日本は企業没落で経済不況・・・!?

 Business Journal 


 【転載開始】 鈴木貴博「経済を読む目玉」 


■米中貿易戦争、米中の巨大IT企業は  

 さらに繁栄する・・・ 

 日本は企業没落で経済不況 


  アメリカから日本に対して、鉄鋼と 

アルミニウム製品への輸入制限と 

追加関税を迫るという脅しが始まり、 

日本は関税率アップを避けるため 

の個別交渉を余儀なくされている。 

そして日本がその事前交渉を始め 

てみると、日本経済に一番打撃が 

大きい自動車に関税の矛先が向く 

かもしれないという情報が入って 

きて、さらに米国の動きに怯える 

状況に追い込まれている。


 問題は、トランプ米大統領が論理的 

かつ合理的な政策判断を下してくれ 

ない可能性があることだ。 

事の発端でもある中国との関税引き 

上げ合戦は、両国だけでなく世界貿易 

に大きなマイナスを生じさせる危険性 

が指摘されている。 

にもかかわらず、場合によっては泥沼 

の関税引き上げ合戦が行われ、 

世界の貿易が冷え込むというリスクが 

顕在化してきた。  


 場合によっては、リーマンショック級 

の経済危機が訪れるかもしれない。 

世界経済にマイナスであるにもかか 

わらず、なぜトランプ大統領は保護 

主義ゲームに力を入れているのかと 

いぶかしがる知識人は少なくない。  


 もし、これまでの資本主義経済を 

発展させてきた自由貿易の枠組み 

が崩れ、世界に保護主義が蔓延 したら、

いったいどのような結果が 生じること

になるのか。 

アメリカ、中国、そして日本といった 

先進国の経済成長には、保護主義は

マイナスになるというのが一般常識だ。 

だから、少なくとも日本の大企業に 

とっては、このトランプの政策の 

直接的な影響は大きなマイナスである。 


 ■アメリカも保護主義で経済発展 


 しかし、見方を変えると、この保護 

主義の台頭はアメリカのグローバル 

企業の目でみるとマイナスではない 

かもしれない。 

それは、このような考え方からである。 


 21世紀の初期、保護主義によって 

急速に経済成長を遂げたのが中国 

である。 

当時の中国政府は極端な保護主義 

政策をとっていて、工業製品への関税 

は平均で30%を超えていた。 

当然のことながら非関税障壁も大きく、 

中国国内で工業製品を生産する海外 

企業に対しても資本規制や知的財産 

の侵害など、さまざまな障壁が築かれ 

ていた。  


 そして重要なことは、それらの保護 

主義政策があったからこそ中国は 

経済大国に発展することができたことだ。  


 実はアメリカも同じである。 

アメリカが大国へと発展した19世紀末 

から20世紀初期にかけて、当時の 

アメリカは現代の中国よりもはるかに 

保護主義政策をとり続けた新興国家 だった。 

旧宗主国のイギリスをはじめ、 

ヨーロッパの列強各国に対して、

強力な保護主義政策を取り続けること 

で国内産業を保護していたのだが、 

その結果、第一次世界大戦を経て 

アメリカは世界最大の経済大国へと 

成長することができた。 


  自由貿易は先進国にとっては有利な 

制度なのだが、発展途上国と新興国に 

とってはこれほど不利な経済ルールは 

ないのだ。 


 その観点で捉えてみると、もしこれから先、

アメリカ、中国を中心に世界全体で 

自由貿易が後退したとしたら何が起きる 

だろう。 

WTO(世界貿易機関)の枠組みに従うの 

ではなく二国間協定や各国の政策が優先

することを是認する動きが大国主導で行われ、

それを世界中の国々が模倣 していったと

すると何が起きるのか? 


  起きることは、先進国経済の後退と、

途上国・新興国経済の発展である。 

では、それが何をもたらすのだろうか。 


 ■日本の中流層の没落 


 21世紀に入って、日本だけでなくアメリカ 

でも中流層が没落し、以前のような生活 水準が

保てなくなる世帯が増えていった。 

そのため、例えば日本国内でいえば、 自動車を

買わない若者が激増した。 

若者は百貨店ではなくユニクロやジーユーで服

を買い、スーパーよりも百円ショップでの買い

物を好む。 

既存の小売店は没落に恐怖するようになってきた。


  アメリカでもラストベルトといわれる 

トランプ支持者が多い中部、南部の地域では

多くの家庭の生活水準が下がってしまった。 

アマゾンショックで小売業はバタバタと倒産

を続けている。 

中流層の減少は先進国経済にはマイナス だ。  


 にもかかわらず、世界全体でみると中流層

の絶対数はこの時期、2倍に増えた。 

日本やアメリカの中流層は収入を下げたにも

かかわらず、世界の中流世帯数 

(年収3万5000ドル以上の世帯)は2億だった

ものが4億世帯へと倍増したのだ。  


 トランプ大統領の保護主義は、その状態 

をさらに極端な方向に推し進めることに 

なると考えられる。 

中国も含め、豊かな国の国民は保護主義 

合戦の蔓延で貿易量が減少し、消費者物価

の値上がりと経済後退で「ひどい不況」を

経験することになるだろう。 

しかし、その一方で、その期間が長ければ 

長いほど、新興国や途上国の経済は発展し、 

世界中の中流層、そしてその下の新下流層 

(年収1万5000ドル以上の世帯)はその数を 

拡大させていくだろう。  


 行き着く先は世界経済の拡大である。 

そしてそれを一番喜ぶのは、グーグル、 

アップル、アマゾン、フェイスブックと

いった アメリカのIT企業であり、

コカコーラやP&G といったアメリカの

多国籍企業であり、 同様にアジア・

アフリカ地域に強い中国の IT企業である。  


 「世界中のどこかの国で利益を増やす 

ことができるのであれば、自国での売上 

が減ってもなんてことはない」という 

グローバル企業にとってみれば、保護主義 

の台頭は経済危機ではなく、むしろ大きな 

経済チャンスがやってくることを意味する。  


 つまり今回の保護主義のもたらすものは、 

日本国内の企業の没落と、それに反比例 

る形でのアメリカ・中国のグローバル企業 

のさらなる発展という皮肉な未来を予感させ 

るのである。 

(文=鈴木貴博/百年コンサルティング  

 代表取締役) 

 

【転載終了】 

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  日本経済には悪い傾向の記事ばかりが多いですね。

 

LC=相棒's のじじ~放談!

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