南シナ海で米と合同演習日本は中国と戦う覚悟があるのか・・・

 日刊ゲンダイDIGITAL 


 【転載開始】


 特別寄稿 

 南シナ海で米と合同演習 

 日本は中国と戦う覚悟があるのか

 公開日:2018/10/08 


 ■「南シナ海は重要な海域」は米国の宣伝 


 海上自衛隊は9月、

ヘリコプター空母 「かが」

(満載時2万6000㌧)、 

潜水艦「くろしお」(潜航時3600㌧)、

護衛艦「いなづま」(満載時6300㌧)、 

同「すずつき」(同5000㌧)を南シナ海に

派遣、横須賀を母港とする米空母 

「ドナルド・レーガン」(同10万6000㌧)

を中心とする米艦隊と対潜水艦訓練を 行った。


  中国が南シナ海の支配を固めようとし、

米海軍がそれに対抗するさなか、海上自衛隊

が約4000㌔も南進し、中国潜水艦を探知、

撃破する日米共同演習を行って戦力を誇示した

のは「専守防衛」の趣旨に合致しない軽率な

行動では、と思わざるを得ない。


  「南シナ海は石油輸入ルートとして、 日本

にとり死活的に重要な海域」と 言われる。 

だが、それは米国、とくに米海軍が海上自衛隊

を有能な助手として南シナ海に引き込むための

宣伝だ。 

中東から日本に向かうタンカーは必ずしも南シナ海

通る必要はない。 

インドネシアのバリ島の東、ロンボク 海峡を抜け、

フィリピンの東方を北上すれば原油輸入に差し支え

はない。


  今回のマラッカ海峡を抜け、南シナ海を通る航路

よりも約1700㌔航程 が伸び、大型タンカーの

経済速力 15ノットで3日弱かかる。 

政府は2014年6月3日、浜田和幸参議院議員の

質問主意書に対し 

「ロンボク海峡回りでは燃料費、傭船費を1日

1000万円と仮定し、 約3000万円の費用増

となる」と回答 している。 

これは片道の話で、往復だと6000 万円になるが、

標準型の大型タンカー は30万キロリットル、すな

わち3億 リットルを積むから、リットル当り20銭 

増にぎない。 

ガソリンがリットル約150円だから微々たる額だ。  


■米国の言う「航海の自由」は

  「偵察活動の自由」


  タンカーは日本とペルシャ湾を45日 で往復するが、

これが51日になり、13%伸びれば必要な隻数が増え、 

需要と供給の関係で傭船料が高騰することも考えら

れる。 

一方、海運界では「もし米中紛争になれば、世界最大

の 石油輸入国である中国の石油輸入は 激減し、船腹

が余って傭船料は暴落 する」と恐れる声もある。


  マラッカ海峡の南端、シンガポール 海峡は狭く、

世界一の難所だ。 

航路を示すブイの間は1350メートル。 

水深は23メートルだ。 

大型タンカーはそこを通れるよう設計されているが、

船底と海底の隙間は 1・5メートル。 

少し操船を誤ると座礁、衝突の危険がある。 

昨年8月には米駆逐艦「J・S・マッケーン」 が

タンカーと衝突、乗員10名が死亡した。 

ロンボク海峡は幅が20㌔、水深250メートル で

安全だから、旧運輸省海運局は1970年 代から

そこを通るように勧めた。 

だが船会社は、他社、他国との競争上、少しでも

早く、安い方を通らせがちだ。 

マラッカ海峡を通る船は中国、東南アジア の経済

発展で急増し昨年は9万4000隻、20年には14万

隻余と見込まれ、路地にタンクローリーが殺到する

形だ。 

大事故で通航不能の事態も起こりかね ない。


  日本全体で考えても、中東からの原油 輸入は

2016年で1億6800万キロリットルだから、

海上運賃がキロリットル当り200円 上って年に

336億円、日本の石油輸入額 6兆6000億円

の0・5%だ。

 昨年訪日した中国人観光客735万人は

1兆7000億円を日本で消費し、 1人平均28万円

だから、ロンボク回りの コスト増は中国人観光客

12万人(1・6%)減と同等だ。


  南シナ海での米、中の対立は中国が 海南島の三亜

潜水艦基地を造ったこと に端を発する。 

南シナ海を弾道ミサイル原潜の待機水域 にしようと

する中国の動きに対し、米海軍は潜水艦、哨戒機で

中国潜水艦を追尾して識別用の「音紋」を取ったり、

海中の水温の変化や海底地形など対潜 作戦に必要な

データを海洋調査船で収集 に努める。 

中国側はそれを妨害しようとして異常接近や針路妨害

起きてきた。 

公海上で調査活動や演習をするのは自由 で、人工島は

領海を持たないから、その近くを米軍艦が通るのも

合法だ。 

だが逆にもし日本の横須賀や佐世保の領海外で中国軍艦

や航空機が日常的に 情報収集を行えば、日本もなんとか

妨害 を試みるのでは、と思える。


  米国は「航海の自由」を掲げるが、世界最大の貿易国、

造船、漁業も第1位の中国 にとって航海の自由はまさに

「核心的国益」 だ。 

だから中国が他国の商船の通航を妨げた例はない。 

米国の言う「航海の自由」は実態としては

「偵察活動の自由」に等しい。


  中国と戦う覚悟もないのに米国に付和雷同して随行し、

刀の柄に手をかけて見せるのは、米中双方と

「戦略的互恵関係」を保つことが国益上重要である日本

にとり得策とは思えない。 

南シナ海での米中の角逐は静観するのが賢明 だろう。 


 【転載終了】 

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  米国が単独でやるのと、日本が参加して の合同演習

では中国の捉え方が違います。


  タイトルにもありますが、日本は中国との戦争を想定

しての演習と捉えられても仕方がないと思います。


  確かに軽率な行動だと思います。


  ましてや、中国が毛嫌いしている安倍政権 なので、

どんな言いがかりをつけられるか。


  米国は中国と戦争する気などないので、 

日本だけが矢面に立たされる可能性さえ・・・ 


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