大手2紙が社説で麻生氏の大臣起用を批判。
毎日新聞
【転載開始】
■麻生財務相の処遇
再任の理由が理解できぬ
安倍晋三首相が10月2日に
内閣改造を行い、麻生太郎副総理
兼財務相と菅義偉官房長官を再任
することを表明した。
今回の内閣改造は自民党総裁選
で首相が3選されたのに伴うものだ。
首相は「しっかりとした土台の上に、
できるだけ幅広い人材を登用していき
たい」と語っていた。
首相は両氏を「土台」と位置づけた
わけだが、麻生氏については財務省
不祥事の政治責任をとっていないこと
を指摘しなければならない。
森友問題で財務省は公文書を改ざんし、
1年以上にわたって国会を 欺いていた。
前代未聞の不祥事だが、麻生氏は職員の
処分だけで幕引きを 図り、真相究明も
棚上げ状態だ。
内閣改造は麻生氏の責任問題にけじめ
をつける機会となり得る。
にもかかわらず再任するのは、不問に付す
とわざわざ宣言するのに 等しい。
麻生氏は閣僚としての資質を疑わせる
失言も繰り返してきた。
財務次官のセクハラ問題では
「セクハラ罪という罪はない」と言って
かばった。
「G7(主要7カ国)の中で我々は唯一 の
有色人種」という事実誤認の発言 までして
いる。
「何百万人も殺しちゃったヒトラーは、
いくら動機が正しくてもダメなんだ」という
ナチス・ドイツのユダヤ人迫害を理解するか
のような昨年の失言は、 政権の国際的な信頼
を揺るがしかね ないものだった。
それでも首相は麻生氏を続投させる という。
「アベノミクスを二人三脚で進めてきた」と
語っており、この点を理由として説明 したい
ようだ。
だが、アベノミクスの中核は日銀による
金融緩和であり、デフレ脱却の物価目標も達成
できていない。
本当に余人をもって代え難いのかは 疑問で
ある。
麻生氏は森友問題で矢面に立たされても
首相を支える姿勢を崩さなかった。
首相と麻生氏が個人的な信頼関係で結ばれて
いることはわかる。
だからといって、納得のいく説明なしの
再任は内向きの人事だ。
自民党総裁選の党員票で石破茂 元幹事長が
45%を得たのは、森友問題を含む首相の
政権運営に 対する「批判票」と受け止めるべきだ。
だが、麻生氏は「どこが(石破氏の)善戦なんだ」
と意に介さない。
首相も同じ認識なのだろうか。
■朝日新聞DIGITAL 抜粋 (社説)麻生氏の続投
こんな土台でいいのか
https://www.asahi.com/articles/ DA3S13699019.html
?ref=nmail_20180928mo
2018年9月28日
財務省による文書改ざんの動機に ついて
「それが分かりゃ苦労せん」と うそぶき、
当時の理財局長で国会で うその答弁を重ねた
佐川宣寿氏を 「適材適所」とかばい続けた
麻生氏 の続投は、明らかにそれに逆行する。
内閣人事局の発足などで、官僚の 幹部人事を
一手に握る首相らに、権力の集中が進む。
だからこそ責任も重みが増している。
その自覚を首相が自ら示さなければ、政治の劣化
は拡大する一方だろう。
来年秋には消費税の10%への 引き上げがある。
財政再建の先送りも許されない。
いずれも財務相が司令塔となる課題で、野党の協力
や国民の幅広い理解を得る 努力が欠かせない。
その任に麻生氏がふさわしいとは 到底言えない。
【転載終了】
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大手商業紙としては、権力の監視役 と
しての面目躍如というところか。
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