功している人間や、豊かさを享受

できている上級国民は別に今の社会が悪いとは

思わない。

逆に「自分たちを豊かにしてくれているこの

社会がずっと続けばいいのに」と考える。


■新築マンションの平均価格が約1億3,000万円


 日本でも格差がどんどん広がっているのは、

マンションなどの価格を見てもわかる。

2023年7月20日、不動産経済研究所は

2023年1〜6月の新築分譲マンションの平均

価格を発表しているのだが、東京23区では

1億2,962万円となっている。


 富裕層の住むマンションが約1億3,000万円

近くではない。

東京23区の新築マンションの平均価格がそう

なのだ。


 とは言っても、日本人が金持ちになって

「誰もが買えるだろう」と思ってそのような

値段が付いたわけではない。

2022年から日本はありとあらゆる物価が高騰

しており、その結果として資材や流通が高騰

して結果的にこうなった。


 開発業者からしたら、不本意な値付けだった

かもしれない。

ただし、考えなければならないこともある。

このような価格で売り出すということは、

このような価格でも買える層がいることを意味

している。


 最近は中古でも億を超えたマンションが大量

に出てきており、都心6区と呼ばれている

千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、

渋谷区では平均価格が1億円に近づきつつある。

こうした限りなく億に近い中古マンションも

売れている。


 こうしたマンションを買っているのが

パワーカップルと呼ばれる高学歴層の共働き

世帯である。

パワーカップルの定義はいくつかあるのだが、

一般的には夫婦ともに700万円以上を稼ぐ

カップルを指す。


 高い学歴を持って一流企業に勤めて高い賃金

を得る女性は、往々にして同じようなエリート

男性と結婚する。

高学歴層同士が結婚して、ますますリッチに

なる。

そして、ふたりで働きながら高額の物件を買う。

彼らが億ションの購買者である。


 「離婚したら終わり」とよく揶揄されるの

だが、実はパワーカップルは家庭を大切にする

人が多いので、あまり離婚しない。


■どんどん広がっていく格差


 貧困層は貧困層同士で出会い、結婚する。

高収入のエリートたちはエリート同士で出会い、

結婚する。


 タイミング的にジョブ型雇用が広がっており、

若くして高収入になる若者も増えていく。

彼らは貧困が広がる世界でも、高収入を得て

格差の上に上がっていく。

そして、パワーカップルとなって億ションに

住み、余剰資金を投資に充ててますます資金を

増やして豊かになる。


 日本は貧しくなっていると言われるのだが、

実は貧しくなりながらも一部に富が集中して

いくという格差も同時に起こっているのだ。

「貧困」が広がりつつ「格差」も大きなもの

になっている。


 格差の上側のグループに入れるのはごく

一部である。

大半は中級国民の地位をなんとか維持しよう

と汲々とするのだが果たせずに、ポツリポツリ

と下級国民の側にこぼれ落ちてしまう。


 最初に若者や高齢者や障害者やシングル

マザーのような、社会的に不利な人たちから

落ちるが、やがては大半が貧困層に転がり

落ちることになる。

物価が上がったりすると、賃金が追いつかな

ければ貧困になるのは当然である。


■物価が高騰してる時代に、増税しかしない

 内閣


 本当であれば政府が減税や消費税廃止など

で抜本的対策をしなければならないのだが、

岸田政権は「増税政権」である。


 岸田首相も「増税メガネ」と揶揄されて

いるのを見てもわかる通り、絶対に減税・

消費税廃止をしない。


 物価が高騰してる時代に、増税しかしない

内閣が政治をしているのだから、世の中が

もっと悪くなるのは避けられない。


 すでに日本人口の6人に1人、約2,000万人

が相対的貧困となっている。


■「カネこそすべて」の社会は、楽しい社会?


