大企業とマスメディアはなぜ「消費税率アップ」に反対しない?

 Business Journal 


 【転載開始】

 ■大企業とマスメディアはなぜ 

 「消費税率アップ」に反対しない? 


 2014年4月に消費税率は5%から 

8%に引き上げられました。 

15年10月にはさらに10%へ引き上げ 

予定でしたが、17年4月へと延期し、 

さらに昨年には19年10月まで2年半 

延期すると安倍晋三首相は表明しま した。


 世界経済の不透明感が増している 

ことなどが理由でしたが、 

いまだにデフレから脱却できない 

アベノミクスの大失敗が、景気の腰折れ 

で決定的になることを避けたかったから 

にほかならないでしょう。 

なにしろ消費税率アップは、 

小売業をはじめ一般消費者への影響は 

甚大だからです。  


 政府・財務省は、将来の社会保障の 

財源を確保するうえで、所得税や法人税

の増税は適切ではなく、負担の公平性

からも消費税率を引き上げることこそが

ベストと強調してきました。 

そして、財界や大手マスコミも消費税 

増税はやむなしのポーズを決め込んで 

きました。 


 輸出大企業中心の財界にとっては、 

消費増税は大きなメリットがあるから 

当然でしょう。 

つまり、非常に不公平なカラクリに 

よって、莫大な権益を享受している 

のが輸出大企業だからです。 


 また、大手マスコミも消費増税で 

うかつに政府に楯突くことはできません。 

これまで政府から戦後に国有地を格安 

で払い下げてもらい、テレビ局放送免許

を独占的に付与され、激安の電波料で

儲けさせてもらっているからです。  


 さらに経費で飲み食いしても 

「取材上の交際費は非課税」と処理して 

いるので、下手に消費増税に反対して 

業界の談合体質を突つかれたり、財務省

から経費水増しの常習ぶりを税務調査で

暴かれると大変だからです。 

過去にもマスコミの申告漏れや所得隠し 

の脱税は多数あったので、再び追及され 

ることは避けたいところでしょう。  


 財界と大手マスコミは、もともと広告

宣伝 関係でがっちりつながっています。 

特権階級同士は、「阿吽の呼吸」で政府と 

一枚岩になるゆえんなのです。 


 ■輸出が主力の大企業は消費税を 

 払っていない?  


