介護現場を変える「見守りシステム」とは?

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 【転載開始】 


 ■北九州の産学官が連携 

 介護現場を変える「見守りシステム」とは? 


 九州では福岡市に次ぐ人口を誇る 

北九州市。 

ものづくりのまちとして発展してきた 

同市に今、再び若い力と新しい技術 

によって繁栄を取り戻そうとしている。 


 *  *  * 


 北九州の産学官の連携による 

取り組みのなかで、特に注目 

されているのがセキュアサイクルだ。 

代表の服部祐一(31)は九州工業 

大学卒。 

大学ではAIを用いた行動認識技術 

を研究したエンジニアであり、 

システム開発におけるセキュリティー 

対策をおこなう目的で17年6月に 

起業した。 

セキュリティー対策事業のほか、 

シニアの見守りシステムなどの開発 

を進める。


 開発のきっかけは文部科学省が 

地域科学技術振興施策として公募 

した「平成28年度地域イノベーション 

・エコシステム形成プログラム」に、 

九州工業大学准教授の井上創造に

よって研究されているAIを用いた 

行動認識技術が選ばれたことにある。 

この技術を事業展開するプロジェクト 

に、服部の恩師でもある井上から声

かかり、服部は介護施設などで入所者

を見守る介護アプリの開発と事業化を

目指している。  


 行動認識技術とは、センサーなどから

得られた情報をもとに、人間の行動を

認識し学習する技術だ。  


「介護現場ではまだ介護記録を手書き

に頼っている状況です。 効率が悪く、

働く人にとって負担が大きい。行動認識

技術を応用してより簡単に記録ができる

ようになれば、業務時間の短縮や人件費

の削減などが期待できる と考えている」

(服部)  


 地域イノベーション・エコシステム 

形成プログラムとは、産学官がひとつ

のプロジェクトチームを作り、5年間

かけて地域を活性化させるための事業

をプロデュースするというものだ。 

服部が担当する行動認識技術による

介護アプリ事業については、 

九州工業大学の特任教授である 

相馬功(52)がプロデュースチーム 

の事業プロデューサーを務めるほか、

前出のクアンドの下岡も 

副プロデューサーとして名を連ねる。 

 「食事や検温など定型的な行動 

の多い介護や看護現場で行動認識

の技術を応用することで、少子高齢化

や人材不足の問題を改善する事業が

創出できる」と相馬は話す。 

すでに九州工業大学と民間の介護事業者

が連携し、介護施設での実証実験も実施 

されるなど、事業化に向けた動きは着実

に進んでいる。  


 「実証実験は大学側によるもので、 

実用面での課題もまだ多い。実験結果

を踏まえた上で、事業化できる技術と

して我が社がブラッシュアップ して

いきたい。来年度をめどにまずはテスト

版を完成できれば」と意気 込む。 


 服部は30歳の節目で自分の会社を 

立ち上げたいという思いを持って、 

大学卒業後はベンチャー企業に入社。 

エンジニアとしてwebサービスの開発

やセキュリティーを担当した。 

その後情報セキュリティーの専門会社 

立ち上げにCTOとして携わった。 


  起業当初は博多にあるコワーキング 

スペースが拠点だったが、 

地域イノベーション・エコシステム形成 

プログラムへの参加をきっかけに、 

今年6月から地元でもある北九州市 

若松区の北九州学術研究都市に移った。 

自身も、現在は母校である九州工業大学

の大学院に戻り、博士号の取得を目指して

経営と研究の二足のわらじを履く。 

現在、学生アルバイトを含めて10人の 

スタッフを抱え、早くもオフィスが手狭 

になってきたという。 


 「研究拠点である大学と事業展開できる

企業が近く、互いに密接に関わり合っている

という立地は将来性が高く可能性を秘めて

いると感じる。 

九州工業大学の学生がアルバイトとして

参加してくれ、実力のあるエンジニアも獲得

できている。

そういう意味でも、 北九州に拠点を移した

ことのメリットは 大きい」と服部は話す。 

(文中敬称略)(ライター・渕上文恵) 

 ※AERA 2018年12月3日号より抜粋 


 【転載終了】 

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 >「介護現場ではまだ介護記録 

を手書きに頼っている状況です。 

効率が悪く、働く人にとって負担 

が大きい。行動認識技術を応用 

してより簡単に記録ができるよう 

になれば、業務時間の短縮や 

件費の削減などが期待できる 

と考えている」(服部)  


 効率化が進めば働く現場も

 楽になりますし、家庭での介護 

も楽になりそうですね。

 

LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

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