まだ3週間もある総裁選 報道規制と論戦回避はどう影響?
日刊ゲンダイ 文字起こし
【転載開始】
■まだ3週間もある総裁選 報道規制と論戦回避はどう影響?
「気力、体力、十二分であるとの確信に至った」―
などと、ようやく26日、総裁選への立候補を表明
した安倍首相(63)。
この自民党総裁選は、なにからなにまで、異常な
ことばかりだ。
現職の総理総裁が、対抗馬である石破茂(61)
との政策論争から逃げつづけているだけでも
前代未聞だが、とうとう“安倍1強”に支配された
自民党は、安倍3選のために、メディアにまで圧力
をかける始末だ。
28日、新聞・通信各社に、総裁選について
「公平・公正な報道」を求める文書を配った。
表向き「各候補者を平等・公平に扱ってくださる
ようにお願いします」と、“公平・公正な報道”を
訴えているが、「安倍首相に不利な報道はするなよ」
と圧力をかけようとしたのは明らかだ。
新聞記者出身の政治評論家・本澤二郎氏が言う。
「自民党の選挙管理委員会は、平等、公平を
要求していますが、もし、厳密に平等に扱ったら、
安倍首相ひとりがメディアに露出することになり
ますよ。現職の総理大臣は、“公務”なら外交も
会見も地方視察も毎日、新聞テレビが大きく報じ
るが、無役の石破さんはメディアに取り上げられ
ないからです。しかも、総裁選の街頭演説会を
極端に減らしている。2012年は17回もやった
のに、今回はたったの5回です。石破さんは、
ほとんどメディアに露出しないまま最終日を迎え
ることになりかねない。メディアに取り上げられ
なければ、党員票も集まりませんよ」
安倍自民党がやろうとしている総裁選は、
ほとんど中国やロシアの選挙と同じだ。
最初から権力者が勝つように仕組まれている。
チャレンジャーの石破が、テーマごとに3時間
ずつ、4回程度の討論会を開いて欲しいと要望
しても、“安倍1強”にひれ伏す自民党の選挙
管理委員会は無視。
自民党全体が“安倍3選”のために動いている。
政党が、どんな選挙をやろうが勝手と言えば
勝手だが、総裁選は事実上、日本のトップを
選ぶ選挙である。
アフリカの独裁国家じゃあるまいし、こんな選挙
が許されるのか。
「そもそも、安倍首相がライバルの岸田政調
会長を呼び出して『総裁選に出たら、処遇でき
ないよ』と恫喝して出馬を断念させたことも異常
でした。その揚げ句、メディアに圧力をかけて
報道を規制しようとしている。まさに、独裁国家
の選挙のやり方です。5年間のアベ支配によっ
て、自民党は完全におかしくなっています」
(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
まだ告示もされていないのに、すでに安倍陣営
の関心は選挙後の人事に移っている。
■アベノミクスの失敗を国民が再認識する
しかし、9月7日告示、20日投開票の総裁選
まで、あと3週間もある。
予想外のハプニングが起きるのが選挙だ。
安倍首相は、バケの皮を剥がされてもおかしくない。
早くも、“外交の安倍”が大嘘だったことがバクロ
されている。
安倍首相は二言目には、トランプ大統領との
“蜜月関係”を自慢しているが、米紙ワシントン・
ポストが、トランプ大統領が安倍首相を面罵した
とスクープしたのだ。
事件があったのは、今年6月7日、ホワイトハウス
で行われた日米首脳会談の時だという。
トランプ大統領は「私は真珠湾攻撃を忘れない」と
口にし、日本の経済政策を痛烈に批判。
対日貿易赤字などの不満をぶつけたという。
そのうえで、日米2国間の貿易協定を結ぶように
迫ったというのだ。
北朝鮮問題では、安倍首相の懇願をガン無視した
という。
安倍周辺は「かつてないほど強固な日米関係」
などと解説していたが、本当は「かつてないほど
強固な上下関係」だったということだ。
もし、罵倒された一件に注目が集まったら、
総裁選で「外交の安倍」を訴えるどころか、
「情けない男だ」と、安倍外交を批判されるのは
間違いない。
