黒田日銀は来年試練の1年に・・・
Bloomberg
【転載開始】
■黒田日銀は来年試練の1年に、
消費増税や海外リスクへの対応迫られる
2018年12月21日
1月以降、副作用と景気後退時
の対応を議論-JPモルガン証・鵜飼氏
2019年は黒田東彦総裁率いる
日本銀行にとって試練の1年と
なる可能性がある。
消費税率の引き上げ、海外リスク の増大、
物価の低迷、長引く緩和の副作用の累積
など多くの課題への対応を迫られるからだ。
日銀は20日の金融政策決定会合で、
金融調節方針の現状維持を決定した。
黒田総裁は会合後の定例会見で、
景気は先行き「緩やかな拡大を続ける」と
言明。
「リスク、特に海外からのさまざまなリスク
には十分注意していく必要はあるが、現時点
で何か 中心的な見通しが変わったとか、日本
経済の先行きの見通しが変わったということ
ではない」と 述べた。
しかし、世界の金融市場は不安定な動きを
続けており、同日の東京市場ではTOPIX
が1月に付けた直近高値からの下落率が20%
を超えて「弱気相場」入りした。
長期金利も欧米金利につれて 低下し、19、
20両日に一時0.01% と昨年9月以来の低水準
を付けた。
政府・与党は19年10月の消費増税に向けて、
キャッシュレス決済に対する5%のポイント
還元や住宅ローン減税の延長など、各種の
消費増税対策を打ち出している。
黒田総裁は6日の国会答弁で、14年4月の
増税に比べ「影響は小幅のものにとどまる」
としながらも、
「不確実性は残るので、よく注視して適切な
対応を取っていきたい」と 述べた。
ブルームバーグが10-13日に実施したエコノ
ミスト調査によると、日銀の次の政策変更は
金融引き締め方向との回答が86%と圧倒的
多数を 占めた。
しかし、米中間の貿易戦争の激化など先行き
不透明感の高まりから、景気後退を意識する
声も徐々に増えつつある。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気
循環研究所の嶋中雄二所長は同調査で、
「19年9月の消費増税前月を山とする景気後退
が10月から発生する」と想定している。
東京オリンピック・パラリンピックが開催され
るため20年8月まで景気水準は高いものの、
そこから急落する蓋然 (がいぜん)性が高い
ため、 「後で振り替えれば19年10月から景気
後退に入っていた」ということも十分 あり得る
と指摘する。
世界的に株価が不安定な動きを続けており、
世界経済の先行き不透明感も強まっている。
ブルームバーグ・インテリジェンスの増島雄樹
主席エコノミストは同調査で、
「19年度末までに景気後退に陥る可能性は現状
では低い」としながらも、貿易戦争の拡大を
通じて、「米中景気が共に失速する可能性など、
下振れリスクは大きい」とみる。
景気後退に陥っても、日銀には有効な手段は
乏しいとの声が強い。
黒田総裁は20日の定例会見で追加緩和の手段に
ついて
「短期政策金利の引き下げ、長期金利目標の
引き下げ、資産買い入れの拡大、マネタリー
ベースの拡大ペースの加速など、さまざまな
対応が考えられる」と従来の見解を繰り返す
にとどまった。
東海東京調査センターの武藤弘明
チーフエコノミストは同調査で、
「日銀は既に追加緩和手段を使い果たしており、
これ以上金融政策での対応は無理と思われる。
フォワードガイダンス(政策金利の 指針)を
無限に強化していくらいしか手段はない」と
みる。
たとえ景気後退に陥らなくても、物価は低迷が
続く可能性が高い。
WTI原油先物は10月初めの1バレル=75ドル
超から足元で40ドル台後半まで下落。
政府は携帯通話料金の4割値下げを各社に要請
しており、実現すれば物価をさらに押し下げる。
明治安田生命保険の小玉祐一チーフ エコノミスト
は17日付のリポートで、通話料値下げだけで生鮮
食品とエ ネルギーを除く消費者物価の前年比は
0%に近づくと指摘する。
超低金利政策の一層の長期化は 必至だが、
長期化すればするほど 金融機関収益への影響など
副作用 も大きくなる。
JPモルガン証券の鵜飼博史チーフ エコノミスト
は17日付のリポートで、蓄積する副作用への対応や、
下方リスクが顕在化して景気後退リスクが高まった
時の政策対応について
「1 月に経済・物価情勢の展望(展望 リポート)を
更新する時期以降に議論を始めなければならない
だろう」との 見方を示した。
【転載終了】
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経済政策など、安倍政権に手厳しい
論調が新聞にも出始めましたね。
やはり、終わりの始まりかな?
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