 かくして、貧困と格差がどんどん広がって

いく。

しかし、そんな社会をぶっ壊してほしいと誰

もが思っているわけではない。


 今の社会で成功している人間や、豊かさを

享受できている上級国民は別に今の社会が

悪いとは思わない。


 「格差が広がっている、貧困が広がっている」

とは言えども、自分たちは成功しているので

問題を感じない。

問題を感じるどころか、今の自分たちを豊かに

してくれているこの社会がずっと続けばいいの

にとも考える。


 つまり、上級国民は今の社会システムの

受益者であり、既得権益者になるので、

そのまま続いてくれた方が有利なのだ。

当たり前だが、自分たちに有利な世界を

ぶっ壊すような馬鹿な人はいない。


 高所得になれば何でも欲しいものが買える。

高価な地域や高額なマンションに住むことが

できて、人々も自分たちを羨んでくれる。

カネがあれば特別扱いされる。

カネを持っている人たちにとって「カネこそ

すべて」の社会は「楽しい社会」なのだ。


■上級国民の子もまた上級国民に


 ちなみに世襲政治家たちは増えているが、

彼らのほとんどは先代から「旨い汁」を

たっぷり吸って豊かになった上級国民である。


 日本の政治家は30年以上も日本を成長させ

ることができなくても、貧困と格差が増えて

も、平気な顔で議員をやっている。

上級国民の世襲政治家がはびこっているの

だから、そうなっても不思議ではない。


 振り返って見れば、岸田文雄も、安倍晋三

も、鳩山由紀夫も、麻生太郎も、みんな

上級国民の世襲政治家である。

自民党には世襲政治家が山ほどいて、彼らが

世襲政治を続けている。


 彼らは今の社会で豊さが維持できるのだか

ら、社会を大きく変えるインセンティブなど

まったくない。

むしろ現状維持のほうが自分たちに有利で

ある。


 だから、上級国民の世襲政治家が多い日本

の社会は何も変わらない。


■「お前らは勝手に貧しくなってろ」という

 本音


 言うまでもないが、社会で影響力を持って

いるのは上級国民である。

実際に社会を統治しているのも上級国民で

ある。


 彼らは数で見ると圧倒的に少数派なのだが、

政治に強い影響力を与えることができる。

政治家も呼応するのは下級国民の声ではなく、

上級国民の声のほうである。

政治の世界も、経済界の世界も、高級官僚の

世界も、みんな上級国民がやっている。


■彼らだけで世の中の仕組みが決まっていく。


 そのため、下級国民がいくら「貧困と格差が

広がる社会をなんとかしてくれ」と言っても、

上級国民にはまったく響かない。


 貧困問題にしても、「貧困なのであれば、

一生懸命に働いて金持ちになればいい。金持

ちを恨むのは筋違いであり、努力が足りない

のだ」という自己責任論によって、貧困の

原因が個人の資質のせいにされていく。


 かつて小泉内閣で経済財政政策担当大臣を

やって「グローバリスト」を自称する竹中平蔵

は「若者には貧しくなる自由がある。そのとき

にがんばって成功した人の足を引っ張るな」

みたいなことを言っている。


 わかりやすく言うと、「お前らは勝手に貧し

くなってろ。貧しくなっても俺たちの足を引っ

張るな」と言っているのである。

これは「貧しくなった人間なんか知るか」と

いう意味でもある。


 こうした上級国民の「本音」を見てもわかる

とおり、社会はますます上級国民に都合の良い

ものとなっていく。

自分たちの既得権益はがっちりと守りつつ、

下級国民には配慮のない政治が続く。

だから、こうした社会が固定化したら、それを

下級国民側から変革するのは非常に難しい。


 それが今の日本社会の現状なのだ。

上級国民が社会の実権を握っている以上、

「日本の貧困と格差は政治で改善される」みた

いな甘いことを考えていたら知らないうちに

地獄に突き落とされるだけだ。


【転載終了】

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 記事の通りですね。


 個人的には、元凶である官僚養成学校

を廃校にすべきと十数年書いてきました。


 そして、前記事に書いたように、二大

政党制にすれば国民の意思を無視できな

くなります。

現状の一党支配の独裁政治では政権党が

好き勝手するようになります。


 上級国民など一握りの大手企業の社員

であり、その他の90%は中小企業の社員

です。

政治を変えることができるのに、なぜ変

えようとしないのでしょうか?


 これが日本国民の最大の弱点だと言わ

れていますが。


 「変革を嫌う日本国民」は世界共通の

認識です。


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