「消費増税の不都合な真実、それでも本当に賛成できますか?」!
連載「ここだけの話」
【転載開始】
■ぐっちー「消費増税の不都合な真実、
それでも本当に賛成できますか?」
経済専門家のぐっちーさんが
「AERA」で連載する
「ここだけの話」をお届けします。
モルガン・スタンレーなどを経て、
現在は投資会社でM&Aなどを
手がけるぐっちーさんが、
日々の経済ニュースを鋭く分析
します。
* * *
このまま本当に消費税を増税する
気でしょうか?
前にも書きましたが、
現在の個人消費支出は、
東日本大震災で買いたくても買う
ものがなかった2011年3月の
約29万3千円をはるかに下回って
います。
この月を超えたことはその後幾度
もなく、結局震災の真っただ中が
消費のピークのようになって
しまっている。
非常にいびつなんですが、
原因ははっきりしていて、
その後8%に引き上げた消費税が
諸悪の根源です。
政府は軽減税率を導入しますが、
食品の店頭購入と店内飲食に差を
つけたところで逆進性がなくなる
はずもありません。
やるならぜいたく税で、
1人あたり5万円を超える飲食には
30%、それ以下は10%などとする
しかないでしょう
(5万円を超える飲食が普通になって
いる多くの国会議員はいやでしょう
けどね……笑)。
この話をすると必ず出てくるのが
社会保障の「ただ乗り論」です。
例えば年収400万円の給与所得者
がいるとしましょう。
この人が払う所得税はおよそ10万円、
住民税が20万円、健康保険料が
20万円、厚生年金保険料が36万円
などとなる計算です。
ざっくり言うと手取りが300万円くらい、
まあ、貯金もすると仮定し、280万円
が消費に回るとしましょう。
「ただ乗り論」は、所得税を10万円
しか払っていないこの人が、
まっとうな社会保障を受けるのは
間違っているという考え方です。
この人の場合、消費税の負担額は
税率8%で22万4千円、10%で28万円
ですから、それぐらい追加で負担して
ちょうどいい、というわけです。
しかし本当にそうでしょうか。
この人は消費増税分で約8万円赤字
になる計算ですから、
給与が上がらなければその分を
どっかの消費で削らなければなり
ません。
280万円の消費は月々にして約23万円。
家族4人の食費を1日2千円としたら、
他に使えるお金はもう月17万円しか
ない!!
この中で教育費その他をやりくりし、
しかも8万円を捻出する。
これはもうアクロバットに近く、
生活必需品以外に消費をしようなんて
考える余裕すらない数字です。
ここで考えているのは基礎的生活費
にかかる消費税で、
人間1人が食べていく必要経費という
のは年収400万円だろうが、
1億円だろうがそう変わりません。
1億円の人は多少余裕があるとは思い
ますが、相対的な消費税の負担率・
痛税感ははるかに少ない。
年収1億円以上の人は約2万人で、
就業者のわずか0.031%。
この人たちがほとんど痛まず、
年収400万円程度の大多数の給与
所得者を直撃する消費税。
GDPの60%を占める個人消費に
大打撃を与えて経済成長する方が
不思議です。
それでも消費増税を許容し、
GDPの15%にすぎない貿易に力を
入れるべきだとの意見に賛成され
ますか?
※AERA 2019年2月11日号
【転載終了】
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作家・適菜収氏の言っている、
「バカがバカを支持すれば国は滅びる」
という文言に尽きますね。
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