対照的な沖縄県知事選候補・・・
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【転載開始】
■政府からの予算増額という“アメ”を
受け取るか(佐喜真氏)、
受け取らずに経済的自立を目指す
か(玉城氏)。
対照的な沖縄県知事選候補
「沖縄県知事選」(9月30日投開票)は
事実上、翁長雄志知事の遺志を引継ぐ
と訴える「オール沖縄」支援の
玉城デニー候補(前衆院議員)と、
県民所得アップを訴える自公維希推薦
の佐喜真淳候補(前宜野湾市長)
との 一騎打ちとなっている。
両者の選挙戦は対照的だ。
「翁長知事の後継指名を受けて新基地
建設阻止を引き継ぐ」と強調する玉城氏
は、 潤沢な沖縄振興予算と引き換えに
基地容認を強いる“アメとムチ政策”からの
脱却を掲げる。
玉城氏は、母が生まれた沖縄の新基地
反対の民意を安倍政権に伝えつつ、
父の母国であるアメリカ政府とも再交渉
する意向を表明。
日米の橋渡し役として辺野古新基地撤回
と普天間基地運用停止を両立する代替案
を模索すると同時に、新財源
「観光・環境協力税」の創設などで沖縄の
経済自立も目指そうとしている。
これに対して「対立から対話へ」が
キャッチフレーズの佐喜真氏は、
「辺野古」にはまったく触れず、
中央(安倍政権)との太いパイプで
「全国最下位の県民平均所得をアップ
させよう」と訴えている。
■建設業界総決起大会で参加者たちの前に
ぶら下げられた“アメ玉”
告示翌日の9月14日(金)14時から
那覇市内のホテルで開かれた
建設業界の総決起大会には、
勤務時間中にもかかわらず建設業者
約1200人が参加した。
今年6月の新潟県知事選でも出回った
「期日前投票調査表」
(従業員・家族・友人・知人に期日前
投票を依頼して調査表に氏名と地域
を記入してファックスで送付)を会場
入口で受け取った参加者たちに対し、
ステージに登壇した太田昭宏・
前国交大臣をはじめ自公維の国会議員
が次々と挨拶をしていく。
「大米建設」創業者の息子で、同社
代表取締役会長の下地米蔵・建設業
協会会長の弟である下地幹郎 衆院議員
が 「この選挙は日本にとっても沖縄に
とっても大切な選挙ですので、仕事
を止めて選挙運動しましょう」
と業者に “無償労働”の要請を行った。
他の国会議員も、佐喜真知事の誕生で
「翁長知事時代にはなかった、数々の
恩恵を受けられる」ということを訴えて
いった。
その“アメ玉”の中身とは、一括交付金と
公共事業予算増、建設単価 (人件費)
アップだという。
下地氏の次に挨拶した建設業界職域
代表の佐藤信秋参院議員は、労務単価
(人件費)引上げが実現するかは
「知事しだい」と、二度にわたって
強調した。
「(沖縄の労務単価は、全国平均より)
ちょっと高い。1万9000円です。全国平均
は1万8000円です。これを2万5000円、
3万円に持っていかないといけない。 ここ
がいちばん大事なところなのです。 これを
やるのは、どうするのか。知事 しだいなの
ですね、本当に。知事しだい です」
■沖縄県の公共事業費が減らされた
理由は「翁長前知事の陳情不十分」?
さらに、翁長県政にはなかった別の “アメ玉”
として、佐藤氏は公共事業費 についてこう
語った。
「(全国で)公共事業費6兆円の予算の 中で
どれぐらいの割合が沖縄に来て いるのか。
昔は『3%』来ていた。今、 どれぐらいで
しょう。何と『2.3%』です」
「別に加減をしているわけではあり
ませんが、知事を先頭に『(公共事業 予算を)
俺のところによこせ』と言って いただかない
と『0.7%』下がると。 (中央への陳情不熱心
な翁長知事 県政だと)6兆円かける0.7%で、
(減額が)500億円ぐらいになるのです」
「元に戻さないとダメです。元に戻す
にはどうするのか。佐喜真さんです。
佐喜真さんを知事にしないといけない。
知事を先頭に建設産業の皆様と、
『俺のところは仕事をしっかりとやって
いるから仕事をよこせ』と迫っていく。
それをやっていきましょう」
新基地容認の仲井真弘多知事時代
(2006~2014年)に比べて翁長知事時代
の県予算が減ったのは、辺野古新基地反対
を貫いたことに対 する、安倍政権の報復的
措置なのは 明白だ。
それなのに、翁長知事の職務怠慢
(陳情不十分)の産物であるかのような
言い方をしている。
実際は、辺野古新基地反対を言うか否かで
予算額が左右されたというのに、まるで
陳情の熱心さで予算が決まるか のように
すり替えている。
■県一括交付金の確保を表明する
佐喜真氏、経済的自立を目指す玉城氏
大会の冒頭で下地建設業協会会長
が県一括交付金減額に触れたのに続き、
「対立から対話へ」を訴える佐喜真氏は
こんな挨拶をした。
「一括交付金は、残念ながら県政が 代わり、
ハード・ソフトともにピークの 時から比較
すると570億円あまりが 減額されました」
「私は今回の知事選におきまして、
必ず皆様方のためにしっかりと予算 の
確保に向けて全力を尽くしていきたいと
思います」
歴代の自民党政権が得意としてきた、
札びらで沖縄県民の頬を叩くという、
“アメとムチ”の利益誘導政策(選挙手法)。
それに佐喜真氏が飛びついたともいえる
のではないか。
これに対して玉城氏は、“アメ玉”を
受け取ることで「新基地建設反対」が
言えなくならないよう、自主独立路線
を突き進もうとしている。
補助金の撤廃を掲げる一方、新しい財源
として「観光・環境協力税」 導入などで
沖縄県の経済的な自立を はかろうとして
いるのだ。
“アメ玉”を受け取って中央政府の言いなり
になるか、受け取らずに自立の道 を進もう
とするのか。
対照的な二人の県知事候補。
沖縄県民はどちらを選ぶのだろうか。
<取材・文・撮影/横田一>
【転載終了】 ****************
相変わらず土建屋を使った税金(金)
を引っ張ろうとする選挙ですね。
選挙結果次第では、国民の沖縄に 対して
の見方が変わってしまうかも?
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