令和元年“円安中毒”企業が次々と傾く・・・?
日刊ゲンダイDIGITAL
【転載開始】
■楽観過ぎる想定為替
令和元年“円安中毒”企業が次々と傾く
公開日:2019/04/02
新元号に浮かれていた4月1日、
日銀が発表した3月の短観は散々
だった。
大企業製造業の景況感を示す
業況判断指数(DI)は、
第2次安倍政権が発足して以降、
最大の悪化となった。
企業は先行きに不安を抱き始めて
いるが、想定為替レートはあまり
にも楽観的。
これでは、急激な円高で傾く企業が
続出しかねない。
DIは前回の昨年12月調査から
7ポイント下落のプラス12だった。
低下幅は、2012年12月
(9ポイント低下)以来、
6年3カ月ぶりだ。
驚いたのが、2019年度の
想定為替レート。
大企業製造業が事業計画の前提として
いる想定為替は、
1ドル=108.87円 だった。
現在は111円前後だが、
2~3月は109~111円台、
1月は107~109円台で推移して
いた。
1月3日には一時104円台まで円高が
進行する場面もあった。
■円高要因だらけ
企業が想定する108.87円は、
足元の為替に毛が生えたようなレベル
なのだ。
経済ジャーナリストの井上学氏が言う。
「あまりにも楽観的で驚きました。
ほとんど円高リスクを織り込んで
いない想定為替です。あっという間
に、想定割れが起こるでしょう。為替
は、今年中の100円割れも十分考え
られます。というのも、この先、円高
要因がたくさんあるからです」
▼欧米の今年中の利上げ見送り、
または利下げ
▼日米貿易協定交渉における
トランプ大統領の円高圧力
(為替条項)
▼世界経済への不安からの安全
な円買い――。
これらはすべて円高要因だ。
通常なら日銀が、利下げや金融緩和で、
過度な円高にブレーキをかけるのだが、
すでにジャブジャブの金融緩和は
マイナス金利策までやり果てており、
打つ手がない。
円高がドンドン進行しても日本は傍観
するしかないのだ。
「1ドル=80円台の民主党政権
時代、企業は苦しみましたが、80円
でも利益が上げられるように鍛えられ
た面もあります。一方、安倍政権下、
6年余の長期間の円安政策で、企業は
円安メリットにドップリ甘んじてきま
した。その結果、企業の体質はかなり
弱くなっています。本来なら円高要因
が見えている19年度は、せめて105円、
できれば100円以下の 厳しめの為替の
想定をして、それでも利益が上げられる
施策を講じていく必要があるのです。
108円台での 事業計画では、急激な円高
になった時、 アッサリ赤字が出てしまう
ことになります」(井上学氏)
1円の円高でトヨタは年間400億円、
日産やホンダは100億円、
キヤノンは50億円の利益が吹っ飛ぶと
いわれている。
短観で示されたように、
企業が景気の行方に危機感を持っている
のなら、令和に元号が変わる前から大幅
な円高を前提に備えた方がいい。
長年どっぷりハマった“円安中毒”からは、
すぐには抜けられない。
【転載終了】
**************************
1月の円高は、市場が試したのか?
いずれにしろ円高不況が重なったら、
高額製品の購入控えが起こり、内需の
冷え込みに一層拍車がかかりそうですね。
車の買い替え計画は頓挫か・・・?
消費増税は絶対ダメですね。
0コメント