さらに、「アベノミクス」の失敗がクローズアップ
される可能性がある。
「石破ビジョン」を掲げる石破は、「アベノミクスの
不都合な政策目標?」と題した資料をつくり、
アベノミクスが失敗に終わったことを、誰もが納得
するように解説しているからだ。
会見でも「都合のいい数字ばかり強調するのは
良いことではない」と、安倍首相が「493兆円から
551兆円に増えた」と胸を張るGDPについても、
増加分のうち32兆円は統計の見直しによるカサ
上げが要因だと、サラリと説明している。
しかも、「アベノミクス」よりも「石破ビジョン」を
評価する専門家も少なくない。筑波大名誉教授
の小林弥六氏(経済学)がこう言う。
「安倍さんが石破さんとの論争を嫌がっている
のは、党員がアベノミクスの実態に気づくことを
恐れているからでしょう。アベノミクスは、大都会
と大企業と富裕層が豊かになれば、トリクルダウ
ンが起きて、地方も中小企業も貧困層も豊かに
なると喧伝してきたが、大嘘でした。総裁選を
きっかけに、アベノミクスの失敗が再認識される
可能性があります」
いずれ、国民のなかから「こんな首相でいいのか」
という声が噴出しておかしくない。
■国民が支持しない首相を圧勝させるのか
そもそも、普通の国民は、安倍首相を支持して
いない。
時事通信の調査では、6カ月連続、安倍内閣の
「支持」と「不支持」は逆転している。
それでも、国会議員の数と、NHKを筆頭とする
安倍シンパのメディアによって、“安倍圧勝”
“安倍3選”という結果になったら、自民党は国民
から見放されるだけだ。
なにしろ、新聞の投書欄には、「安倍首相の自信
に強い違和感」「閉塞感漂わせたのは誰か」
「総裁選で自民党へのお願い」といった、安倍首相
に批判的な声があふれている。
読売新聞の調査でも、無党派層に限ると、次の総裁
にふさわしいのは、「石破46%」「安倍21%」だった。
「本来、政党にとって党首選挙は、自分たちの存在
をアピールする格好のイベントです。少しでもメディア
に取り上げてもらい、国民に関心をもってもらうため
に、派手に街頭演説会をやり、候補者同士が政策
論争を戦わせるものです。ところが、安倍1強に支配
された自民党は、安倍首相を圧勝させるために、街頭
演説会の回数を減らし、石破茂が渇望する政策論争
もやらせない。しかも、マスコミ報道まで規制しようと
している。異常な総裁選を見て、多くの有権者は『自民
党はどうかしている』と思っているはずです。もし、
総裁選の結果が、トリプルスコアという大差で“安倍3選”
ということになったら、有権者は『やっぱり自民党は
国民から遊離している』と確信するでしょう。知事選や
国政選挙など、あらゆる選挙で“自民党ノー”の一票を
行使するはずです」(五十嵐仁氏=前出)
どうせ“安倍3選”が動かないのなら、“9対1”くらい
で安倍首相が圧勝した方がいいのではないか。
いかに自民党が有権者と遊離しているか、
国民もハッキリ分かるというものだ。
【転載終了】
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玉城デニー沖縄県知事候補の選対本部長
に就いた元自民党の仲里利信前衆院議員が、
「日本の真の自民党は我々であって、今いる
連中は安倍の使い走りだ。」と言っていました。
しかも、政策論争も封じるような権力者の姿
に国民は違和感を持たないのでしょうかね?
主要海外紙も日本国民の政治意識レベルに
疑問符の記事を配信しています。
沖縄知事選で解せないのは、「かりゆしの会」
の対応です。
翁長知事を支持していたので、今回の選挙は
自主投票とのこと。
翁長氏の政策は支持していなかったという
ことでしょうか?
今回の、玉城氏は翁長前知事の政策を継承
する方なのに・・・
世の中、理解しがたい方たちがいっぱい
いますね。(偉そうなことは言えないんだけど)
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