「リーマン再来よりも史上初の 大失業時代が深刻」・・・
連載「ここだけの話」
【転載開始】
■ぐっちー「リーマン再来よりも史上初の
大失業時代が深刻」
経済専門家のぐっちーさんが「AERA」
で連載する「ここだけの話」をお届けします。
モルガン・スタンレーなどを経て、
現在は投資会社でM&Aなどを手がける
ぐっちーさんが、 日々の経済ニュースを
鋭く分析 します。
* * *
これまで、今の米国経済(ひいては
世界経済)が置かれている状況は2008年
とは全く違うので、当時の再現を議論
するのはナンセンスだ、というお話を
しました。
主に金融構造の違いを指摘したわけです
が、わたくしは経済評論家である一方で
米国での経営者でもあるので、その視点
からも一つお話をしておきたいと思い
ます。
この前のAIの話を併せて読んで頂くと
ちょうどいいかもしれません。
例えばアメリカ企業のこの10年での
時価総額トップ5はどのように変わった
と思われますか?
リーマン・ショック前の株価がほぼ
ピークだった06年のランキングは
(1)エクソンモービル=5400億ドル、
(2)GE=4630億ドル、
(3)マイクロソフト=3550億ドル、
(4)シティグループ=3300億ドル、
(5)バンク・オブ・アメリカ=2900億ドル
でした。
17年は
(1)アップル=7940億ドル、
(2)アルファベット(グーグル)=5930億ドル、
(3)マイクロソフト=5060億ドル、
(4)アマゾン=4290億ドル、
(5)フェイスブック=4140億ドルです。
いかがですか?
ほぼ総入れ替え!
かろうじてマイクロソフトが踏ん張った
のみ。
もうこれは米国の経済構造そのものが
10年前とは別物、と言うしかありません
ね。
ちなみに日本のトップ5はほとんど変わって
いません。
顕著なのはウォール街の企業が消えて
しまったこと。
一方でアップルとアマゾンの時価総額は
今年既に1兆ドルを超えました。
いわゆる「FANG銘柄」が上位を独占する
中で、「再び金融危機が……」という考え
は、もう時代に取り残されていると言って
いいと思います。
全く違う世界が来たのです。
いつも書くように、これは米国社会が
ダイレクトに変化しているということでも
あります。
IT大手が生み出すツールにより大量の
失業者が発生しようとしています。
就業者数が変わらなくて実際の収入は
激減する可能性があります。
まだ目立ちませんが、雇用統計が好調な
一方で、賃金上昇が鈍いのは間違いなく
これが原因です。
例えばアマゾンの無人店舗はまだ実験
段階ですが、もしすべてのレジが無人化
されればレジ係として雇われている340万人
(全米の労働者の2.6%相当)の雇用が
失われます。
AIが多くの仕事をこなすようになれば、
あなたが優秀な人材なら世界中の企業
が奪い合って賃金がうなぎのぼり。
もし「十人並み」ならば世界中の人と職
を 奪い合わざるを得ず、賃金は下がり続け
るはずです。
リーマン・ショックは再来しません。
来るとすれば史上初の大失業時代で、
それは予想よりはるかに早く、深刻で
しょう。
08年なんて大した危機じゃなかったな…
と振り返らなくてよいことを祈ります。
※AERA 2018年10月8日号
【転載終了】
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日本は、銀行のAI化や量販店、デパート
のレジがロボットレジに代わったら、大量の
失業者が出ますね。
年金支給年齢を段階的に引き上げた場合、
大量失業時代で高齢者がどう職につくので
しょうか?
やはり、日本政府(官庁)は逆流の施策を
行っているとしか思えません。
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