合計三歩も後退したところから出発する改憲論議・・・
永田町の裏を読む
【転載開始】
■合計三歩も後退したところから出発する
改憲論議の前途多難
公開日:2018/10/11
「読売新聞」10月5日付の1面トップは
「改憲案、自民単独で提示/臨時国会/ 与党
協議見送りへ」の大見出しだった。
一般の読者がこれを見れば、
「おっ、安倍さんもいろいろ難題を抱えて大変
だが、改憲に関しては頑張って突き進むつもり
らしいな」と思うかもしれない。
しかし、それは誤解である。
憲法族の野党議員が次のように解説する。
「安倍は本当は、事前に公明党と調整し、与党
としての改憲原案を衆参両院の憲法 審査会に提出
したかった。それでないと、とうてい来年の参院
選前(すなわち改憲派 が3分の2議席を失う前)
に国民投票を 発議することなどできない。ところ
が公明党 は、いま9条改正に手を染めたら学会
組織が崩壊するから応じない。そこで一歩後退
して“自民単独”になった。そのうえ自民が出すの
は、12年の野党時代に公表した党としての正式
な改憲草案ではなくて、安倍が昨年5月に個人的
に読売新聞などに発表 した4項目のメモみたいな
ものだから、内容面でも一歩後退になる。そうなる
と、憲法 審査会の審議に堪えうる草案として“提出”
することは諦めざるを得ず、代わりに、そのメモ
みたいなものを“提示”することになった。提示と
いうのはプリントを配布して説明するだけだから、
さらにもう一歩の後退――というのが読売の見出し
の意味です」と。
つまり、改憲を総裁3選後の最大テーマとする
安倍は、最初からすでに合計三歩も後退したところ
から出発せざるを得なくなっているというのである。
しかも、自民党のベテラン秘書に言わせると
「その4項目自体も怪しい」。
4項目とは、9条3項追加、緊急事態条項、
参院選合区解消、教育の充実と、
「改憲のやりやすそうな箇所」のつまみ食い候補
リストで、相互に何の脈絡もなく、 従って
「あるべき国の姿」を示しているわけでもない。
そんな4項目を、12年草案との整合性も定かならぬ
まま党の正式の案として議決せよと言われても、
総務会も困るだろう。
こういう安倍流の拙速で粗雑な改憲論議のやり方
に公然と反発した石破茂が、総裁選 で地方党員票の
45%を集めたのだから、全党打って一丸となって
「これで行くぞ!」と いう盛り上がりに達すること
はあり得ない。
それが不安なので、改憲推進本部長に 下村博文、
総務会長に加藤勝信を配置したのだが、安倍の言う
ことを聞くお友達で要所を押さえたからといって、
全党が言うことを 聞くとは限らない。
【転載終了】
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統一地方選挙は4月とのことですが、 万一、
大負けするようなことになったら、 「改憲」
どころか、参議院選挙前に安倍 おろしが始まる
でしょうね。
前回は政権ぶん投げでしたが、今回は 政権の
座から追われることになるかも?
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