 これまで日本では、 

「欧米と比べ消費税率が低いから上げる」 

という論理が支配的でした。 

しかし、欧米では食料品など生活必需品 

が非課税になるなど、所得の低い人には 

負担のしわ寄せがいかないような工夫が 

あります。 


 日本では、何から何まで一網打尽に 

消費税を徴収しますから、現行の8%でも 

生活者の実質的負担は欧米以上に高い 

のです。 

逆進性が高く、所得再分配機能も働か 

ない租税立法上の「応能負担原則」にも 

反します。 

所得が低く貧しい人ほど、日常生活は 

苦しくなるわけです。 


 しかも、輸出で稼ぐ大企業には輸出 

還付金制度という特典があります。 

これは、海外販売分では消費税が発生 

しないことを理由に、仕入れの際に 

支払った消費税分を「輸出戻し税」

いうかたちで還付される制度です。 

これにより、部品材の仕入れの際に 

子会社や下請けに「買い叩き」をしても、

 国から還付金を得ることができます。  


 消費税が5%だった時にも、例年3兆円 

強が大企業に還付されたため、消費税収

の毎年10兆円が国庫に入る時には、

7兆円弱になっていました。 


 一方、下請けの中小企業は大企業向け 

では納品価格に消費税分を載せられず 

カットされるため、納品価格の内税分の 

消費税を払うことになります。 

消費税は赤字でも払わなければならない 

ため、中小企業は青息吐息です。  


 消費税率5%だった2010年度の大企業 

の推定還付金は以下の通りです。  

・トヨタ自動車:2200億円強 

・ソニー:1100億強 

・日産:1000億円弱 

・東芝、キャノン、ホンダ:700億円台 

・パナソニック、マツダ:600億円台 

・三菱自動車工業:500億円台 

・新日鉄:300億円台  


 そして消費税率が8%の15年度には、 

トヨタが3633億円、日産が1546億円など 

で、消費税収19兆円のうち還付金額は 

6兆円に膨らんでいます。 

消費税収19兆円でも、国庫の実収は 

たったの13兆円なのです。 


 消費税率がアップするほど、輸出大企業

は払ってもいない消費税の還付で儲かります。 

まるで輸出奨励金なので、そのうち米国

トランプ政権も目をつけてくるでしょう。  


 そして大企業にとって税金でトクをする 

状況は、消費税だけに限った話ではあり 

ません。 

法人税もろくに払っていないのが実態なの 

です。 


 ■大企業の法人税実効税率は高くない  


 大企業もマスコミも 

「日本の法人税実効税率は高い」と唱え、

 安倍首相も16年度に30%を切る29.97% 

にして、2018年度には29.74%にすると 

していますが、大企業の多くはこの実効 

税率をまともに払っていません。 

なぜなら、企業にはさまざまな減税措置が 

あるからです。  


 国税庁が公表した13年度の 

「資本金階級別の法人税(国税)の状況」 

によれば、実質的な法人税率は以下の 

ようになっています。 

・全企業平均:15.66% 

・資本金1000万円以下の単体法人:13.6% 

・資本金1000万円超1億円以下の単体 

 法人:17.6% 

・資本金1億円超10億円以下の単体法人 

 :22.3% 

・資本金10億円超の単体法人及び連結 

 法人:14.6% (うち資本金100億円超の

 単体及び連結 法人:13.6%) 


  資本金100億円超の大企業と資本金 

1000万円以下の零細企業が、 

たったの13.6%という同じ税率なのです。 

これに地方税7.38%を加えても、 

法人税実効税率は20.98%にしかなり 

ません。  


 これは13年度の実績として国税庁が 

公表したものですが、実際には16年度 

から法人税の実効税率は表向き29.97% 

と、13年度(34.62%)と比べ4.6%も 

下がっていますから、16年度なら 

資本金10億円以上の大企業は、 

実質的な法人税負担率は10%さえも 

切っている可能性があります。 


 ■世界の中で日本の法人税実効税率は 

 低水準  


 世界の法人税実効税率は、 

表向きは以下のような順番になっていま 

すが、少なくとも日本の場合は、 

実際の税負担はさらに10%前後は低い 

と言えるのです。  


 米国38.91%、フランス34.43%、 

ベルギー33.99%、ドイツ30.18%、 

オーストラリア30%、メキシコ30%、 

日本29.97%、ポルトガル29.5%、 

イタリア27.81%、オランダ25%、 

韓国24.2%、アイスランド20%、

トルコ20%、イギリス19%、

チェコ19%、 ポーランド19%、

ラトビア15%、 アイルランド12・5%  

日本の29.97%から10%前後を差し引く 

と、実質的な負担率は法人税が低いと 

いわれるイギリス、チェコ、ポーランド

並み となります。 

消費税引き上げ分の負担を家計に 押し付け、

大企業には消費税に加えて法人税も大まけ

して、与党は大企業から政治献金の見返り

をもらうという構図なのです。 


 こうした大企業に与えられている法人税 

の軽減特典は、ざっと挙げれば 

「連結納税制度による所得金額の減少措置」 

「受け取り配当金の所得不算入」 

「外国子会社配当金の所得不算入」

「所得税額控除」「外国税額控除」 

「試験研究費税額控除」などがあります。  


 大企業ほど特典が多数あります。 

そして大企業は正社員を減らして

非正規雇用を激増させ、人件費を削って

内部留保 (利益剰余金)も膨らむ一方です。  


 「日本の法人税の実効税率は高い」という 

嘘を垂れ流してきたマスコミや大企業、 

政府与党の罪は重いのです。 

法人税率は、これ以上下げる必要はありま 

せん。 


 そして、大企業経営者などの金持ち優遇策 

で引き下げてきた累進所得税率を上げ、 

とっとと消費税は廃止すべきです。 

(文=神樹兵輔/マネーコンサルタント)


 【転載終了】 

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  反対しないどころか、報道機関がすべき

でない「改憲試案」まで政府に提案してしま

う マスコミですからね。 


 景気を左右するのは、90%の庶民です。 

大企業が儲けても、中小零細が儲からない 

と、景気の浮揚はありません。 


 日本は内需型と言われるのですが、 

「アベノミクス」が全て壊してしまいました。

 

LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

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