ETF 6・5兆円過去最高 日銀の株式買い、歯止めなく!
東京新聞
【転載開始】
■ETF 6・5兆円過去最高
日銀の株式買い、歯止めなく
2018年12月29日
日銀が金融緩和の一環で行っている
上場投資信託(ETF)の二〇一八年の
買い入れ額は計六兆五千四十億円と
過去最高となった。
最近の世界的な株安を受け、
買い入れ額のメドとする六兆円を大きく
超えた。
日銀による株の買い支え姿勢が鮮明と
なる中、株式市場の機能の低下や将来
の損失リスクも高まっている。
(岸本拓也)
取引最終日の大納会の二十八日も
日銀はETFを七百十五億円買い入れ、
日経平均株価はぎりぎり二万円を保った。
年間では、これまで最高だった昨年の
五兆九千三十三億円を約10%上回った。
夏場以降に株価下落が進み、
買い入れが増加。
日経平均が二二〇〇円近く下がった十月 は、
月間買い入れ額が過去最大の
八千七百億円となった。
今月も七千九百六十一億円と過去四番目
だった。
日銀は白川方明(まさあき)前総裁時代
の一〇年十二月からETF買い入れを開始。
当時はリーマン・ショック後で日経平均が
一万円を下回り、投資家不安を和らげる
狙いだった。
一三年三月に就任した黒田東彦(はるひこ)
総裁は買い入れ枠を拡大。
株価が上昇基調になっても枠を順次増やし、
現在は「年間約六兆円」を目安に掲げる。
今年七月には「市場状況に応じて上下
に変動しうる」と政策を修正。
六兆円超えを容認したことで買い入れ拡大
につながった。
中央銀行による株買いは、主要国は
どこも採用していない異例の策。
いまや日銀のETFの保有残高は
二十三兆円を超え、時価では日本市場の
約4%に上る。
日銀が実質的大株主となる企業も増える
ことで、企業価値が株価へ適切に反映
されず、市場にゆがみを生じさせる懸念が
ある。
ETFは、売却しない限り日銀が持ち続ける。
将来、株価が急落した場合、
日銀は含み損で債務超過のリスクを抱える。
前日銀審議委員で野村総研の木内登英
(たかひで)氏は
「簿価(取得額)から三割余り株価が下がれば、
日銀の自己資本はほぼ無くなる。常に爆弾を
抱えているようなもの。買い入れを減らす方向
に正常化すべきだ」と指摘する。
<ETF(上場投資信託)>
証券取引所に上場する投資信託で、
個別企業の株と同じように売買ができる。
複数の大企業の株式を組み合わせ、
東証株価指数(TOPIX)
や日経平均株価 に連動する商品が代表的。
日銀は、信託銀行を通じてTOPIX連動型
を中心に買い入れている。
買い入れ基準は非公表だが、市場では、
午前中に株価が0・5%前後下がると、
午後に日銀が買うと言われている。
(東京新聞)
【転載終了】
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日銀は、安倍官邸と距離を取り始めた
との記事がありましたが、官邸の圧力に
抗しきれなかったようですね。
日銀は、真綿で自分の首を絞めている
ような状態なのでは。
白川総裁の時は、正当な理由がありま
したが、黒田氏の場合はないです。
ただ単に、「アベノミクス」を支えるだけ
の理由です。
総資産は約553兆6000億円に上り、
国内総生産(GDP)を上回る規模となって
います。
因みに、米連邦準備制度理事会(FRB)
の保有資産は米GDPの約5分の1、
欧州中央銀行(ECB)の資産もユーロ圏
GDPの約4割にとどまっていますので、
日銀がいかに異様な政策をとっているか
ということです。
来年から日銀が支えきれなくなったら、
日経は際限なく下落が続き、日銀と
GPIFの損失が拡大していくような気が?
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