日本と世界の常識はこんなに違う・・・

現代ビジネス


【転載開始】


なぜ日本の病院は、患者をこんなに待たせて平気なのか

日本と世界の常識はこんなに違う


■「サービス業」の意識ゼロ


 週刊現代8月11日号の連載「それがどうした」

で、伊集院静氏はこう綴っている。


 〈小娘に舐められ、挙句、支払いでまた待た

せられて、人間に対する扱いではない。どこの

大学病院とは書かぬが、新橋のG恵大学病院

の関係者よ、こういうやり方を当たり前と考え

ているなら、天罰が下るよ〉


 伊集院氏は、目の治療のため診察に訪れた

ところ、いつまでたっても受け付け番号を呼ば

れず、結局1時間45分も待たされたという。


 さらに火に油を注いだのが、受付の事務員

や医師の不遜な態度だった。

待っている患者たちの目の前で、受付の若い

女性事務員は笑いながら話しているし、診察

に当たった医師は「暑い折に、長い時間お待

たせしました」の一言もなく、人として当然の

気遣いすら見せない。


 治療のために訪れた患者を、待たせて当然

という態度が許せなかったのだろう。


 怒っているのは伊集院氏だけではない。

読者からも「伊集院さんの言う通り。病院

は患者をなんだと思っているんだ」と大きな

反響があった。


 大学病院や特定機能病院を受診するには、

基本的に紹介状が必要となるが、

予約しても1~2時間待たされることはザラに

ある。


 やっと診察室に辿り着いたと思ったら、

わずか2~3分で診察は終了。

会計でまた長時間待たされる……。

そんな状況に多くの患者はイライラしている。


 だが、少しでも文句を言おうものなら

「モンスター患者」扱いを受け、まともな診療

すら受けられない。

およそ世間一般の常識とはかけ離れた価値

観が支配する空間――それが病院なのだ。


 都内の総合病院に勤務する内科医は、

悪びれる様子もなくこう語る。


 「患者さんが多すぎるので、時間がかかる

のは仕方がないんです。救急患者が運ばれ

てくることもあるし……。こっちも一生懸命

やっているんですけど、一人一人丁寧に

説明していると、ますます時間がかかって

しまう。熱心な医者ほど待ち時間が長くなる

というジレンマもあります」


 OECD(経済協力開発機構)のデータによれ

ば、人口1000人あたりの医師数は日本が2.4人

なのに対し、ドイツ4.2人、フランス3.4人。


 日本は一人の医師に対して、患者数が多い

のは事実だ。

しかし、それを踏まえた上で、患者を待たさ

ない努力を病院がしているかといえば、疑問符

が付く。


 『「いい病院」「悪い病院」の見分け方』の著者

で、病院のコンサルティングも行う武田哲男氏

は「そもそも病院には『サービス業』という視点

が欠如している」と語る。


 「どの企業でも一番大切にするのが『顧客

満足度』です。普通の企業だったら、お客さん

に満足してもらえるように、商品を改良し、より

使いやすくするなど努力するのは当たり前の

ことです。でも病院は違う。何もせずともお客

さん=患者が来るし、どのような診療の仕方

でも同一の治療なら同じ報酬が受け取れる

ため、営業努力を怠っている病院があまりに

多い」


 結果、その怠慢が「患者を待たせることの

何が悪いのか」「待つのが嫌なら来なくていい」

という上から目線の医師を生んでいる。

一方で、米国や欧州では日本のように待ち

時間が長い病院はほとんどないという。


 「フランスやドイツでは、ホームドクター制度と

いって、まずは『かかりつけ医』に行って、手に

負えない場合に限り、紹介状を書いてもらい

大病院を受診できるシステムになっているので、

日本のように患者が一つの病院に集中すること

はありません」

(東京放射線クリニック院長の柏原賢一氏)


 現在、厚労省も「かかりつけ医制度」を推奨

しているが、まだまだ欧州ほど浸透していない

のが現状だ。

だが、患者数は減らせなくとも、患者のストレス

を軽減するため、待ち時間を工夫するくらいは

できる。


 最近では来院の際、受付でQRコード付きの

整理券を配付し、スマートフォンで読み取ると、

リアルタイムで自分の待ち時間がわかるシステム

を試している病院もある。


 こうすれば、院内で待つ必要がなく、外に出て

用事を済ませることもできる。

ほかにも電子カルテを導入し、会計までの時間

を短縮する動きも出てきている。


 「たとえば問診票をデジタル化し、待ち時間の

間に患者さんにしっかり記入してもらえば、いざ

先生と対面したときに一から説明しなくても済み

ます。言い忘れを防ぎ、面と向かって言いにくい

ことを伝えられるメリットもある」

(医療ジャーナリストの片田直久氏)


 少子高齢化が進み、患者の取り合いが起こり、

経営が立ち行かなくなる病院も増えているこの

時代。

「患者は待たせて当たり前」「ほっといても患者は

来る」と考えている病院は、間違いなく淘汰されて

いくだろう。

「週刊現代」2018年9月1日号より


【転載終了】

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 私も、両親の病院通いが多く、自身が少々調子が

悪くても病院に行く気にはなれません。


 もちろん長時間待たされるのも原因の一つですが、

引退してから丸3年間一度も病院に行っていません。


 親の病院通いで感じたのですが、高齢によるもの

も多く、痛みなどが取れるのに若い方より時間が

掛かるのも確かであり、気休めという感じのものも

あるようにも思います。

 

 医師不足も要因の一つなら、女医さんの卵を間引き

しているというのは大問題ですね。(点数一律減点問題)


 日本はOECD(経済協力開発機構)の中でも、

貧困率や国際競争力など諸々がランクダウン

していることを国民は知りません。


 未来の人材を輩出する、大学ランキングも

アジア圏でさえランクダウンしています。


 日本国民の最大の弱点が情報弱者という

環境にいることです。


LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

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