大企業製造業の景気判断3期連続で悪化・・・
NHK NEWS WEB
【転載開始】
■日銀短観 大企業製造業の景気判断
3期連続で悪化 2018年10月1日
日銀が1日に発表した短観=
企業短期経済観測調査で、代表
的な指標とされる大企業の製造業
の景気判断は相次ぐ災害の影響を
背景に3期連続で悪化しました。
大企業の非製造業も8期2年
ぶりの悪化となりました。
日銀の短観は国内のおよそ
1万社を対象に3か月ごとに
景気の現状や見通しなどを聞く
調査で、今回は8月下旬から
先月末にかけて行われました。
それによりますと、景気が
「良い」 と答えた企業の割合から
「悪い」と答えた企業の割合を差し
引いた値 は、代表的な指標とされる
大企業の製造業でプラス19ポイント
と前回を2ポイント下回り、3期連続
で悪化しました。
3期連続の悪化は9年前の平成21年
3月の調査まで6期連続で悪化して以来
です。
西日本豪雨や台風21号、北海道の
地震など相次ぐ災害で物流や生産に
影響が及んだことや原材料価格の上昇
を背景に、「石油・石炭製品」や「鉄鋼」
など 多くの業種で判断が悪化しました。
大企業の非製造業も、災害に伴う
外国人観光客の減少などを背景に
「宿泊・飲食」などで景気判断が悪化し、
前回を2ポイント下回ってプラス
22ポイントと、8期2年ぶりに悪化
し ました。
一方、中小企業は、製造業が前回
から横ばいのプラス14ポイント、
非製造業が前回を2ポイント上回って
プラス10ポイントでした。
景気の先行きについては、大企業の
製造業がプラス19ポイント、非製造業が
プラス22ポイントと、ともに横ばいでした。
自動車などの業種からは、世界的な
貿易摩擦の行方によっては売り上げが減少
しかねないといった懸念が出ているという
ことで、自然災害と貿易摩擦の問題が企業
の心理を冷やしています。
■札幌 ドラッグストア 1日の売り上げ
去年の半分
先月の地震の影響で、北海道では先月
15日時点ですでに、94万2000人分の宿泊の
キャンセル が出て、飲食や土産物の購入費
などを含めると影響は292億円に上ると推計
されています。
札幌市の繁華街、ススキノに近い
「狸小路商店街」でも外国人観光客の利用
が多かった店では、一時、 売り上げが大きく
落ち込みました。
地元大手のドラッグストアチェーン の店舗
では、売り上げの95%以上を 外国人観光客の
買い物需要が占め ていました。
しかし、地震の発生から1週間は、観光客の
旅行のキャンセルが 相次いだ影響で、
1日当たりの売り上げが去年の同じ時期と
比べて 半分程度にまで落ち込んだという
ことです。
チェーンの運営会社によりますと、 地震
から1か月近くがたち、中国や台湾からの
観光客は戻りつつあるものの、ここ数年、
最も増加率が 高かった韓国からの観光客は
落ち 込んだままで、いまでも、店によって
は去年の同じ時期と比べて2割ほど 売り上げ
が減っているということです。
運営会社では今、道内のほかの会社にも
呼びかけ、SNSを使って 地震後も北海道観光
は安心して楽しめるといった情報発信を韓国語、
中国語、タイ語で始めています。
サツドラホールディングス広報・ CSR担当
マネジャーの安田稔さんは、 「地震の影響で、
一時的に売り上げ は落ち込んだが、影響を小さく
するためにも、北海道は元気だということを発信
して、よくない風評を払拭 (ふっしょく)したい」
と話していました。
北海道の経済が、これから回復の 足取りを確か
なものにできるかは、地震で減った外国人観光客
をどこ まで呼び戻せるかがカギとなりそう です。
■大阪 たこ焼き店
「徐々に客足は戻ってきている」
大阪入国管理局関西空港支局によりますと、
関西空港から入国した外国人の数は、台風21号
の前は、1日当たり2万人を超えていました。
台風被害による関西空港の閉鎖で、入国者が
ほぼゼロの日も続きまし たが、ターミナルが
全面復旧した 先月21日以降は再び2万人を超え
ています。
外国人観光客でにぎわう大阪・ 道頓堀の
ラーメン店は、 先月の台風21号の後、外国人の
客が半分程度に減り、出勤する店員の数を減ら
して経費 を抑えているということです。
店員の男性は 「影響が長引いたので、店員を
減ら して対応している。
関西空港が復旧 したあとも客足が戻ってきた
実感は ない」と話していました。
また、アジア系の外国人が多く訪れ ていたと
いうたこ焼き店は、売り上げ が一時、半分以下に
落ち込みました。
今も完全には回復していないということで、1日
から始まった中国の 大型連休で、客が増えること
を期待 しています。
店員の男性は 「人通りも減って町がさみしく
なってしまった。徐々に客足は戻ってきて いるが、
早く元に戻って多くの人にたこ焼きを食べてほしい」
と話して いました。
■専門家
「情報発信を進め災害への不安を取り除け」
相次ぐ災害に伴う外国人観光客の 減少が景気
判断の悪化につながった ことについて、ニッセイ
基礎研究所の 矢嶋康次チーフエコノミストは、
「自然災害が起こればそのつどイン バウンド需要
が減少するかもしれない が、長い目で見れば
アジアや欧米から の日本の人気は依然として高い。
適切 な情報発信を進めて災害への不安を取り除ける
かどうかにかかっている」 と話しています。
また、世界的な貿易摩擦が日本企業 に与える
影響については
「今の時点では企業の心理的な警戒感 があらわれた
と見ているが、貿易摩擦 が本格化すれば、設備投資
を行う場所 や販売戦略の見直しなど、大きな決断
を求められることになり、経営への影響 は大きい」
として注視する必要があると 指摘しています。
【転載終了】
**************************
日銀は、株価操作や短観で、
「景気は緩やかに回復傾向」と言い続け
てきましたが、もはや誤魔化しがきかない
状況なのでしょう。
0コメント