飲み会で表面化する収入格差・・・
AERA2018年12月3日号より抜粋
【転載開始】
■会費「1人6千円」に絶句・・・
飲み会で表面化する収入格差
一口に仲間と言うけれど、正社員
と非正規が一緒に働く時代。
飲み会は、現代の職場が抱える
ゆがみが表面化する場でもある。
* * *
9月のある日。
都内の事務管理会社で事務職と
して働く契約社員の女性(41)
の 席に、正社員がやってきて言った。
「来月、送別会があるんだけど」
親会社から一時期出向してきて
いた人が定年退職を迎えるという。
女性が「会費はいくらですか」と
聞くと、正社員は「1人6千円で」と
軽く言い放った。
女性は絶句。
仕事中だった周囲の契約社員たち
の腰もふっと浮きあがった。
「と、とりあえず(契約社員の)出欠
をまとめます」
と返事をしておいたが、
見渡すとみんな手で小さく「×」の
サイン。
9月は30日までしかない上、
祝日が2度もあり、18日勤務だった
から給与はいつもの月より2万円
前後も安い。
手取りは15万円いくかどうか、だ。
6千円あったら何食食べられるかと
考えてしまう。
ほかの契約社員も同じのようで、
「みなさん欠席で」と返答すると、
その正社員は「参加してよ」
「どうして?」と食い下がってきた。
仕方なく事情を説明すると、
「交際費ぐらい貯めときなさい」と
叱られてしまった。
そう言われても無理なものは無理。
定年退職者には、欠席のメンバー
から千円ずつ集め、心ばかりの
プレゼントと寄せ書きを贈ることに
した。
そもそも職場の飲み会なんて会費
が無料だって行きたくない。
超就職氷河期だった2000年に大学
を卒業し、派遣や契約社員を続け
ながら何度も正社員を目指したが、
「履歴書の職歴欄が多いのが気に
なる」などと言われてかなわなかった。
それなのに、飲みの席で饒舌に
なった正社員たちは
「なんで正社員にならないの?」など
と平気で聞いてくる。
社内に、雇用形態による「階級」が
できあがっていることに気づかず、
いつまでも「みんな一緒」の意識で
いる正社員の相手をするのは疲れ
るし、傷つくことだらけだ。
「一億総中流」といわれた時代は
終わり、職場は正社員だけでなく、
契約社員や派遣社員、業務委託契約
社員などさまざまな雇用形態の人が
集う場になった。
総務省の労働力調査によれば、
2017年の正規の職員・従業員は
3423万人で、非正規の職員・従業員
は2036万人。
被雇用者に占める非正規の職員・
従業員の割合は37.3%。
約4割が 非正規雇用者だ。
会社の飲み会は、こうした職場の
ゆがみが最も現れる場でもある。
飲み会やお酒はコミュニケーション
を潤滑にする力があるが、たがが外れて、
これまでなんとか 保たれていた
(かのようにみえる) 職場の秩序が崩れ
落ちる危険も ある。
まもなく忘年会シーズンだが、
宴席を囲む人たちの中にもボーナスが
もらえる人ともらえない人という歴然
とした差が生じる。
経団連は11月中旬、大手企業が支給する
冬のボーナスの第1回 集計を発表。
平均妥結額は95万6744円と過去最高
だというが、連合の2018年の調査では、
非正規雇用の64.4%がボーナスをもらって
いない。
(編集部・深澤友紀)
【転載終了】
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私も非正規を4年間経験しているので、
宴会費も負担になるのは分かります。
いま、正社員でいる方もいつ非正規に
なるかわかないですよね。
移民政策の行く末はどうなるのか・・・
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