消費増税への批判回避狙う・・・「儲け過ぎ」批判を利用!?
Business Journal
【転載開始】
■安倍政権、携帯会社に料金値下げ要請で
消費増税への批判回避狙う…「儲け過ぎ」批判を利用
8月21日~22日の株式市場で、
NTTドコモやKDDI(au)、ソフトバンクグループの
通信株がそろって続落した。
菅義偉官房長官が21日に札幌市内で行った
講演で、携帯電話の利用料金について
「今よりも4割程度下げられる余地がある」など
と述べたことが嫌気された格好だ。
菅氏は「料金はあまりにも不透明で、他国と
比較すると高すぎる」とも語っており、
政府として携帯電話各社に料金やサービスの
見直しを促す考えを示した。
発言が伝わった21日からの2日間で、
NTTドコモ株は5%安、KDDI株は7%も下げた。
ソフトバンクグループは投資事業の業績貢献度
が高まっているため、同期間の株価の下げは
競合2社に比べ小幅にとどまった。
菅氏は8月27日午前の定例会見において、
「4割下げ」発言の根拠を問われ、こうコメントした。
「通信費の国際比較にはさまざまな方法がある。
OECD(経済協力開発機構)の調査によると、
(日本の料金は)OECD加盟国平均の2倍程度。
他の主要国と比べて高い水準にある、と報告を
受けている。また、携帯電話事業の参入を示した
楽天は、既存事業者の半額程度に料金を設定
する計画を公表している。これらを踏まえ、今より
も4割程度、競争をしっかり行えば下げられる余地
があるのではないか、との見通しを申し上げた」
2019年10月、自前の設備で携帯電話事業に
参入する楽天が想定する通信料金に足並みを
そろえてはどうか、との思惑が透けて見える。
8月27日、菅氏は「スピード感を持って検討する」
と改めて表明。
これが、KDDIを直撃した。
8月29日の終値は2951.0円。
発言前の20日の3116円から5.3%安の水準。
他方、NTTドコモは2937.5円から2901.0円へと
1.2%安に持ち直した。
ソフトバンクグループが9984円から1万100円へ
1.1%高と好対照ぶりだ。
株式市場は、携帯料金の引き下げの影響は
KDDIがもっとも大きいと見ているということだ。
■個人向け依存度が高いau
総務省のデータによると、18年3月時点の
KDDIグループの携帯電話の契約数のシェア
(仮想移動体通信事業者=MVNO含む)は
30.7%で2位。
首位ドコモ(同44.9%)やソフトバンク(同24.5%)
がシェアを落とすなか、KDDIだけがシェアを
伸ばしている。
他社にない料金プランで、ドコモから個人ユーザー
を奪う戦略が功を奏した。
KDDIの18年3月期連結決算(国際会計基準)
によると、auブランドの個人向け携帯電話事業
の売上高は3兆8996億円、営業利益は7329億円。
連結売上高(5兆419億円)の77%、連結営業利益
(9627億円)の76%を占める。
個人向け携帯電話の依存度が著しく高い。
ソフトバンクグループの18年3月期の連結決算
(国際会計基準)の国内通信事業の売上高は
3兆2298億円、営業利益は6829億円。
連結売上高(9兆1587億円)の35%、連結営業利益
(1兆3038億円)の52%だ。
NTTドコモの18年3月期の連結決算(米国会計基準)
の国内通信事業の売上高に当たる営業収益は
3兆8984億円、営業利益は8328億円。
連結営業収益(4兆7694億円)の81%、営業利益
(9732億円)の85%を占める。
ドコモは個人向けの比率は開示していないため
単純比較はできないが、法人契約や長期契約が
多いとみられており、料金引き下げの影響はKDDI
に比べ限定的とみられている。
本業の儲けを示す営業利益率(売上高に対する
営業利益の割合)は東証1部(3月期)平均が7.6%
(みずほ証券調べ)。
トヨタ自動車は8.2%だった。
携帯3社の国内携帯事業の営業利益率はNTTドコモ
が21.3%、ソフトバンクが21.1%、KKDIが18.8%で、
東証1部平均の2~3倍に相当する。
営業利益率15%以上は「エクセレントカンパニー」
と呼ばれている。携帯3社は“超”がつく高収益企業だ。
通信料金が家計の重荷になる一方、携帯3社が破格
の利益を享受していることから、「儲けすぎ」という
批判は根強い。
菅氏の発言は唐突といえるが、19年10月の消費税
増税を控え、政府主導で家計負担の軽減を図る狙い
があることは間違いない。
家計支出に占める通信費の割合は、この10年で2割
も上昇。
その大部分がスマホの普及による携帯料金とみられる。
菅氏は会見で「国民の財産である公共の電波を利用
している。
過度な利益を上げるべきではなく、利益を利用者に
還元すべきだ」と指摘した。
携帯料金の引き下げでポイントを稼ぎたいとの思いが
政府にはある。
しかし、携帯大手3社は民間企業であり、株式を
上場している。
政府主導で料金が4割も下げられれば株主は
黙っていないだろう。
携帯電話の値引きを続けたうえで料金が4割下がると、
携帯各社の営業利益は「ほぼゼロになる」と試算する
外資系証券会社もあるくらいだ。
ソフトバンクは8月29日、スマートフォンの端末を
値引きしない代わりに、通信料金を最大2~3割
値下げする新料金プランを9月6日から導入する
と発表した。
auとドコモも昨年から同様のプランを導入しており、
大手3社の足並みが揃った。
携帯3社は高額なスマホ代金を通信料金に
組み込むことで販売しやすくしてきたが、
「料金体系が複雑でわかりづらい」との批判は
根強かった。
今後は、高額な端末は値引きしないが通信料金
は下げる。
こうすれば、見た目上は値下げしたように映る。
これが、携帯大手は出血が少なくて済み、
大幅な値下げを求める政府の顔も立つ方法という
わけだ。
菅氏の発言によって、携帯端末と通信料金の分離
が加速することになるとみられる。
(文=編集部)
【転載終了】
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先週、この話題は記事にしましたが、
消費税増税を薄める狙いなのは誰でも
わかると思います。
菅官房長官の発言で株価が下がって
しまったとしたら株主に損害を与えたと
いえるでしょう。
海外なら、菅官房長官は訴えられて
いるでしょうね。
それほど無知な発言ですし、権力側の
圧力になります。
賃金アップ要請や料金値下げ発言は
この政権の横暴なところであり、無知な
ところでもありますね。
ただ、料金を下げる余地があるなら、顧客サービス
として値下げもありかなと思います。
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