日立製作所、「東芝」化の危険・・・
BUSINESS Journal
【転載開始】
■日立製作所、「東芝」化の危険…
「撤退できない」英国原発事業で
巨額損失リスク浮上
日本経済団体連合会(経団連)・
第14代会長に就任した中西宏明
日立製作所会長は、
「国だけで国際関係をつくれる時代
ではない」として、
「これまでとは次元の異なる民間
外交を通じ、国際社会での発信力・
発言力を高めたい」と抱負を語った。
中西氏は日立の社業で月に2、3回
は海外に出張する。
これに経団連会長としての海外出張
が加わる。
9月からは経済財政諮問会議の民間議員
の仕事も始まった。
社業と経団連会長の仕事の双方 大車輪
だ。
中西氏は5月3日、英国での原子力
発電所事業をめぐり、ロンドンの
英首相官邸でメイ首相と会談した。
中西氏は、英政府に直接出資などの
支援強化を要請し、両者は協議を
加速させることで一致した。
日立は英原発子会社、 ホライズン・
ニュークリア・パワーを 通じ、英中西部
アングルシー島で2基の原発の新設計画
を進めて いる。
日立は事業リスクを軽減するため、
着工を最終判断する2019年までに、
ホライズン社を連結対象外とする 方針だ。
そのためには英政府や地元企業の
ホライズン社への出資比率をどこまで高め
られるかが焦点となる。
協議が難航した場合、日立は事業から撤退
する可能性を残している。
日立と英政府は6月4日、原発新設に関し、
本格的な交渉に入ることで合意した。
3兆円規模の事業費のうち、2兆円程度を
英国側が融資する方針。
残る約1兆円を日立、英政府と現地 企業、
日本の政府系金融機関や 電力会社が3等分
して負担する方向 だ。
これに先立ち5月28日、 日立は臨時取締役会
を開いた。
<「本当に採算を確保できるのか」
「有事の賠償責任は誰がどうやって
負うのか」。何人かの取締役がネガ ティブ
発言を繰り返した。
決を採れば賛成多数になるか分らない
空気さえある。 それでも事業費3兆円超の
うち2兆円の融資を全額負担するなど支援
を厚くした英政府の姿勢を評価して、当面の
交渉を執行部に一任した。 「中西さんの気迫
が違った」と日立 幹部は振り返る>
(6月13日付日本経済新聞)
こうして、日立は英政府と6月4日、事業推進
に向けた覚書を交わした。
■3社企業連合が解散
日立は8月22日、原発建設 プロジェクトの
体制を見直し、日米の エンジニアリング大手、
日揮、 米ベクテルと日立でつくった企業連合
「メンター・ニューウィッド」を解散した と
発表した。
日立は12年、ホライズン社をドイツ 企業
から850億円で買収して完全子会社にした。
この買収を決めたのが、当時社長だった
中西氏である。
発電所全体の工事を手掛けた経験がない
日立は16年、日揮、ベクテルと 3社連合を
立ち上げた。
原発の設計や建設業務の“統括者”にベクテル
を選定。
日立や日揮は原発の設備や建設工事を担う
ことになっていた。
ところが、ベクテルは中核的立場から外れ、
日立の原発子会社、ホライズン社が前面に出る。
日立と日揮はホライズン社から直接受注する
かたちになる。
ベクテルは建設コストを計算したり、工程を管理
する“監督役”として残る という。
日立は資金を支援する英国政府から強く
コスト削減を求められており、 ホライズン社
が原子炉やタービンなどの 設備工事を直接発注
すればコスト削減 につながると、日立は説明
している。
だが、「ベクテルが高騰する建設費を懸念
して工事の主体になることを避けた」と見る
向きが多い。
日程が遅れるなどして建設費が想定より
膨らんだ場合の損失は誰が負担 するのか。
3社体制を見直した結果、リスクは ホライズン
社が一手にかぶることになる。
だが、実態は「ホライズン社=日立」で ある。
日立はホライズン社への出資を金融機関など
に呼びかけており、自社の 出資比率を100%から
50%未満に引き下げて連結決算の対象から切り
離すことを、着工の条件としている。
ベクテルが降りたため、ホライズン社の損失
リスクが高まったとの見方が 台頭している。
ホライズン社の出資金集めが難航 すれば、
事業の継続さえ危うくなる。
日立は7月30日、英国での原発計画 をめぐり、
現時点で中止すれば最大約2700億円の損失が
生じるとの見通し を明らかにした。
中止の決定が遅くなれば、損失はさらに膨らむ
ことになる。
「傷を深くしないために、即刻、英国原発から
撤退すべきだ。へたをすれば 東芝の二の舞いに
なる」と懸念する声 が経済・産業界から上がる。
撤退は中西会長の決断にかかっている。
しかし、ビジネスライクで割り切れない事情が
あるのは間違いない。
安倍晋三政権は、退潮に拍車がかかる原発の
輸出を、成長戦略の柱に据えて いる。
その一環として資金難に悩む英原発事業に、
官民で1兆円超を投資するプランを打ち出し
た。
日立は安倍政権と二人三脚で原発ビジネスに
推進するという構図が、すでに出来上がっている
と指摘する向き もある。
外資系証券会社のアナリストは、こう懸念 する。
「日本政府の英国原発への大盤振る 舞いが、
日立に撤退のタイミングを失わ せるかもしれない」
中西氏の立場は微妙だ。
経団連会長となったことで一層、ビジネスライク
に割り切ることができなく なった。
英国政府、日本政府の両方の立場を考慮しなければ
ならないからだ。
中西氏は英国原発プロジェクトからの 撤退を決断
できるのか。
撤退できなければ、日立は“東芝化”の道を歩む可能性
が高い。 (文=編集部)
【転載終了】
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東芝、三菱、も原発関係の海外投資 で
失敗しています。
安倍政権が原発政策を進めていることが
原因なのでしょう。
世界は脱原発に動いているのに、大きな
事故を起こした日本はいまだに原発を推進
しています。
しかも、リスク費用は日本持ちの可能性が
あります。
なぜこんなに、自民党は世界観から
ずれているのでしょうか?
この党は、利権だけで政治をやって います。
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