ゴーン逮捕で仏マクロンの謀略を潰した日本政府!
田中栄の国際ニュース解説
【転載開始】
■ゴーン逮捕で仏マクロンの謀略を潰した日本政府
日産・三菱・ルノーの会長を兼務
するカルロス・ゴーンの11月19日
の逮捕は、フランスのマクロン大統領
の謀略を阻止するための、経産省が
主導する日本政府による対抗策である。
仏政府はルノーの最大株主であり、
マクロンは2015年に経済大臣
だった時から、大株主であること
を利用して、ゴーンと喧嘩しつつ
ルノーに経営介入して政治家と
しての人気取りに使ってきた。
昨年、仏大統領になったマクロンは、
これまで提携関係にあった3社を
ルノー主導で合併して
「世界最大の自動車会社」に仕立て
るとともに、日本側2社のおいしい
ところをフランス側に吸い上げ、
フランスの雇用拡大や経済成長に
つなげたかった。
フランスは、ドイツと並ぶEUの
主導役だが、自動車産業が隆々
としているドイツが経済力において
フランスよりかなり優勢で、
EUの盟主はドイツであり、
フランスは脇役に甘んじてきた。
それを変えたい野心家のマクロンは、
今年2月、ゴーンがルノーの会長の
任期を更新できるかどうかという時に、
ルノーの最大株主としてゴーンに、
日産三菱との株式の持ち合い関係を、
ルノーが日産三菱を併呑する形に
進ませること
(それとゴーンの報酬 の3割削減)を
条件に、ゴーンのルノー会長続投を
了承した。
ゴーンはそれまで、日産三菱の社員
のやる気が低下するのでルノーによる
併呑に消極的だった(と報じられてきた)
が、今年2月以降、日産三菱を併合する
方向に進み出した。
(仏政府は、ルノーの15%の株主
でしかないが、マクロン自身が経済相の
時に作った法律により、ルノーでの
発言権は30%ある。
経済相時代のマクロンは、仏政府が持つ
ルノーの株を買い増して経営介入しよう
と してゴーンと喧嘩になった。
マクロンはゴーンを潰そうとしたのでなく、
自分の言いなり にしようとしてきた。
日本政府がマクロンに頼まれて
ゴーンを逮捕したという説は 間違いだ。
マクロンは、ゴーン逮捕を事前に知ら
なかった。
日本政府は、マクロンがゴーンを使って
日本企業を食い物にしようとしたので阻止
した。
日産と三菱はゴーンを非難しつつ会長職
から外すが、仏政府はゴーンをルノー会長
から外させないし、
「ゴーンを逮捕した日本の当局 が正しい
かどうか、証拠を見ていないのでわから
ない」と、ゴーンを擁護し続けている)
フランスのルノーが日産三菱を併合して
「(ドイツ勢より大きな)世界最大の
自動車会社」になれば、経済面でフランス
がドイツに 負けていないことを見せつけ
られる。
支持率が落ちてきた マクロンの人気も
挽回しうる。
フランス人は「怠慢」なので、ルノーの
一人あたりの生産性は日産の半分しかない。
しかし、フランスはゴーンを派遣して潰れ
かけていた日産 や三菱を救ってやったの
だから、 フランスが日産や三菱を食って
もいいだろう、というわけだ。
ゴーンが逮捕されなければ、来年春ぐらい
(数カ月内と 報じられている)に日産と
三菱 がルノーに食われて 「フランスの会社」
になっていた。
日産と三菱の側では、ルノーに併呑される
ことに抵抗 があったはずだ。
今回のゴーン逮捕は、日産の西川社長ら
ルノー系 以外の幹部たちが、ルノーに食わ
れるのを阻止 するため、ゴーンの「腐敗」
を 検察にたれ込んで事件化したことに
なっている。
だが、日産が検察に頼んでやってもらった
事件であるなら、検察が金融商品取引法違反
だとか、司法取引だとか、異例の手口で
ゴーンを潰していることに説明がつかない。
今回の件は、横領的なものでなく、有価証券
報告書への記載を「間違えた」だけの
「微罪」と考えることもできる からだ。
日本政府がおフランスとの友好関係を
優先したら、 日産のタレ込みは無視された
はずだ。
これは、日産という民間企業でなく、もっと
上の、安倍首相自身を含む日本政府・
官僚機構 の上層部が、日本国がフランス
と対立してもゴーンを逮捕してマクロンの
併呑謀略を阻止し、日産と三菱を日本企業
のまま にする防衛策をやろうと決め
ない限り、天下のゴーン様を微罪でいき
なり逮捕するなど という、ぶっ飛んだ事件
にならない。
今年3月に書かれた日本語の記事(悠木亮平著)
の末尾には、 ルノーと日産の経営統合を
「どんな手を使ってでも阻止する」と経産省
幹部が息巻いていた、と書いてある。
ゴーンは経産省と仲が悪かったが、
西川は経産省と仲が良かったとFTが書いている。
【転載終了】
*************************
日産・三菱併合が阻止され、国の後ろ盾を
得た日産は、株の買戻し などで、ルノーとの
関係を切っていく可能性が大きいのかもしれま
せんね?
ルノーは、マクロンの野心により、
世界2位の座も失うことになりかね ませんね。
マクロンの失脚にもつながるかも。
0コメント