財政再建も原発ゼロもできなかった政界の「壁」!
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【転載開始】
自己評価は「0点」ワタミ創業者の議員引退の弁
財政再建も原発ゼロもできなかった政界の「壁」
2/14(木)配信
■「ワタミ創業者」渡辺美樹参院議員の
次期参院選不出馬表明
「今日は次の参院選に出馬しないという
ことを決めたのでご報告です」
2月13日朝、記者団を前に、
このように口を開いた自民党の渡辺美樹
参院議員。
国会内の事務所で、今夏の参院選への
出馬を見送ることを発表した。
渡辺氏は続いて、不出馬の理由に言及 した。
「参院に出馬するときに前回、財政再建
と原発ゼロが、私が公約したものだったが、
残念ながらこの6年間、公約した財政再建や
原発ゼロについて何一つ力を発揮すること
ができなかった」
このように自らの公約について力を発揮
できなかったことを、“引退”の理由に挙げた
渡辺氏だが、この国会での安倍首相の施政
方針演説に失望したという。
「先日の施政方針演説をみても財政再建
については一言しかなかった。また 原発
ゼロについてはもちろんそういう発言は
ありませんでした。この6年間、私が国会
議員を続けさせていただいても 私が最初に
約束したことは何一つ実現できないという
ことで、国会議員でいることが目標ではなく、
国会議員で何をするかが大事なので、この
ままでは何もできないということで出馬を
見送りました」
■経営のトップから見た政界との乖離
「この国は近い将来、財政破綻する」
渡辺氏は、1984年に大手居酒屋チェーン
であるワタミグループを創業し、「和民」
などの店を各地に展開して急成長させた。
さらに、農業や介護事業にも乗り出し、
日本の著名な経営者の1人となった。
そして、2013年の参院選に自民党の
比例区候補として出馬し、約10万4千票を
獲得し初当選し、国会へと進出した。
経営者という顔を持つ渡辺氏が、政治家
としてもっとも危惧し、“引退”の理由とした
のが財政再建だ。
1100兆円を超えた国の借金や経済成長あり
きの甘い財政再建のシナリオには違和感
しかないと指摘し、
「この国は近い将来、財政破綻する」と
断言した上で、次のように政府の財政政策
を批判した。
「経済成長なくして財政再建なしと繰り
返し官邸は言っているが、経済成長しな
かったら国は破綻していい のかということ
です。私は経営者ですから、売り上げが
上がらなくても潰さ ない会社を作っていく
というのがまず 社員のためだと思っていま
す。実質 2%、名目3%ですか、そんな数字
が達成できなかったら、国は破産していい
のか。そのあとの手は何もない わけです。
私はそんながけっぷちの経営はすべきで
ないと思います」
「お金がなくて借金して自分のかわいい
子供にお小遣いをあげる。それは お父さん
としてやるべき姿ではないと思います。お金
がないからお小遣い我慢しなさいというの
が親の姿だと 思います」
■自民党と官邸に止められた
「金融緩和の出口戦略」議論
しかし、渡辺氏は、野党ではなく、与党自民党
の一員だ。
その立場で自らの政策を実現することは本当に
できなかったのか。
渡辺氏は会見で、大きな「壁」の存在を告白した。
「去年、(自民党の)財政金融部会長代理に
なり、日銀の出口戦略をテーマ にしようという
ことで皆様からの合意もいただきましたが、官邸
からのご意向 ということでやるなということで
止められました。半年間、ありとあらゆる場所を
使って言い続けたのですが、びくともしなかった。
強い意志が政府にはあると思う。一人ではその
意思、壁を打ち 破ることができなかった」
アベノミクスとして、日銀による異次元 の
金融緩和を後押ししている首相官邸と党執行部
によって、渡辺氏が画策した出口戦略について
の党内議論は止めら れたというのだ。
■もう1つのきっかけは「議員定数6増法案」
そして渡辺氏が、“政界引退”を決断するもう
1つのきっかけとなったのが、去年国会で成立
した、参議院の議員 定数を6増やす公職選挙法
改正の採決時だったという。
「最終的に自分は国会議員でいられないと
思ったのは、参院で6増法案が 決まった時で
した。ボタンを押すときは 手が震えた。絶対
にこんな法案通してはいけないと。国会議員
の都合で、人口が減ってお金はないのに、一人
1億円もの予算をかけて議席を6つも 増やす。
そんなことがあってたまるかという思いで
ボタンを押した。その時が最終的に出馬を
見送ったときでした」
■永田町は経営の世界と全くの別世界
さらに渡辺氏は会見で、経営の世界と政治の
世界を比べて次のように語った。
「永田町は私が30年育った経営の世界とは
全く別の世界。経営の場合には少ないお金で
沢山のことをやった人が評価さ れる。政治は
予算を確保した方が強い、いわば既得権である。
経営と政治はかなり違う感覚がある」
経営と政治は別物であったという渡辺氏。
6年前に出馬を勧められた菅官房長官からは、
不出馬を伝えた際に
「あと10年早く議員 になったら良かったかもしれ
ないね」と言わ れたという。
当選回数が発言力につながる、永田町の論理もまた
壁となったということだろう。
■自己評価は「0点」 生涯経営者宣言
政界引退後は生涯「経営者」として、
民間でできることをひとつずつこなしたいと語った
渡辺氏。
現在288校まで広がった発展途上国の学校を
1000校まで増やす。
1000人の経営者を育てる。
森を1000ヘクタールまで増やす。
以上のトリプル1000の目標を掲げ、今後は経営者
育成や発展途上国支援を続けるという。
この6年間を振り返り
「非常にやるせないというか、悔しい思いはしてきた」
と述べた渡辺氏。
将来の政界復帰については 「今は考えていない」と
する一方、「財政破綻したとき第二次世界大戦に
負けた以上の痛みを国民は受けると思う。
その時に自分の力が必要だと思えば、もう一度問題
提起させていた だきたい」と多少の含みを持たせた。
そして会見の最後に渡辺氏が発した言葉は、永田町
という特殊な世界での、スター経営者の限界を
ストレートに表す ものだった。
「6年間の自分への評価は0点。何一つ 残せなかった」
【転載終了】
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作家・適菜収氏の
「バカがバカを支持すれば国は滅びる」は、
正しい見方だと思います。
日本だけが経済戦略が立ち遅れているのは、
安倍晋三の無知さと傲慢さだと言えるでしょう。
側近のダメさ加減もありますが。
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